「苦しみ悩んで、声を上げた」 市長のセクハラ訴えた職員の手記全文
2026年5月18日(月) 17:40 朝日新聞
福岡県田川市の村上卓哉市長(55)に対し、市長秘書だった50代の女性職員がセクハラ被害を訴えた問題を巡り、職員の代理人の世良洋子弁護士が18日午後、会見を開いて職員の手記を明らかにした。
この日公表された第三者調査委員会の報告書は、公用車で手を握った行為や、その後の性交渉などの四つの行為を「セクシュアルハラスメントに該当すると判断せざるを得ない」と結論づけた。
職員は「私の訴えをほぼ認めていただいて、ほっと安心いたしました」などと記した。
セクハラ被害について「簡単に声を上げたのではありません。苦しみ悩んで公表したことです」とした。
報告書が田川市について、被害の声を上げづらい、市長に逆らうことはできないという組織風土があると指摘したことにも触れ、「再発防止に向けた提言を受け、市には変わってほしいと心から願っています」とした。
手記によると、職員が昨春に被害を公表後、市職員と接する中で「(被害を)わかってくれる人がいないつらさ、話していて逆に傷つくつらさがいまだにあります。こういう被害に遭わなければよかったとの思いも拭えません」と苦しい胸中を明かしている。
昨年2月の週刊誌報道で、市長は不倫関係にあったとして謝罪したが、職員の代理人は「力関係の下で断り切れず交際に至ったものであり、セクハラだった」と訴えた。
職員は報道後、友人に「ハラスメントではないか」と指摘され、弁護士に相談したという。
時間が経ってから被害を訴えたことについて世良氏は「後付けの理屈なんじゃないかとか、都合が悪くなって急に訴えだしたんじゃないかとか、それは偏見」と否定した。
報告書が性犯罪に関する法務省の実態調査や精神科医への聴取などを踏まえ「第三者から指摘されて初めて過去の両者の関係性を客観的に捉えられるようになったという経過も、不自然ないし不合理と考えることはできない」と結論付けたことを評価した。
さらに世良氏は報告書について「原因分析と再発防止に向けた提言が大変貴重なもの」と述べた。
報告書は今回の問題の原因について、「市長の権限や秘書の立場に対する認識が不十分なまま行動をエスカレートさせていったこと」と分析した。勤務時間外にLINEなどで制約なく多数のやりとりがなされていたと指摘し、再発防止に向けルールを設けることが必要だとした。
◇
職員が公表した手記の全文は次の通り。
第三者委員会の報告書を読みました。
ここまで来るのは本当に長かったです。
簡単に声を上げたのではありません。苦しみ悩んで公表したことです。
怖かったですし、公表したことが正解だったのかを悩んだ時期もありました。
しかし、結果的に、第三者委員会に私の訴えをほぼ認めていただいて、ほっと安心いたしました。
元通りには戻れないんじゃないかとの思いがありますが、このように認めていただいたことで、前を向いて歩いていけるのではないかと思います。
もし1年前に被害を訴えないままでしたら、一生後悔していたと思います。自分を責め続け、後ろめたい気持ちで生活していたかもしれません。
公表後、市役所職員と接する中で、私が受けたセクハラ被害について本当にはわかってくださっていないのではないかと思ったことがありました。
わかってくれる人がいない辛(つら)さ、話していて逆に傷つく辛(つら)さがいまだにあります。こういう被害に遭わなければよかったとの思いも拭えません。
第三者委員会の調査報告書では、「セクシュアルハラスメント被害の声をあげづらい、市長に逆らうことはできないという組織風土」の存在が指摘されました。第三者調査委員会からの再発防止に向けた提言を受け、田川市役所には変わってほしいと心から願っています。
令和8年5月18日
田川市職員A
《カウンセラー松川のコメント》
拙ブログ本日(5月18日)付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: ▼田川市長の性交渉などセクハラ認定、第三者委 市長は「不倫」主張
これの関連報道です。
0 件のコメント:
コメントを投稿