腕立て100回など命じ免職は「妥当」 消防士パワハラ訴訟で最高裁
2025年9月2日(火) 15:08 毎日新聞(三上健太郎)
職場でパワーハラスメントをしたとして懲戒免職処分となった福岡県糸島市消防本部の元係長が、市に処分の取り消しなどを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(石兼公博裁判長)は2日、処分を取り消した2審判決を破棄し、請求を棄却した。訓練に参加しなかったペナルティーとして部下に腕立て伏せ100回程度を命じるなどしていたが、小法廷は免職処分は妥当と判断した。市側の逆転勝訴が確定した。
1、2審判決によると、市に2016年、しごきやいじめが原因で消防本部の若手職員が次々と退職しているとの告発があった。市の調査で、元係長は腕立て伏せの他に職場のトレーニング室で部下をロープで宙づりにするなどしていた。市はこれらがパワハラに当たると認定し、暴言などと合わせて計22件の問題行為を理由に元係長を懲戒免職にした。
訴訟で元係長側は「処分は重すぎる」と主張した。1審・福岡地裁判決(22年7月)は、元係長の行為は「極めて悪質とまではいえない」と言及。市の処分は裁量権の範囲を逸脱して違法だとし、懲戒免職を取り消して市に慰謝料100万円の支払いを命じた。2審・福岡高裁判決(24年1月)は賠償額を110万円に増額していた。
これに対して、市は「卑劣かつ日常的で執拗(しつよう)なハラスメントだった」などとして上告していた。
消防職員パワハラ処分の裁判 最高裁は職員の訴え退ける
2025年9月2日(火) 18:03 NHK
8年前に、同僚へのパワハラを理由に懲戒免職や停職の処分を受けた福岡県糸島市の消防本部の職員2人が処分の取り消しを求めた裁判で、最高裁判所は訴えを認めた1審や2審とは逆に市の懲戒処分は妥当だったと判断し、職員らの訴えを退けました。
糸島市消防本部では、訓練中に若手職員を宙づりにさせるなど、職員の間で暴行や嫌がらせが繰り返されていた問題が発覚し、市は2017年にパワハラにあたると認定して合わせて13人を懲戒などの処分にしました。
このうち職員2人が、懲戒免職と停職6か月の処分を受けたことを不服として市を訴えた裁判で、1審の福岡地方裁判所と2審の福岡高等裁判所は「処分は重すぎて著しく妥当性を欠き、裁量権の範囲を超える」などとして処分を取り消す判決を言い渡し、市が上告していました。
2日の判決で最高裁判所第3小法廷の石兼公博裁判長は、懲戒免職とされた職員について「少なくとも10人もの部下に対し、十数年もの長期間、不適切な指導や発言を執ように繰り返した」と指摘しました。
また、部下を宙づりにさせるなどした2人の行為について「訓練の際の指示や指導の範ちゅうを大きく逸脱していて、消防組織の秩序や規律に看過しがたい悪影響を及ぼすものだ」と述べました。
そのうえで市の懲戒処分は妥当だったと判断し、1審や2審とは逆に職員らの訴えを退けました。
糸島 月形市長「同様の事案が起きないよう取り組む」
判決について糸島市の月形祐二市長は「長期にわたる裁判となりましたが、最終的に市の主張が認められたと受け止めています。同様の事案が起きないよう、市を挙げて良好な職場環境づくりに、引き続き取り組んでまいります」とコメントしています。
パワハラ消防職員、逆転敗訴 糸島市の懲戒免職は「適法」―最高裁
2025年9月2日(火) 19:06 時事通信
部下に対するパワハラ行為などを理由に福岡県糸島市から懲戒免職処分を受けた元消防職員の男性が、処分が重過ぎるとして取り消しを求めた訴訟の上告審判決が2日、最高裁第3小法廷(石兼公博裁判長)であった。同小法廷は取り消しを認めた二審福岡高裁判決を破棄し、男性の請求を棄却。逆転敗訴が確定した。
判決によると、元職員は2011年10月~12年3月、採用から1年に満たない部下に対し、訓練としてロープで縛った状態で懸垂をさせたほか、鉄棒から手を離すと宙づりにするなどの不適切な行為に及んだ。対象となった部下は少なくとも10人に上った。
同小法廷はこうした行為について「職場環境を害し、消防組織の秩序や規律を著しく乱すものだ」と指摘。懲戒免職処分は適法で、裁量権の乱用を認めて処分を取り消した一、二審判決は是認できないとした。
同様の行為に関与し、停職6カ月の懲戒処分を受けた別の男性職員の取り消し請求についても、同小法廷は2日の上告審判決で、訴えを認めた二審判決を破棄し、請求を棄却した。
「十数年、不適切な指導」 消防士パワハラで免職は「妥当」 最高裁
2025年9月2日(火) 19:49 毎日新聞(三上健太郎)
パワーハラスメントをしたとして懲戒免職処分となった福岡県糸島市消防本部元係長の50代男性が、市に処分の取り消しなどを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は2日、処分を取り消した2審判決を破棄し、請求を棄却した。部下をロープで縛って懸垂させて数分間宙づりにしたことなどを挙げ、免職処分は妥当と判断した。市側の逆転勝訴が確定した。
裁判官5人全員一致の意見。石兼公博裁判長は「十数年もの間、不適切な指導や発言を執拗(しつよう)に繰り返した」と述べた。
判決によると、元係長は2003年ごろ~16年、職場での優位性を背景に、訓練に参加しなかった罰として部下に100回程度腕立て伏せをさせたり、熱中症の症状が出るまで訓練を繰り返させたりした。人格否定や家族を侮辱する発言もしており、被害者は少なくとも10人に上った。
小法廷は、元係長は甚だしく職場環境を害したとし、消防組織は職員間の緊密な意思疎通が重要なことも踏まえると、懲戒免職処分は適法と結論付けた。
1審・福岡地裁判決(22年7月)は元係長の行為は「極めて悪質とまではいえない」とし、市の処分を違法として懲戒免職を取り消し、慰謝料100万円の支払いを命じた。2審・福岡高裁判決(24年1月)は賠償額を110万円に増額していた。
元係長の行為に一部関与したとして停職6カ月の懲戒処分を受けた主任(当時)の40代男性についても、小法廷は処分は妥当と判断した。
福岡県糸島市の消防本部・部下へのパワハラで免職は「妥当」
市側が逆転勝訴 最高裁
2025年9月3日(水) 15:23 RKB毎日放送
福岡県糸島市の消防本部で、パワハラ行為を理由に懲戒免職などの処分を受けた元職員の男性2人が処分の取り消しを求めた裁判で、最高裁は、訴えを認めた1審2審の判決を破棄し、職員らの訴えを退けました。
この裁判は2017年に糸島市消防本部で、パワハラ行為などを理由に懲戒免職となった元係長と停職6か月となった元職員が、処分を不服として市に取り消しを求めていたものです。
元係長らは、部下の体にロープを巻き付け宙づりの状態で懸垂をさせたり、日常的に暴言を吐いたりしていましたが、「訓練の一環だった」と主張。
1審の福岡地裁と2審の福岡高裁はいずれも2人の処分を取り消す判決を言い渡していました。最高裁は9月2日、2人の行為について「指導としての範ちゅうを大きく逸脱している」などと指摘。
その上で「免職の判断が著しく妥当を欠くものとは言えない」などとして1審2審の判決を破棄し、職員らの訴えを退けました。
糸島市の月形祐二市長は「市の主張が認められたと受け止めている。同様の事案が起きないよう良好な職場環境作りに取り組んでいく」とコメントしています。
《カウンセラー松川のコメント》
拙ブログ2022年7月30日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 糸島市消防本部でのパワハラ行為 懲戒免職処分など取り消す判決
これの続報です。
第一審も第二審も懲戒免職を不当とし、
しかも第二審では原告に対して慰謝料を10万円上乗せ判決。
裁判官にとってパワハラを超えた暴力的な世界は想像が付かないのでしょう。
それに、原告の弁護士が上手だったのも有るかも知れません。
しかし、最高裁では、きちんと原告の違法行為を認定し、
被告である糸島市の勝訴で結審しました。
報道で知る限りでは、当然の結果だと感じております。
第一審の判決後にパワハラ加害者である原告は
「処分が出てからの約5年5カ月、地獄のような日々だった。
処分は不相当だったことが認めてもらえて少し安堵(あんど)している」
とのコメントを出していましたが、
これからは一生が地獄の日々となるのでしょう。
自身の行いを全く顧みるどころか、被害者として提訴する。
本当に反省していない加害者であることが分かります。
ところで、糸島市消防本部では、この事案とは別に分限免職処分に対する訴訟もあり、
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 同僚に「左翼もん」「辞めてしまえ」発言の消防職員、処分した福岡県糸島市が逆転勝訴
それも第二審で市が逆転勝訴となっていますが、
こちらは原告が上告したかは不明です。
それにしても、糸島市消防本部は免職が多いと感じるのは私だけでしょうか?
被害者の皆様へ
長い裁判も終わり、加害者への処分が妥当であると認められました。
これで本当に終わりました。
皆様、お疲れ様でした。
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