2024年1月13日土曜日

▼医師・救急隊員からの電話を一方的に切る、救命士への指示10日間拒否…パワハラ2年前から

医師・救急隊員からの電話を一方的に切る、
救命士への指示10日間拒否パワハラ2年前から

 

2024年1月13日() 12:03 読売新聞

 

 鳥取県立中央病院(鳥取市)は12日、同病院の救命救急センターが、消防の救急救命士に対し、必要な医療行為の指示を出すことを10日間にわたって拒否していたと明らかにした。患者3人に関する処置の指示を出さなかったという。同病院の広岡保明院長は鳥取市内で記者会見し、「患者の容体に影響はなかったが、不適切な対応だった」と述べて、謝罪した。

 

 同病院は県東部で唯一の3次救急医療機関。発表では、センター長は昨年125日、患者を搬送する際の手順書の内容が不十分だとして、同県東部消防局側に「中央病院への指示の要請には応じられない」とするメールを送信。同14日までの間、いったんは要請を受け入れるとし、消防から患者3人に対する要請があったが、結局応じなかった。他の病院が患者の処置への指示を出したとみられる。

 医師や消防関係者らでつくる協議会との調整で、15日からは要請を受け入れる方針に転じた。会見で広岡院長は指示要請の拒否について「私は後日聞いた。許可も得ずに出したのは非常に良くない」と述べた。

 

 中央病院は、同センターの医師が同月、救急隊員に高圧的に対応するパワーハラスメントを行っていたことも発表。救急隊員から受けた電話を一方的に切ったほか、患者をベッドに移す作業について「まだできないの。3年前から言っているんだけど」と侮辱する発言もあったという。消防局は、同センターのスタッフによるパワハラが約2年前から約20件繰り返されていたとし、詳しい調査を求めている。

 

 

※ 他社のニュースも掲載致します 

医師が救命士への医療行為指示を拒否、救急隊員へのパワハラも

 

2024年1月13日() 11:07 朝日新聞(大久保直樹)

 

 鳥取県立中央病院(鳥取市)は12日、救命救急センターが、患者を搬送中の救急救命士からの医療行為への指示要請を拒んだり、センターの医師が救急隊員にパワーハラスメントを行ったりする不適切な事案があったと発表した。

 

 救急救命士は救急搬送中、医師に指示を要請し、気管に管を入れて気道を確保するなどの特定の医療行為を行うことができる。

 

 病院によると、昨年125日、救命救急センター長の医師が、鳥取県東部消防局に対し、「指示要請は応諾しかねる」と対応を拒否する方針をメールで連絡。同14日までの10日間、消防局からの指示要請を拒否したという。この間、実際に搬送時に救急救命士がセンターに指示要請を断られ、ほかの病院の医師の指示を受けながら医療行為を行ったケースもあったという。

 

 病院は15日から指示要請への対応を再開し、広岡保明院長が病院ホームページに謝罪文を掲載。センター長の医師は、病院幹部の許可を得ずにメールを送信していた。センター長は指示要請を拒んだ理由について病院の聞き取りに対し、救急搬送時の処置手順を定めた「県プロトコル」には不十分な部分があり、医学的観点から医師の責任問題が生じると考えたとの説明をしたという。

 

 またこの間、センターの医師から救急隊員への高圧的な態度や言動、電話を途中で切るなどの対応があり、パワハラに該当するとして、消防局は病院に調査を要請。病院は調査の結果、1人の医師が救急隊員に対し、「まだベッド移乗もできないの? 質の問題だね」などとパワハラに該当する言動を行っていたと判断した。

 

 消防局からは約2年前からパワハラ行為があったとの指摘があり、病院は今後、さかのぼって調査する。広岡院長は12日に鳥取県庁で会見を開き、「院内のガバナンスができていなかった。県民のみなさんのみならず、消防職員のみなさんに心配や不安を与えてしまったことを深くおわびしたい」と陳謝した。

 

 病院から調査結果の報告を受けた東部消防局はコメントを発表し、「県立中央病院の今後の対応にも注視しつつ、当局救急隊員の士気を保ちながら、地域住民のみなさまへの救急サービスが低下することのないよう、日々の業務に努めてまいりたい」などとした。

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