長崎の海自隊員自殺、国が解決金 長時間労働認め和解成立
2025年8月29日(金) 11:02 共同通信
海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)が母港の護衛艦「あけぼの」で、男性乗組員=当時(20)=が2021年に自殺したのはパワハラや長時間労働が原因だとして、遺族が国に損害賠償を求めた訴訟は29日、国側が長時間労働に従事させたことを認め解決金を支払う内容で、長崎地裁佐世保支部(塩原学裁判長)で和解が成立した。
原告側などへの取材で分かった。亡くなった西山大弥さんの遺族代理人や訴訟記録によると、3月に地裁支部が和解案を提示。和解条項では、国側が長時間労働に従事させ、強度の心理的負荷をかけたことを認め、若手隊員らの健康状態の把握を徹底する。解決金の額は明らかになっていない。
※ 他社のニュースも紹介致します
20代海自隊員の自殺めぐる裁判で国と両親が和解
強度の心理的負担や長時間労働を認める条項など盛り込む
2025年8月29日(金) 17:34 テレビ長崎
海上自衛隊員の自殺は長時間労働などが原因だとして、遺族が国に損害賠償を求めた裁判が長崎地裁佐世保支部で29日に和解しました。
この裁判は海上自衛隊の護衛艦「あけぼの」の乗組員で、2020年に自殺した海士長の西山大弥さん(当時20歳)の両親が長崎地裁佐世保支部に2023年起こしたものです。
訴状によりますと、両親は西山さんの自殺の理由を上官からパワハラを受けたほか、長時間の時間外労働でうつ病を発症したこととしています。
両親は海上自衛隊を管理する国に安全配慮義務違反があったとして、約7800万円の損害賠償を求めていました。
裁判は29日付けで和解しました。
和解条項には「あけぼの」艦長が、西山さんの自殺の原因を強度の心理的負担と長時間労働だと認めることのほか、再発防止に取り組むことや解決金を支払うことなどが盛り込まれました。
自衛官自殺「パワハラや長時間労働原因と訴え」遺族と国が和解
心理的負荷かけたと国側が認める《長崎》
2025年8月29日(金) 18:34 長崎国際テレビ
4年前、海上自衛隊佐世保基地所属の護衛艦で、男性自衛官が自殺したのはパワハラなどが原因として、両親が国に損害賠償を求めていた裁判は29日、長崎地裁佐世保支部で和解が成立しました。
国側は、長時間労働で強い心理的負荷をかけたことを認めました。
訴えを起こしていたのは、海上自衛隊佐世保基地所属の護衛艦「あけぼの」で2021年に自殺した、当時20歳の西山 大弥海士長の両親です。
訴状によりますと、西山さんは2020年未成年で同僚と飲酒したため、上官から反省ノートを毎日書くよう指導されたほか、護衛艦を降りることが無期限で禁止されました。
翌年には、アメリカ軍の基地内でファストフードを買って護衛艦に戻ったところ、上官から厳しく叱責され、西山さんはその翌日、艦内で自殺しました。
西山さんの両親は、上官によるパワハラや長時間労働が自殺の原因だとして、国に対し約7800万円の損害賠償を求め、国側は争う姿勢をみせていました。
29日に長崎地裁佐世保支部で開かれた和解協議で、護衛艦の艦長が西山さんを長時間労働に従事させ、強度の心理的負荷をかけたことを認め、国が解決金を支払うことなどで和解が成立しました。
父親の賢二さんは川棚町の自宅で29日の夕方、西山さんの遺影に和解を報告しました。
(父 賢二さん)
「お墓と仏壇と2か所回って、あとはもうお前の無念が晴らせたよ(と報告した)。私たちはその金額うんぬんはどうでもいいですけど、お金のことじゃないんで、やっぱり目的はやっぱり再発防止」
約2年半に及ぶ裁判を振り返り、賢二さんは改めて、国に再発防止を求めました。
(父 賢二さん)
「国にはもうちょっとやっぱり他人事じゃなくて、自分たちを置きかえて考えてもらいたい」
和解について、海上幕僚監部は「隊員における心身の健康状態を把握することを徹底し、隊員の自殺事故防止に、より一層努めてまいります」とコメントしています。
【長崎】海上自衛隊佐世保基地で男性隊員が自殺
…両親が国に損害賠償を求めた裁判が和解
2025年8月29日(金) 20:14 長崎文化放送
4年前、海上自衛隊佐世保基地で当時20歳の男性隊員が自殺したのは上官のパワハラなどが原因として両親が国に約7800万円の損害賠償を求めた裁判で和解が成立しました。
2021年、海上自衛隊佐世保基地の護衛艦「あけぼの」の艦内で、当時20歳で海士長だった西山大弥さんが自殺し、その後公務員の労災に当たる「公務災害」に認定されました。
両親は2023年、海上自衛隊が上官のパワハラや長時間労働を防ぐことを怠ったとして、国に対し、約7800万円の損害賠償を求めて提訴。両親側は西山さんがほかの未成年の同僚らと飲酒したところ、上官は西山さんだけに反省ノートを毎日書くよう指導したり、護衛艦から出ることを無期限で禁止したりしたなどと訴えていました。
両親の弁護士によりますと、国側が両親に解決金を支払うことで29日に和解が成立し、和解条項には護衛艦の艦長が西山さんに長時間労働させ、強度の心理的負荷をかけたことを認めたうえで遺憾と哀悼の意を表することや、自衛隊員の自殺防止の取り組みを誓うことも盛り込まれています。
海自・護衛艦乗組員の自殺めぐる裁判で和解成立
国が心理的負荷など認める
2025年8月29日(金) 20:23 長崎放送
海上自衛隊佐世保基地所属の護衛艦の乗組員の自殺をめぐって両親が国に対し損害賠償を求めていた裁判で、和解が成立しました。
2年前に提訴されたこの裁判。
護衛艦「あけぼの」の乗組員だった西山大弥さん(当時20歳)が艦内で自殺したのは、上官によるパワハラや長時間労働が原因だとして、西山さんの両親が国に対しおよそ7800万円の損害賠償を求めていたものです。
両親は上官が西山さんの生活態度などをめぐって反省ノートを毎日書くことや、無期限での上陸禁止などを指示したなどと訴えていました。
裁判で国側が長時間労働をさせたことや心理的負荷をかけたことを認め、両親に解決金を支払うことできょう和解が成立しました。
和解について海上幕僚監部は「隊員における心身の健康状態を把握することを徹底し隊員の自殺事故防止により一層努める」としています。
海自隊員自殺で和解
国が解決金、長時間労働認める 長崎地裁佐世保支部
2025年8月30日(土) 11:00 長崎新聞
海上自衛隊佐世保基地を母港にする護衛艦「あけぼの」で2021年、乗組員の海士長=当時(20)=が自殺したのは、上司のパワーハラスメントや長時間労働が原因として、遺族が国に約7800万円の損害賠償を求めた訴訟は29日、国側が長時間労働に従事させたことを認め、解決金を支払うことで、長崎地裁佐世保支部(塩原学裁判長)で和解が成立した。
原告の代理人弁護士によると和解内容は、護衛艦の艦長が海士長に長時間労働をさせ、強い心理的な負荷をかけたことを認めた。原告側に遺憾と哀悼の意を表すことや、自衛隊員の自殺防止に向けた取り組みを誓うことも盛り込まれた。解決金の支払いでも和解したが金額は非公表。
代理人弁護士は和解内容について「自殺防止への取り組みは大きな歯止めになる」とした。
訴状によると、海士長は19年4月に入隊。同年10月にあけぼの乗組員になった。20年9月ごろ、同僚らと未成年で飲酒。上官から「指導」として反省ノートを毎日書かされ、無期限で護衛艦を下りて上陸することが禁止された。21年2月10日早朝、艦内で遺体が見つかった。
遺体が見つかる前日、同僚から頼まれ米軍基地内でファストフードを購入し、複数の上官から「基地内での買い物は禁止されている」などと厳しく叱責されたとしている。
海自は22年、自殺を公務災害と認定していた。
海上幕僚監部は取材に「隊員の心身の健康状態を把握することを徹底し、自殺、事故防止に努める」とした。
海上自衛隊艦内で20歳隊員自殺、国側が心理的負担認め和解
…遺憾・哀悼の意を表し解決金支払い
2025年8月30日(土) 11:26 読売新聞
海上自衛隊佐世保基地(長崎県佐世保市)を母港とする護衛艦内で男性海士長(当時20歳)が自殺したのはパワーハラスメントと長時間労働が原因として、遺族が国に約7800万円の損害賠償を求めた訴訟は29日、長崎地裁佐世保支部(塩原学裁判長)で和解が成立した。国側が、強い心理的負担をかけたことなどを認めた上で、原告に解決金を支払う内容。
訴状によると、西山大弥さん(長崎県川棚町出身)は2021年2月、うつ病を発症し、艦内で自殺。22年6月に公務災害と認定された。自殺について、長時間労働や、未成年時に飲酒した際に反省ノートを毎日書くよう指導され、艦から出て上陸するのを無期限で禁じられたパワハラが原因だったとし、国に安全配慮義務違反があったと主張していた。
原告側によると、和解案は同支部が今年3月に提示。和解条項では、国側は長時間労働に従事させ、強度の心理的負荷をかけたことを認めて遺憾、哀悼の意を表するほか、隊員の健康状態の把握を徹底して自殺防止に取り組む。金額は非公表としている。
父親の賢二さん(51)は取材に対し、「亡くなった経緯などあらゆる点で国が情報開示を拒む姿勢に納得はできないが、責任を認め、遺憾と哀悼の意を表したため、和解に応じた」と話した。