2021年1月29日金曜日

給料泥棒・遺棄…千葉のこども病院でパワハラ、労災認定

給料泥棒・遺棄…千葉のこども病院でパワハラ、労災認定

 

2021年1月29日(金) 18:35 朝日新聞(滝沢卓)

 

 千葉県こども病院(千葉市)で働いていた県の嘱託職員だった50代女性が適応障害などを発症したのは、上司らのパワーハラスメントが原因だったとして、千葉労働基準監督署が労働災害と認定した。代理人弁護士が29日、公表した。

 

 弁護士によると、女性は2017年、職員対象の検査で採血された時、注射針で左手首の神経を損傷する被害にあい、指が動かなくなった。通院で数日休みをとった後、同僚から無視されたり「辞めればいい」と言われたりした。その後は上司らも加わり、被害がエスカレート。「いつも病院に行く人がいて困っている」「給料泥棒」「予算ないし、(女性を)遺棄」といった暴言を見聞きするようになったという。

 

 女性はその後、適応障害などと診断されて192月に休職を余儀なくされ、翌3月に契約満了で雇い止めにあった。1911月に労災申請していた。暴言の多くを録音して記録に残していたという。労災認定は209月。

 

 代理人でパワハラ問題に詳しい笠置裕亮弁護士によると、うつ病など精神障害の労災認定基準に昨年、「パワハラ」が明記され、この改定の前後を中心に労基署の調査も進んだといい、「労災認定に影響したはずだ」という。また、「民間企業の模範となるべき公務職場で、小学生のようなイジメがずっと放置されていた。非正規職員の立場の弱さも表れている」と指摘した。

 

 千葉県病院局は取材に「詳細は把握していないが元職員が労災認定されたことは申し訳なく思っています。こうしたことが二度と起きないよう再発防止に取り組みます」とコメントした。


県立病院パワハラで労災認定 けがの通院拒絶も―千葉

2021年01月29日19時03分 時事通信

2021年01月29日19時03分

 県立千葉県こども病院(千葉市)の嘱託職員だった50代女性が、悪口や通院のための欠勤拒絶など上司らにパワハラを受け適応障害となったとして、労災と認定されたことが分かった。女性の代理人弁護士が29日に記者会見して明らかにした。

 弁護士によると、女性は2017年9月、血液検査の際に神経を損傷し、通院で数日間休みを取った。直後から同僚らに「辞めればいい」と言われたり、職場でおやつを配られず、無視されたりし始めた。

 上司も同調し、「給料泥棒、甘く考えているんじゃない」などと発言。通院のための休みの申し出を「だめだ」と拒絶した。女性はさらに上役に相談したが十分な対応はされず、逆に転職を勧められたという。

 女性は18年10月に適応障害と診察され、その後休職した。千葉労働基準監督署は昨年9月、上司らからのパワハラで強い心理的負荷があったとして、労災認定した。

 女性は弁護士を通じ「これ以上被害者を出さないため、県には対策を講じてほしい」とコメント。弁護士は「幼稚ないじめが放置されており、組織的課題があると思う」と批判した。

 千葉県病院局のコメント 労災認定を受けたことは申し訳なく思う。再発防止の徹底を図りたい。


《カウンセラー松川のコメント》

通院で数日休みをとっただけでパワハラの発端になるものなのでしょうか?
同僚の暴言に始まり、上司までパワハラ、相談した更に上役は転職を薦める始末。
通院前に何か職場内でトラブルが発生していたとしか思えません。
しかし、通院の為の休みを認めないのはパワハラではなく、
労働契約法第五条違反となります。
ここまでエスカレートしているとなると、背後関係に何かあるとしか思えません。

労働契約法 第五条
 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、
身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、
必要な配慮をするものとする。


 

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