新入社員の前で「こいつら無能な管理職」他にも「アホ」「ボケ」…
クラボウ執行役員からパワハラ受け退社 会社側に賠償命じる
一方「3コール以内に電話でろ」は“社会通念上許容” 大阪地裁
2023年12月22日(金) 18:15 毎日放送
時の執行役員からパワハラを受け退職を余儀なくされたとして、大手繊維メーカーの倉敷紡績(クラボウ)を退社した男性が、元役員とクラボウを相手に慰謝料などの支払いを求めた裁判。12月22日、大阪地裁は男性がパワハラを受けたと認定し、元役員とクラボウに55万円の支払いを命じました。
判決によりますと、原告の男性は、2019年にクラボウに中途入社し、情報機器システム部で勤務していました。
しかし2021年2月から9月にかけ、当時の部長だった男性(同年6月には執行役員に就任)が原告に対し、以下の言動を行いました。
▽「アホ」「ボケ」「辞めさせたるぞ」「今期赤字ならどうなるかわかっているやろな」などと日常的に発言
▽顧客とのWEB会議終了後に原告が座っていた椅子の脚を蹴る
▽原告が新入社員を指導していた際、WEB会議システムを通じて新入社員の目の前で「こいつらは無能な管理職だ。こんな奴らに教育されてかわいそうだ」などと発言
▽電話が出るのが遅かった際に「自分からかかってきた電話は3コール以内に出ろ」と叱責
原告は、こうした言動を受けたことについて社内通報した上で、2021年9月にクラボウを退社。別の会社に転職しました。
部長だった男性は会社から辞任勧告を受け執行役員を退任。現在はクラボウの子会社で勤務しています。
一連の言動をパワハラ認定
「電話3コール以内に出ろ」は「社会通念上許容される」
原告は「一連の言動は、パワーハラスメントだった」として、慰謝料など660万円の支払いを求めて、執行役員だった男性とクラボウを相手に提訴。
12月22日の判決で大阪地裁は、一連の言動をパワハラと認定。男性とクラボウに対し、慰謝料など55万円の支払いを命じました。
ただし、「電話は3コール以内に出ろ」という叱責については、「注意や指導のための言動として、社会通念上許容されるものというべき」として、パワハラとは認めませんでした。
判決を受けてクラボウは「当社の元執行役員の言動により、原告の方に精神的な苦痛を負わせたことにつきまして、あらためて深くお詫び申し上げます。既に当該元執行役員の処分も実施しておりますが、判決内容を真摯に受け止め、社員が安心して仕事に取り組める職場風土の構築に向け、引き続き社内教育等を実施してまいります」とコメントしています。
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