2021年1月20日水曜日

山口の消防署員自殺、副署長のパワハラ認定 減給の処分

山口の消防署員自殺、副署長のパワハラ認定 減給の処分

 

2021年1月20日 21:45 朝日新聞(山崎毅朗)

 

 山口県宇部市の宇部中央消防署員の男性が20191月に自殺した問題で、署を管轄する宇部・山陽小野田消防局は20日、当時の男性副署長(58)の言動が「自死職員の心情に対する配慮を著しく欠いた」としてパワーハラスメントと認定し、減給10分の13カ月)の懲戒処分にし発表した。パワハラが自殺の一因になったことも認めた。

 

 署員だった松永拓也さん(当時27)が自殺し、職場のパワハラを示唆する内容の遺書が見つかっていた。

 

 消防局によると、副署長は1812月、松永さんから業務上の報告を受ける際に天井を向いて無視と受け取られる態度を取った▽191月に松永さんが火災出動前に消防車の備品を破損させた後、報告書の提出を求めながら重ねて口頭での説明を求めたといったパワハラをした。弁護士らからなる懲戒審査委員会の昨年10月の答申に基づき、処分を決めたという。

 

 宇部市の篠崎圭二市長は20日に記者会見を開き、「住民の消防行政への著しい不信を招き、あらためておわびを申し上げる」と陳謝した。会見前には遺族に説明し、謝罪したという。

 

 松永さんの遺族は代理人を通じ、「懲戒処分は人が亡くなっている事件に関するものとしてはあまりに軽すぎる。自死の原因となり、また自死後も不誠実な対応をしてきた消防幹部に対する不信感はぬぐえない」とコメントした。


〔一部詳細な記述がある為に、同事案の別ニュース掲載〕

「パワハラあった」 山口・宇部市の消防士自殺 当時の副署長に減給処分

 

2021年1月20日 20:47 毎日新聞(柳瀬成一郎)

 

 山口県宇部市の男性消防士(当時27歳)が20191月、職場の不祥事などを訴える遺書を残して自殺した問題で、宇部・山陽小野田消防局は20日、パワーハラスメントがあったとして上司だった当時の男性副署長(58)を減給10分の13カ月)の懲戒処分とした。一方、パワハラについては自殺の主要因ではないとした。

 

 宇部中央消防署員だった松永拓也さんは、パワハラや先輩職員の金銭問題を告発し、組織の隠蔽(いんぺい)体質を指摘する遺書を残して19123日に自宅で命を絶った。

 

 消防局は、松永さんの報告を無視したり、消防ポンプ車の部品が損傷した件を巡って自殺直前に松永さんを厳しく叱責したなどの当時の副署長の言動をパワハラと認定。一方で自殺との因果関係については「一因ではあるが、自殺は職場の不祥事に対する不信感、抗議の意味だったと考えられる」とした。

 

 消防局はこのほか、退職した当時の署長ら3人に管理責任者として退職時の給料10分の112カ月)の自主返納を求めた。

 

 松永さんの遺族は「消防幹部への不信感はぬぐえない。懲戒処分は軽すぎる」とのコメントを出した。



消防士が自ら命を絶って2年 パワハラ認めるも因果関係は否定

 

2021年1月20日 19:08 山口朝日放送

 

おととし1月宇部中央消防署の消防士松永拓也さんが職場でのパワハラなどを訴える遺書を残して自ら命を絶った問題で宇部山陽小野田消防局は会見を開きました。これまで宇部市は第三者委員会を設置して調査を行いましたが「上司の不適切な発言はあったがパワハラとはいいがたい」と結論付けていました。これを不服とし遺族側は臨床心理士などの専門家を委員とした再調査を要望し新たな委員会が遺族や関係職員との面談を行ってきました。自死からまもなく2年。消防側はパワハラがあったことについて認めました。そのうえで当時の副署長を減給10分の13か月の懲戒処分にし、すでに退職した職員3人に対しては給与の一部の自主返納を求めています。しかしパワハラと自殺の因果関係について問われると「自死という結果がハラスメントに起因しているということではないと相当性はないと考えている」と述べました。消防側はハラスメントへの認識が欠けていたとし職場環境の改善を図るとしています。今回の処分について拓也さんの父松永哲也さんは「懲戒処分は人が亡くなっている事件に関するものとしてはあまりにも軽すぎる。管理者には消防幹部をも対象とした組織の抜本的な改革を望む」とコメントしています。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログの2019年2月16日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 消防署員が自殺、パワハラ示唆する遺書見つかる 山口 (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
「パワハラが自殺の一因」
「一因ではあるが、自殺は職場の不祥事に対する不信感、抗議の意味だったと考えられる」との事ですが、職場の不祥事での不信感や抗議で自殺までするものでしょうか?
[死人に口無し]とは言うものの遺書が残されている以上は、
自殺の要因がある程度は解明出来るはずです。
組織防衛も大切ですが、人ひとりの命が失われた事を考慮し、
もっと真摯な対応が必要だと思います。

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