2020年9月1日火曜日

アカハラで教授懲戒「合理的理由欠く」…大学側処分に無効判決

アカハラで教授懲戒「合理的理由欠く」…大学側処分に無効判決


2020年9月1日(火) 18:19 読売新聞

 学生にアカデミック・ハラスメント(立場を利用した嫌がらせ)を行ったとして、鳥取大から停職1か月の懲戒処分を受けた大学院工学研究科の男性教授(51)が、同大学を相手取り、処分の無効確認や停職中の給与支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決が31日、広島高裁松江支部であった。金子直史裁判長は原告の請求を棄却した1審・鳥取地裁の判決を変更し、懲戒処分を無効とし、約55万円の支払いを命じた。

 判決などによると、男性教授は2015年7月、研究室に所属する男子学生に対し、就職を希望する企業への推薦状を書かないなど、学生の不利益になる行為をしたとして、17年3月に懲戒処分を受けた。

 原告側は1審で請求が退けられたことを受け、推薦状は各教授が広範な裁量のもとで作成しているもので、停職処分に値しないと控訴していた。

 判決は、「自己の利益のみを目的とした行為ではなく、標準例と比べて重い処分が相当とは認めがたい」とし、「懲戒処分は合理的な理由を欠く」と判断した。

 同大学は「こちらの主張が認められず遺憾。判決を精査した上で今後の対応を検討したい」とした。


《カウンセラー松川のコメント》

大学院生が就職する為に企業への推薦状を作成依頼するのは
院生固有の権利です。
しかし、推薦状を作成するかどうかは研究室の教授や指導教官の裁量であり、
推薦状作成拒否の理由が第三者からも理解を得られる内容ならば、
それは逆に教員側の正当な権利行使でもあります。
記事だけでは推薦状作成を拒否した理由が不明なので、
大学側の処分の軽重も判断出来ませんが、
立場を利用した不当な推薦状作成拒否ならば、
大学当局は教員に対して処分をするのは当然の義務であり、
これを失えば学生や院生は教員の顔色を見ながら活動しなければならず、
それは健全な教育環境とは言えません。


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