静岡市パワハラ問題 退職職員「人格否定された」
「完璧な仕事」こなそうと努力も...叱責で気力喪失
2023年12月30日(土) 7:04 静岡新聞
静岡市危機管理総室で退・休職する職員が相次ぎ、一部が上司のハラスメント行為を訴えている問題で、同総室を2023年度中に自主退職した元職員2人が29日までに取材に応じた。防災訓練の立案などを担当していた元職員の男性は在職中、幹部職員が部下の前で係長を罵倒するのを見たり、自身も年下の職員の前でけなされたりし、「人格を否定され、明らかなパワハラだった」と証言した。別の元職員の男性は「おまえらのつくった書類は小学生がつくったレベルと同じだ」などとなじられ、建設的な議論ができる状態ではなかったと明かした。
「人格を否定された」と証言した元職員の男性は、幹部職員が求める「完璧な仕事」をこなそうと努力したが、自身やほかの職員が厳しい叱責(しっせき)を受ける中で次第に気力を失ったという。「訓練は本来、やってみて何が足りないかを探るのが目的だが、(幹部職員から)完璧な資料、完璧な訓練計画を求められた。意見が通らなかった」と話した。男性は自身の役割に疑問を感じるようになり退職を決意した。
さらに「おかしいと声を上げた職員もいたが、放置された」と、市役所内のハラスメント対応が機能していなかったと指摘した。「昔と変わらない体育会系の指導では、多様化する社会ニーズに対応できる高度な人材を育てられない。職員の能力を伸ばせない組織は中長期的には必ず弱体化する」と市役所のパワハラ体質の改善を願った。
別の元職員の男性は、幹部から具体的な指導がないまま、資料のやり直し作業が続いたと証言した。通常の勤務時間内に仕事が終わらないことが多かったが、時間外勤務申請を直属の上司に提出しても、この直属上司が決裁権者の幹部職員に申請理由を細かく追及されるために申請しづらくなり、サービス残業が常態化した。「(直属の)上司が目の前で怒鳴られるのを見るのもつらかった。公務員の仕事に誇りを感じ、長く続けたいと思っていたが、退職したいと思うようになった」と話した。
市は12月下旬から、危機管理総室職員対象のパワハラに関するアンケートや時間外勤務に関する調査を始めた。関係者によると、具体的なパワハラの体験や見聞の有無などを尋ねているという。
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