2023年2月7日火曜日

▼パワハラもみ消し、自衛隊にまだ存在する…内部告発後に「不当逮捕」訴え提訴

パワハラもみ消し、自衛隊にまだ存在する…内部告発後に「不当逮捕」訴え提訴

 

2023年2月7日() 6:32 読売新聞

 

 自衛隊横須賀病院でのパワハラを内部告発した後に自衛隊の捜査機関の警務隊に不当逮捕されたとして、40歳代の男性2尉と元3曹の20歳代男性が、国に約1000万円の慰謝料などを求めて横浜地裁に提訴した。提訴は3日付。2人は6日に記者会見を開き、「自衛隊にはパワハラのもみ消しがまだ存在することを訴えていきたい」と語った。

 

 訴状などによると、病院を昨年1月末に退職予定だった元3曹は、上司の50歳代男性曹長に「次の仕事はお前には無理」と言われ、当直を増やされるなどのパワハラを受けた。元3曹は幹部の2尉に相談し、2人は2月上旬頃、パワハラを告発する書類を海上幕僚監部と横須賀地方総監部に提出した。

 

 すると、2人は同年9月27日、警務隊に虚偽告訴容疑で逮捕され、2尉は同日、自衛隊中央病院診療放射線技師養成所教官から横須賀基地業務隊に異動となった。横浜地検横須賀支部は2日後に2人を釈放し、11月30日に嫌疑不十分で不起訴とした。2人は、違法な逮捕で精神的苦痛を受けたなどと主張している。

 

 海上自衛隊は「訴状がまだ届いていないので回答できない」としている。

 

 

※ 他社のニュースも掲載致します 

40代自衛官ら、国賠提訴 「パワハラ告発後に不当逮捕」

 

2023年2月6日() 20:07 毎日新聞(園部仁史、内橋寿明)

 

 海上自衛隊横須賀基地業務隊(神奈川県横須賀市)に所属する2等海尉の40代男性ら2人が6日に横浜市内で記者会見し、防衛省にパワーハラスメント(パワハラ)の告発をした後で不当に逮捕されたとして、国を相手取って慰謝料など約1000万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こしたことを明らかにした。提訴は3日付。

 

 訴えたのは、2尉と自衛隊横須賀病院に勤務していた元3等海曹の20代男性=依願退職。訴状などによると、当時病院勤務だった2尉は20221月、部下で退職予定の元3曹から、別の上司である男性曹長からパワハラを受けているとの相談をされた。元3曹は同僚より多くの当直業務を命じられたほか、「次の仕事はお前には無理。退職手続きを取り消してこい」「パワハラなんてもみ消せる」などと言われたという。

 

 2尉は元3曹の他にも男女計3人から、同じ曹長によるパワハラの相談を受けていた。2尉は曹長の懲戒処分を求める申立書と答申書を作成し、222月上旬ごろに海上幕僚監部と横須賀地方総監部に提出した。

 

 しかし22927日、2尉と元3曹は、自衛隊内の捜査機関である警務隊に虚偽告訴容疑で逮捕された。2人は2日後に釈放され、横浜地検横須賀支部が1130日に容疑不十分で不起訴処分とした。

 

 2尉は記者会見で「聞き取りがないまま逮捕された。逮捕された日に異動になり、仕事を与えられていない。告発の報復としか思えない」と主張。221月に退職した元3曹も「なぜ逮捕されたのか知りたい」と訴えた。

 

 防衛省は6日、「訴状が届いた時点で関係機関と検討し、適切に対応する」とコメントした。

 

 

 

自衛隊でパワハラ告発したら「不当に逮捕」 現役隊員らが国を提訴

 

2023年2月3日() 20:40 朝日新聞

 

 防衛省にパワハラを内部告発した後、合理的な根拠もないのに警務隊に逮捕されたのは不当だとして、海上自衛隊横須賀基地業務隊の男性隊員(40)らが、国家賠償法に基づき国に約1千万円の損害賠償を求める訴えを起こしたことが分かった。提訴は3日付。

 

 原告は、男性隊員のほか、自衛隊横須賀病院(神奈川県横須賀市)に勤務していた20代の元3曹の男性。訴状などによると、隊員は昨年1月末に同病院を退職する予定だった元3曹から、上司に関する相談を受けた。上司から同僚より多く当直業務を命じられた上、「次の仕事はお前には無理。退職手続きを取り消してこいよ」などと言われたという。隊員は懲戒処分を求める申立書を作成。海上幕僚監部と横須賀地方総監部に郵送した。

 

 2人は同927日、捜査機関である警務隊に虚偽告訴容疑で逮捕された。隊員は黙秘、元3曹は容疑を否認。横浜地検横須賀支部は同29日に勾留を請求せず2人を釈放し、1130日に不起訴処分としたという。

 

 隊員は取材に「後輩のパワハラ被害を告発したら一度の聞き取りもなく、逮捕された。自衛隊は体質の改善が必要だ。裁判で責任の所在を明らかにしてほしい」と指摘。また、逮捕された日に東京都内の自衛隊の病院から横須賀基地業務隊(横須賀市)に異動となり、それ以降何の仕事も与えられないのは不法行為にあたると訴えている。

 

 訴状によると、異動後は午前7時~午後445分まで、暖房もない部屋で何の仕事も与えられず、椅子に座って1日を過ごしているといい、隊員は不安や不眠に悩まされているという。

 

 代理人の中原潤一弁護士は「隊員は一度の聞き取りもなく逮捕された。逮捕の必要はなく、パワハラのもみ消しのためとしか思えない」と話している。

 

 海上自衛隊は3日、取材に「詳細が分からないのでコメントできない」と答えた。(村上潤治)

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