2020年9月24日木曜日

心の健康守れ 中高生ら探る 解決策など発表

心の健康守れ 中高生ら探る 解決策など発表

 

2020924日(木) 10:00 朝日新聞(西岡矩毅)

 

 和歌山県内の中高生が3カ月にわたりメンタルヘルス(心の健康)について学び、その課題や解決策を発表するコンテストが21日、和歌山市美園町5丁目の県JAビルであった。35人が自分の経験やアンケートなどを生かして解決策を考えた。

 

 主催は県内出身の学生や県立医科大など県内で学んでいる学生でつくる「WAKA(ワカ)×YAMA(ヤマ)」。コンテストには、6月の面接で選ばれた中学生12人と高校生23人の計11グループが参加した。オンライン会議で指導役の大学生と話し合いなどを重ねて課題を設定。同級生にアンケートしたり、自治体の担当者や教師にインタビューしたりして、この日に臨んだ。

 

 「一人親家庭では親子の会話の時間が取りづらい」という課題を採り上げた県立向陽中学と有田市立保田中学の生徒4人グループは「今日あった出来事などを書いたメダルを入れて親子の時間の時に見る貯金箱」を提案した。携帯電話などを持たない子どもと親の意思疎通を図れるだけでなく、このメダルを使って親子で遊ぶこともできると考えた。

 

 「SNSの否定的なコメントに悩む」という課題に挑んだ県立橋本高校の4人グループは、否定的な言葉を肯定的に変換するLINE(ライン)アカウント「コトバのなる木」のアイデアを披露した。このアカウントを「友だち」に登録して「死ね」と書き込むと、「ローマ字で書くとどうなりますか。Shine。この意味を知っていますか。輝けという意味です」とコメントが返ってくる。現在、対応できる言葉は14あるという。

 

 優勝したのは、智弁和歌山高校2年の岡田華奈(かな)さんと湯川舞夢(まむ)さんの2人組。岡田さんは双子の妹と比べられることに、湯川さんはクラス替えなどの環境の変化や勉強の難しさに、一人で悩んだことがあった。同校の2年生255人に、日常でしんどい時や苦しい時にどうしているかアンケートで尋ねたところ、32%が「そのまま頑張る」、25%が「1人で耐える」と答えた。このため、「悩みを一人で抱え込む同世代が多い」という課題を設定。どうすれば周囲に相談しやすくなるかを考え、医師へのインタビューなどをして、相談しながら中高生が独自に「SOS教育」を学べるプロジェクトをまとめた。

 

 文部科学省は、困難な事態、強い心理的負担を受けた場合などの対処の仕方を身に付ける教育として「SOSの出し方に関する教育」を少なくとも年1回は実施するよう全国の学校に通知している。

 

 2人はそれでは不十分だとし、上級生が下級生に継続して教えていくことを提案。放課後、1年生の有志10人に、自分なりのストレス解消法や信頼できる人を考えさせる「SOS教育」を実施した。来年度以降も継続して実施できないか試行していくという。

 

 岡田さんは「この3カ月はあっという間だった。医師など専門家に話を聞いて視野が広がった」。湯川さんは「この活動はこれからも続けていく。将来は校内だけでなく、県内で広めたい」と意気込んだ。

 

 審査した県立医科大の柳川敏彦保健看護学部長は「身近な問題から解決策を探し、良いアイデアが多かった。学校や自治体などの協力を得ながら、これから実証実験をして形にしていってほしい」と語った。


《カウンセラー松川のコメント》 

中学生や高校生の時から身近な事でメンタルヘルスについて
考えるコンテンスがあるとは知りませんでした。
これからの時代を築く若い人の知恵で良い方策を探って欲しいですね。


2020年9月19日土曜日

沖縄、精神疾患で休職の教員最多 2019年度は発生率1.2% コロナで増加懸念

沖縄、精神疾患で休職の教員最多
 2019年度は発生率1.2% コロナで増加懸念

 

2020年9月19日() 8:21 沖縄タイムス(社会部・徐潮)

 

 2019年度に精神疾患で休職した県内公立学校の教職員は190人で、全教職員数(15771人)に占める割合(精神疾患発生率)は12%となり、記録がある10年以降、過去最多を更新したことが分かった。18年度の精神疾患休職者は176人で、発生率は115%。全国平均057%の2倍を超え、全国ワーストだった。県教職員組合(沖教組)は新型コロナウイルスの影響で学校現場の仕事が増え「今年はもっと多くなるのではないか」と懸念する。

 

 県教育庁学校人事課によると、19年度に精神疾患を含め病気で休職した教職員は419人で、前年度より7人減少。病休発生率は266%。臨時教員には休職の制度がないという。

 

 精神疾患への対策について、学校人事課は「県立学校の教職員にはストレスチェックの実施と相談窓口を設けている」と説明。小中学校は各市町村教委が対応しているとした上で「管理者には職場のメンタルヘルス対策、全教職員にはセルフケアなどの研修を毎年やっている」と述べた。

 

 一方、沖教組の佐賀裕敏委員長は「管理職から受けたパワハラ相談がここ数年伸びている。全国学力テストが始まって教員も余裕がなくなった。多忙化も倒れる原因の一つ」と分析。県には原因の検証とともに「教員の増員や少人数学級の設置など、現状を変えていく方法を考えてもらいたい」と求めた。


《カウンセラー松川のコメント》

いくらセルフケアの方法を覚えても
強大なストレッサーがあれば、精神を蝕む事も簡単です。
セルフケアを知る事も大切ですが、
過剰なストレスに晒されない職場作りが重要です。


2020年9月16日水曜日

三重県と県教委 パワハラを懲戒対象に 指針に追加、最高で免職

三重県と県教委 パワハラを懲戒対象に 指針に追加、最高で免職


2020年9月16日(水) 11:00 伊勢新聞

 
三重県と県教委は15日、懲戒処分の指針を改定し、職場での優越的な関係を背景に苦痛を与える「パワーハラスメント」を項目に加えた。パワハラで職員を精神疾患にさせた場合は最高で懲戒免職と定めた。

 県によると、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が6月に施行されたことなどを受けて改定。人事院が国家公務員を対象とする懲戒処分の指針にパワハラの項目を追加したことも踏まえた。

 県と県教委は指針で、パワハラを「職務の優越的な関係を背景に業務上必要かつ相当な範囲を超える言動で職員に苦痛を与え、人格や尊厳を害し、または勤務環境を害するようなこと」などと定義した。

 処分の目安となる標準例には、パワハラで精神的または身体的な苦痛を与えた場合は停職、減給、戒告のいずれか、心的ストレスの重積による精神疾患にさせた場合は免職、停職、減給のいずれかと定めた。

 行財政改革推進課は、職員の行為がパワハラに当たるかどうかを判断する基準について「パワハラ防止の基本方針などを踏まえ、総務部が関わりながら各部局で総合的に判断したい」としている。

 また、県教委は15日、わいせつ行為をした教職員への処分の標準例も改定。「免職または停職」と定めていた児童や生徒へのわいせつ行為について、文科省の通知などを受けて免職と定めた。


《カウンセラー松川のコメント》

三重県の懲戒処分の指針改定は画期的と言えます。
精神疾患を負った場合、それが精神病であれば[完治]は無理です。
厳しい言い方ですが、症状が治まり再発の兆しが見えなくても
それは[寛解]であって[完治]ではないのです。
よって[完治しない=不治の病]となってしまうのです。
健康状態から精神を病むまでには相当の有形無形の力が働き、
それに対して精神を病まない様に心身は抵抗を試みます。
この抵抗は相当なものなので、簡単に精神病となる事もありません。
しかし、その抵抗を押し破られた時に、人は精神病となります。
硬い棒はなかなか折れませんが、
一旦折れてしまえば元には戻りません。
接着剤で元通りにしたとしても折れた跡は残っています。
一見元どおりに見えても、それは見かけだけであり、
本当の元どおりには成っていない。
それが病気ならば[寛解]なのです。
だからこそ、人をその様な状態にしたのならば、
職場としては最も重い懲戒である免職で処分するのが
せめてもの被害者に対する職場としての誠意なのです。
精神病では完治しないのは、あくまでも医学用語や医学的見地です。
[寛解]まで治れば日常生活も元通りになりますので、
精神を病まれた方も悲観せずに治療に励んでください。

2020年9月12日土曜日

女性運転士に「田舎者」、顔を至近距離でのぞき込む…JR東から出向の社長辞任

女性運転士に「田舎者」、顔を至近距離でのぞき込む
…JR東から出向の社長辞任

 

2020年9月12日(土) 15:57 読売新聞

 

 ニューシャトルを運行する埼玉新都市交通は11日、社長の南雲敦氏(54)が同日付で辞任したと発表した。女性社員にセクハラまがいの言動をしたことによる引責辞任で、記者会見した渡辺哲・代表取締役常務は「社長としての適任性が問われる事案。おわび申し上げる」と陳謝した。

 

 

 発表によると、南雲氏は昨年8月に行われた暑気払いの2次会で、女性運転士に「田舎者」と 揶揄やゆ したほか、下の名前で呼び捨てにしたり、顔を至近距離でのぞき込んだりしたという。今年4月、女性運転士の後輩から会社側に通報があり、5~7月に調査していた。

 

 南雲氏は、酒に酔っていて一部の記憶がないと否定したというが、同社は同席していた社員への聞き取りなどから、不適切な言動を認定した。

 

 南雲氏はJR東日本出身で、昨年6月から埼玉新都市交通に社長として出向していた。JR東日本も今月7日付で南雲氏を処分し、自宅待機させている。

 

 

 

埼玉新都市交通社長が引責辞任 社員にセクハラ発覚

 

2020911日(金) 18:34 日本経済新聞

 

地域鉄道「ニューシャトル」を運営する埼玉新都市交通(埼玉県伊奈町)は11日、南雲敦社長が同日付で引責辞任したと発表した。社員へのセクハラ行為が発覚したためで、同日開催した取締役会で辞任が承認された。当面、渡辺哲常務が社長の職務を代行する。

 

同社によると、南雲氏は昨年8月、社内関係者が参加した酒席で女性社員に不快な思いを抱かせる侮辱的な発言や行為をしたという。今年4月、女性社員からの内部通報で事実が発覚した。

 

同社は1980年設立。埼玉県やJR東日本が大株主で、南雲氏もJRから出向し、社長を務めていた。


《カウンセラー松川のコメント》

「親会社様から遙々地方の小さな会社に出向して来てやっている」
「有っても無くても困らない、たかが子会社」
そんな思いが相当に有ったのでしょうね。
気分は占領軍の司令官だったのでしょう。
だから「女の運転士なんて現場仕事しかしてない奴」と言う態度が
露わになったのでしょう。
確かに酔った勢いだったのかも知れませんが、
心のどこにも見下した思いが無ければ、こんな醜態を晒さないです。
しかし、これだけ無礼な言動をしても、
役員だと懲戒処分も受けずに辞任で済んでしまうのも
従業員どころか利用者でも無い私でさえ納得出来ません。
やはり親会社から出向の社長ですと懲戒関係の待遇も別格なのでしょうね。

被害者の方へ
[酔っ払った馬鹿親父の暴言]程度の認識でいないと
御自身が辛いと思います。
加賀亜者は親会社に戻った事で再発の可能性は少ないので、
会社としての対応も悔しいですが、これが限界と諦めるしかないでしょう。

2020年9月10日木曜日

パワハラ「証拠なし」でも復帰できず 懲戒免職取り消しの歯科医 富士吉田市と平行線

パワハラ「証拠なし」でも復帰できず
 懲戒免職取り消しの歯科医 富士吉田市と平行線

 

2020年9月10日(木) 8:56 毎日新聞(山本悟)

 

 山梨県の富士吉田市立病院に勤務していた歯科医師の大月佳代子さん(62)が、パワーハラスメントと診療拒否を理由とした懲戒免職処分の取り消しを求めた訴訟で処分を取り消す判決が確定してから間もなく3カ月。約3年半に及ぶ対立は最高裁の決定で決着したかに見えたが、大月さんは今も職場に復帰できないでいる。背景には処遇を巡る意見の相違があるという。

 

 「パワハラと診療拒否は現実にあった」「市の内部調査で確認されている」――。堀内茂市長は7月の定例記者会見でそう述べ、最高裁の決定に不満をあらわにした。大月さんへの謝罪について問われると、「謝罪の気持ちは毛頭ない。私の気持ちは今後も変わらない」と語気を強めた。 


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ2016年11月17日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 診療拒否、パワハラで山梨・富士吉田市立病院の歯科医師を懲戒免職 市長が謝罪会見「治外法権的になり情報上がらず」 歯科医師は否定「事実無根」 (mms119.blogspot.com)
に関しての続報です。
地裁、高裁での市側の主張を認めない判決を最高裁が支持したにもかかわらず、
市長は一貫してこの判決に反する主張を続けています。
堀内茂氏の個人的な見解は自由ですが、
市長の肩書きに於いて確定した判決に反する主張をするのは
公務員である首長として間違っています。
真実がどうであれ、判決が確定した以上はそれに従うのが国民の義務です。

原告の方へ
パワハラの事実は司法によって否認されましたが、
法的にはパワハラ被害者も存在はしません。
しかし「被害を受けた」と感じる方が存在しているとすれば、
被害者感情も存在することは忘れないでください。

2020年9月3日木曜日

若手への暴行や嫌がらせ横行 板野東部消防本部 懲戒処分せず批判も【詳細版】

若手への暴行や嫌がらせ横行 板野東部消防本部 懲戒処分せず批判も【詳細版】

 

2020年9月3日(木) 徳島新聞

 

 藍住、北島、松茂の3町を管轄する板野東部消防組合消防本部で、40代の複数の消防士が20代の若手消防士に対して暴行や暴言などの不適切な行為を繰り返していたことが徳島新聞の取材で分かった。若手消防士は顔をたたかれたり足を蹴られたりしたほか、業務ではない指示を受けるなどしていた。消防本部は一部について内部調査を行って事実を確認したが、「被害者が望まなかった」などとしてパワーハラスメントによる懲戒処分をしていない。関係者の間では「隠蔽(いんぺい)された」と批判の声が上がっている。

 

 関係者によると、42~49歳の消防士4人が今年に入り、同じ班の20代の消防士1人に対し、私生活についてしつこく尋ねたり家庭環境をやゆするような呼称を使ったりした。また、業務とは関係がない場所の写真を撮影してくるように指示し、従わなかったところ叱責(しっせき)。食事を作っている最中に頭などを繰り返したたくこともあった。

 

 若手消防士は精神的苦痛に耐えかね、5月から休職し、一時は通院。消防本部は事実関係を調査し、約1カ月後に職場に復帰した若手消防士を別の班に異動させた。川脇稔消防長は4人を口頭注意処分としたものの、懲戒処分は見送った。

 

 別の班で勤務する消防士(45)は4月、出動先から帰署した直後の救急車の中で、別の20代の消防士1人が仕事でミスをしたのに対し、声を荒らげて激しく叱責。その際、顔を右手でたたいた。さらに、ミスに関して事実とは違う話を他の消防士に流布。この後、20代消防士は救急隊に組み込まれない日が増え、意図的に業務から外されている。

 

 この45歳の消防士は、2017年2月にも別の20代の消防士1人に激しい暴行を加えた。出動先から戻った直後、救急車から降りた20代消防士の足を蹴って突き倒し、覆いかぶさるようにして暴行。さらに、胸ぐらをつかんでフェンスに押し付け、約2メートル下の用水路に頭から転落させかけたほか、屋外などで1時間にわたって正座させた。

 

 消防本部ではベテランから若手への「指導」と称し、不適切な行為が横行しているという。関係者は「若手が萎縮し、業務に集中できていない」と訴えている。

 

 川脇消防長は「アンケートを行って実態を把握したい。全職員を対象にハラスメントについての講習会を開くことも考える。安心して相談できる窓口も作りたい」と話している。

 

 消防本部は、第1消防署(北島町北村)と第2消防署(藍住町笠木)を拠点とし、消防士約90人が所属している。

 

■懲戒なし「被害者が望んでいない」 幹部にインタビュー

 川脇稔消防長ら幹部4人が徳島新聞の取材に応じた。主なやりとりは以下の通り

 

 記者
「消防士1人が家庭環境をやゆされるなどの嫌がらせを受け、病気休暇を取得している。なぜ苦情処理委員会を開催し、懲戒処分を検討しないのか」

 

 川脇消防長
「本人(被害者)と話した結果、そこまで望みませんということだった」

 

 記者
「別の消防士1人は顔をたたかれる暴行などを受けている。事実は把握しているか」

 

 川脇消防長ら
「もっとしっかりせないかんという意味で頭(ヘルメット)をたたいたと聞いている」

 

 記者
「要するに激励ということか」

 

 川脇消防長ら
「憎しみはなかった。本人(被害者)が失敗したと。それぞれ調査をした結果、本人(被害者)が懲戒処分を望まなかった。本人(加害者)と上司に厳重注意し、ここまでしたらいかんということは伝えた」

 

 記者
「3年前、別の消防士が殴ったり蹴ったりされ、長時間正座させられたケースもあった」

 

 川脇消防長
「内容は把握していない」

 

 記者
「同じ加害者による被害が相次いでいる」

 

 川脇消防長
「職員全員に対し、ハラスメントは何かということについて勉強する講習会を開こうと思う。アンケートも行い、実態を把握したい」

 

 記者
「パワハラを懲戒処分しないことで、組織内に不満がたまっているようだ」

 

 川脇消防長
「安心して相談できる窓口を作りたい」

 

■隠蔽体質指摘する声 他県では賠償命令も

 消防組織は階級社会で男性中心の職場であり、大規模な異動がないため、人間関係が固定化しがちだ。こうした職場の特性もあり、消防職員のパワハラを巡っては自殺者が出るなど深刻なケースが多い。消防庁が対策を講じているものの、実態は一向に改善していない。

 

 職場のハラスメント研究所(東京)の金子雅臣所長は「体質的な根深い問題」と指摘する。パワハラが無くならない原因として、上司が責任を問われるのを避けるために口頭注意程度で済ませる隠蔽体質があると言い、「第三者の目が入らない限り、出口はない」と問題視する。

 

 板野東部消防組合の内規では、パワハラが疑われる事案があった場合は「ハラスメント苦情処理委員会」を開いて事実を確認すると明記。事実と認定されれば、加害者に戒告以上の懲戒処分を下すよう定めている。しかし、今回発覚したケースはいずれも「被害者が懲戒処分を望まなかった」などの理由で、委員会すら開かれていない。

 

 関係者は「幹部が保身に走っている。他県の事例では板野東部より軽い事例で懲戒処分が出ている。隣接する鳴門市や板野西部でも過去に懲戒処分があった。板野東部だけ体質が変わらない」と嘆く

 

 似たケースでは、高知県の高幡消防組合消防本部の消防士が職場でパワハラを受けたとして、組合を訴えた裁判がある。今年3月、高知地裁はパワハラを認定し、消防士2人への賠償金の支払いを命じる判決を出した。

 

 判決によると、須崎消防署副署長は、休暇中の同僚への連絡を拒否した部下に怒り、部下のひざの上に靴を脱いだ足を置いた。15年には別の消防士を署内で正座させて叱責し、ペットボトルを投げ付けた。高知地裁はいずれの行為も「業務上の指導の範囲を逸脱し、社会通念上違法だ」と認定した。

 

 金子所長は、板野東部消防組合の事案が裁判でパワハラと認定されるかどうかについて「個別の事実関係があり、判定は難しい」とした上で、「身体的、精神的な攻撃、過剰な要求、業務の適正な範囲を超えた命令などのパワハラ行為に該当し、アウトになる(パワハラに認定される)可能性が極めて高いとは思う」と言っている。


《カウンセラー松川のコメント》

明らかな[脳筋]連中による虐めです。
この記事で着目したいのは、事案内容も当然ですが、
それ以上に記者と消防長との質疑応答です。
「さすが地元紙だけのことはある」と感心しました。
そして記者の質問に対して、
消防長の回答が如何にその場を取り繕おうとしているか如実に表れています。
ハラスメント行為による処分者が出れば、
それは回り回って管理監督者の責任問題にも発展し、
最終的には消防長自身にも及びことを恐れているのが分かり易いです。
組織のトップが保身に走れば、不祥事も揉み消されるか、
トカゲの尻尾切りで済ますかのどちらかです。
ハラスメントの被害者は組織内で立場の弱い者が多いですから、
下手にトカゲの尻尾を切るよりは、揉み消し工作を図った方が得策です。
それが今般の事案とその後の経緯となっています。
こんなトップが居る限り、職場の健全化は無理ですが、
トップも何か後ろめたい事をしているのでしょうね。

2020年9月1日火曜日

アカハラで教授懲戒「合理的理由欠く」…大学側処分に無効判決

アカハラで教授懲戒「合理的理由欠く」…大学側処分に無効判決


2020年9月1日(火) 18:19 読売新聞

 学生にアカデミック・ハラスメント(立場を利用した嫌がらせ)を行ったとして、鳥取大から停職1か月の懲戒処分を受けた大学院工学研究科の男性教授(51)が、同大学を相手取り、処分の無効確認や停職中の給与支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決が31日、広島高裁松江支部であった。金子直史裁判長は原告の請求を棄却した1審・鳥取地裁の判決を変更し、懲戒処分を無効とし、約55万円の支払いを命じた。

 判決などによると、男性教授は2015年7月、研究室に所属する男子学生に対し、就職を希望する企業への推薦状を書かないなど、学生の不利益になる行為をしたとして、17年3月に懲戒処分を受けた。

 原告側は1審で請求が退けられたことを受け、推薦状は各教授が広範な裁量のもとで作成しているもので、停職処分に値しないと控訴していた。

 判決は、「自己の利益のみを目的とした行為ではなく、標準例と比べて重い処分が相当とは認めがたい」とし、「懲戒処分は合理的な理由を欠く」と判断した。

 同大学は「こちらの主張が認められず遺憾。判決を精査した上で今後の対応を検討したい」とした。


《カウンセラー松川のコメント》

大学院生が就職する為に企業への推薦状を作成依頼するのは
院生固有の権利です。
しかし、推薦状を作成するかどうかは研究室の教授や指導教官の裁量であり、
推薦状作成拒否の理由が第三者からも理解を得られる内容ならば、
それは逆に教員側の正当な権利行使でもあります。
記事だけでは推薦状作成を拒否した理由が不明なので、
大学側の処分の軽重も判断出来ませんが、
立場を利用した不当な推薦状作成拒否ならば、
大学当局は教員に対して処分をするのは当然の義務であり、
これを失えば学生や院生は教員の顔色を見ながら活動しなければならず、
それは健全な教育環境とは言えません。