2020年12月17日木曜日

退社するしか…悪質さ増す“カスハラ” 自分だけ標的、女性の苦悩

退社するしか…悪質さ増す“カスハラ” 自分だけ標的、女性の苦悩

 

2020年12月17日 9:51 西日本新聞(編集委員・河野賢治)

 

 客が理不尽な要求を店に突き付ける「カスタマーハラスメント」(カスハラ)が深刻になっている。暴言や脅し、セクハラ、暴力を伴い、新型コロナウイルス禍で悪質さは増しているといい、ストレスで精神疾患になる従業員も。「お客さま第一」「おもてなし」といった日本特有の消費文化が背景にあるようだが、現場で解決できる範囲を超えているとの指摘もある。

 

 福岡県内の女性(53)は総菜販売店に勤めていた一昨年、70歳前後の男性客に何度も苦情を言われた。

 

 「この前、料理にハエが入ってたぞ」。店は客自身が料理を器に取るセルフサービス。検品していることを理由に否定すると「他の店で賞味期限切れのものを買ったら、ちゃんと返金したぞ。ここはしないのか」

 

-「上から目線か、態度が悪い」なじられ-

 10日に1回ほどだった来店が、週12回に増えた。「白身の魚はないのか」「ポテトサラダはないのか」。材料不足で欠品していると、「おまえのところは、いつも欲しいのがないな」。料理を器に取るよう命じられることもあった。

 

 店内は調理場が横にあり、売り場より少し高い位置にある。料理中に話しかけられ、調理場から対応すると、「上から目線か、態度が悪い」となじられた。

 

 口調は徐々に激しくなった。「言葉遣いが荒い」「店をつぶす」「本社に電話するぞ」。この女性だけを標的にしており、男性客が来ると奥に隠れた。

 

-帰宅していると、何者かに刃物で…-

 ある夜。仕事を終えて帰宅していると、何者かに刃物で切り付けられた。手を10針近く縫うけがをした。

 

 警察に通報し、男性客のことを告げたが、容疑者は特定されていない。ただ翌日、自宅の近くで女性宅を遠目にうかがう、男性客に似た男の姿を見た。怖くなって、間もなく退社した。

 

 女性は言う。「店は謝ってばかりで、『あなたの言うことは変なクレームです』と自覚させなかった。お客さまという意識が強すぎたと思う。本社にも報告しておらず、おかしい」

 

-カスハラは明確な定義がなく-

 カスハラは明確な定義がなく、悪質なクレームと同じとされる。流通・サービス業などの産業別労働組合「UAゼンセン」が2017年に実施した調査では、回答した組合員約5万人のうち、701%が悪質なクレームを受けていた。

 

 内容は、暴言や同じ要求の繰り返し、説教、威嚇のほか、セクハラや暴力、土下座の強要も。迷惑行為を受けた人の9割がストレスを感じ、精神疾患になった人もいた。結果を基に、国に対応を求めた。

 

-カスハラの対応で「体調不良のリスクがある」7割-

 企業の危機管理を支援する「エス・ピー・ネットワーク」(東京)が19年に実施した調査でも、同様の結果が出た。苦情処理に当たったことがある会社員約千人のうち、約56%が「直近3年間でカスハラが増えた」と答えた。

 

 心身への負担も大きいようだ。カスハラの対応で「体調不良のリスクがある」と回答したのは約7割。このほか、約5割が休職リスク、約6割が退職リスクがあると答えている。

 

-グレーゾーンの行為増-

 カスハラが増えたのは、古くからの顧客第一主義に加え、「おもてなし」の文化で求められるサービス水準が上がったことも背景にありそうだ。

 

 最近は威力業務妨害罪や強要罪など刑法に抵触する行為だけでなく、違法と言えるか微妙なグレーゾーンの行為が増え、対応が難しくなっているという。

 

 関西大の池内裕美教授は増えた要因に、客と店を取り巻く環境の変化を挙げる。この二十数年で消費者保護の法整備や行政機関の設置が進み、企業は産地偽装などの不祥事で不信にさらされた。インターネットの普及もあり、客が権利や苦情を主張しやすくなった。

 

 池内教授は「特に非正規労働者は、被害に遭っても『トラブルを起こす社員』として解雇されるのを恐れ、上司に言いにくい。カスハラは組織全体で対応する必要があり、労働者を孤立させない風通しの良さが求められる」と語る。


《カウンセラー松川のコメント》

店の経営形態や店舗責任者の姿勢によって状況は変わります。
直営店舗の場合だと店舗責任者は管理下で問題が発生し、
その問題が本部に上がれば、管理能力を問われて、
その後の社内での進路にも影響します。
また、店舗責任者は経営者ではない為に、自由裁量の部分も少なくなり、
苦情に対して強く出難い傾向もあります。
よって店舗責任者が保身に走る[事勿れ主義]にもなり易いです。
勿論、店舗側に問題が無い証拠が有れば、
本部へ苦情が上がっても、本部対応となりますが、
それでも本部としては「なんで現場で処理出来なかったのか?」
と、なるでしょう。
逆に、フランチャイズの場合で店舗責任者が経営者を兼ねていれば、
自分の裁量内で処理をする事が出来ますので、
従業員の安全を守る事が身上の経営者ならば、
異常な苦情に対して毅然とした態度を取ることも可能です。
しかし、弱腰の経営者ならば、当然客に媚びを売る事も十分に考えられます。
異常な客であっても、その客よって変な噂を広められてしまえば、
店の経営が悪くなり、それは自身の収入減となるからです。
その点では、本部直営店の店舗責任者は本部のサラリーマンなので、
売上減少が直接の給与減額に繋がらないので、
悪質な客に対峙する事も可能です。
いろいろと書きましたが、結局は店舗責任者の腹一つで
従業員が守られるかどうかは決まるのです。
現状ではカスハラは増加傾向ですので、
店舗経営者や責任者はカスハラ対策を準備しておかないと、
従業員から安全配慮義務懈怠で訴えられる可能性はあります。

校長パワハラ、中学校の40代職員自殺 公務災害に認定

校長パワハラ、中学校の40代職員自殺 公務災害に認定

 

2020年12月17日(木) 6:45 朝日新聞(野城千穂)

 

 昨年7月に秋田県仙北市立生保内中学校の男性職員が自殺した問題で、仙北市は16日、遺族が請求していた公務災害(労災)が認定されたと発表した。申請内容などの詳細は、遺族の意向を踏まえて非公表としている。

 

 同校に勤務していた40代の男性職員は、昨年722日に校舎3階の屋上から飛び降りたとみられ、遺族が同9月、地方公務員災害補償基金県支部に公務災害の認定を請求していた。今月11日付で認定通知があり、市によると、遺族は「公務災害が認定されたことに安堵(あんど)している」などと話しているという。

 

 この問題を巡っては、同校の男性校長(当時)が、亡くなった職員を含め複数の教職員に対して大声で感情的に怒鳴るなどしていたとして、県教委が校長のパワーハラスメントを認めている。今年1月、校長を停職6カ月相当の懲戒処分とした。パワハラと自殺の因果関係については「(自殺に)影響を与えたことは否めない。命が失われたことの重要性に鑑みて、今回の処分に至った」などと説明していた。


《カウンセラー松川のコメント》

校長によるパワハラが原因での自殺が認められたことは不幸中の幸いです。
しかし、教育者でもある校長が一人の命を奪う様な行為が出来る事は
教育界の腐敗を表しております。
教え子に対しての性的行動や部下に対する物理的精神的攻撃が罷り通る世界。
いつから教育界は弱い者を喰い物にする世界になったのでしょう。
教師のサラリーマン根性を叩き出さないと無理なのでしょうね。


2020年12月15日火曜日

任天堂「パワハラはなかった」 「紹介予定派遣」保健師2人、雇用拒否は不当と訴え初弁論

任天堂「パワハラはなかった」
 「紹介予定派遣」保健師2人、雇用拒否は不当と訴え初弁論

 

2020年12月15日(火) 22:21 京都新聞

 

 任天堂(京都市南区)で正社員などの直接雇用につながる「紹介予定派遣」として働いていた保健師の女性2人が、同社の産業医からパワーハラスメントを受けた上、直接雇用を拒否されたのは不当として、同社と産業医を相手取り、社員としての地位確認や損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が15日、京都地裁(池田知子裁判長)であった。任天堂側は請求棄却を求めた。

 

 訴状によると、女性2人は紹介予定派遣として20184月から任天堂で勤務したが産業医からパワハラを受け、その後、人事担当者から「産業医と協力体制が構築できなかった」として直接雇用を拒否された。労働者派遣の枠組みを超えて実質的に採用活動を行った同社と2人の間には雇用契約が成立しており、直接雇用拒否は合理的理由がない解雇であり、無効などと主張する。


《カウンセラー松川のコメント》

医師と言う医療業界での頂点の資格者にとって
保健師は取るに足らない資格者なのかも知れません。
だから、加害者である産業医も二人の保健師に対してパワハラが出来たのでしょう。
産業医であれば一人でも対応かも知れません。
しかし、医療の世界も大きくなれば医師だけでの対応は難しくなります。
産業医が常駐している職場であっても、
巡回や初期対応など保健師によるきめ細かい活動が産業医の手助けとなります。
医療界では絶対的な資格者である医師にとっても、
経験豊富なスタッフが居てこその活動領域であります。
その事を踏まえて、
加害者である産業医は医療スタッフとの連携を念頭に置いて欲しいです。

在校生もパワハラ被害を証言 奈良・山辺高サッカー部

在校生もパワハラ被害を証言 奈良・山辺高サッカー部

 

2020年12月15日(火) 21:49 共同通信

 

 全国高校サッカー選手権に初出場する奈良県立山辺高(奈良市)で、昨年から今年にかけてサッカー部を辞めた生徒3人が15日までに、指導者の元Jリーガー興津大三氏によるパワーハラスメントが退部の理由だったと共同通信の取材に話した。興津氏は、部員だった元生徒2人からもパワハラを巡り損害賠償請求訴訟を起こされている。

 

 パワハラの相談が複数あったとして、県サッカー協会が45日付で興津氏を厳重注意処分にしていたことも判明。高校や県教育委員会は一部の保護者からの訴えで問題を把握していたが、部員らへの本格的な調査をしていなかった。


《カウンセラー松川のコメント》

一流選手や有名選手だからと言って有能な指導者になれる訳ではありません。
プロチームでの指導と学校教育の一環としての部活動での指導では
指導方法も自ずと変わって来ます。
ニュースではどの様な行為があったのか分かりませんが、
民事訴訟にまで至っているのですから悪質な行為が有ったと推測出来ます。
学校教育に於ける運動部の指導は授業と同様ですので、
競技の技術さえあれば誰でも出来る訳ではないので
指導を依頼する学校としても適性も見極める必要があります。

2020年12月12日土曜日

「ハラスメント受けた」滋賀県職員4人に1人回答 県人事委アンケート

 「ハラスメント受けた」滋賀県職員4人に1人回答 県人事委アンケート

 

2020年12月12日(土) 11:46 毎日新聞(諸隈美紗稀)

 

 滋賀県職員の4人に1人が、過去3年以内に職場でハラスメントを受けたと感じていることが、県人事委員会が実施した職場環境に関するアンケートで明らかになった。調査結果について、三日月大造知事は8日の県議会で「大変高い数値で、重く受け止めている。今後の対策に生かしていく必要がある」と述べた。

 

 アンケートは8~9月、非常勤を含む職員約4540人を対象に実施し、2109人が回答した。ハラスメントを受けたと感じたことがあるかを尋ねる設問では、24・1%が「ある」と回答。ハラスメントの内容(複数回答可)は、パワーハラスメント19・9%、セクシュアルハラスメント3%、妊娠や介護などに関するハラスメント1・5%と続いた。「被害あり」と回答した職員の48・4%が、予防や解決に向けた取り組みが組織として不十分だと回答した。

 

 一方、県教委が教職員を対象に実施しているハラスメントに関する調査では、7日時点の回答者の15・9%にあたる925人が、ハラスメントと思われる事象を受けたことがあると回答した。

 

 調査は11月16日から実施し、12月15日まで回答を受け付けている。非正規も含め、県立学校や市町の教職員延べ約1万4000人が対象。ハラスメントを受けたことがあるか否かや、職場改善に向けて大切だと思うことなどを尋ねる設問があり、無記名で県のホームページから回答できる。

 

 7日までに全体の41・7%にあたる5827人が回答した。ハラスメントの内訳(複数回答可)は、パワハラ66・9%、セクハラ15・8%、妊娠などに関するハラスメント9・6%だった。

 

 福永忠克教育長は10日の県議会で、事実関係が確認できた場合、「懲戒処分を含めた厳正な対処をとる必要もある」と述べた。全体の集計結果は、年明けに公表する予定。


《カウンセラー松川のコメント》

この調査から見ると、ハラスメントは日常茶飯事とも言えるでしょう。
これは決して滋賀県だけの問題ではありません。
公務員、民間人を含めて働く者の実態だと感じております。
大切なのは起きてしまった事を無かった事には出来ませんので、
ハラスメントの被害者に対するケアと
ハラスメント防止に務める以外にはありません。
調査結果の判明した滋賀県庁や県教育委員会として
ハラスメントに感して真剣に取り組んで欲しいものです。
また、県内外を問わず他の組織もこの調査結果を参考にして欲しいと思います。

2020年12月11日金曜日

長崎県警、パワハラ認定し警部と署長処分 警部補遺書残し死亡

長崎県警、パワハラ認定し警部と署長処分 警部補遺書残し死亡


2020年12月11日(金) 16:18 毎日新聞(中山敦貴


 長崎県警佐世保署の男性警部補(当時41歳)が202010月、上司からパワーハラスメントを受けていたと示唆する遺書を残して自殺した問題で、県警は11日、同署交通課長の50代男性警部のパワハラを認定し、同日付で戒告の懲戒処分にしたと発表した。署長の50代男性警視正は管理監督責任で本部長注意処分とした。課長と署長は同日付で依願退職した。

 

 県警監察課によると課長は204月~9月中旬、他の署員の前で「お前は能力がない」「できないなら役職を辞めろ」などと警部補を面罵。別の男性署員にも同様のパワハラを繰り返していた。課長は内部調査に「行き過ぎた指導があった」と認め、署長も「警部補の苦悩に気付けず申し訳ない」と話したという。

 

 警部補は102日まで勤務し3日に自宅で自殺しているのが見つかった。遺書には上司からパワハラを受けていたことをうかがわせる記述があり、県警は事実関係などを調べていた。北村秀明・首席監察官は「パワハラが自殺の一因となった可能性は否定できない」と説明。菅谷大岳・警務部長は「重く受け止め、ハラスメント防止を県警の重要課題として取り組む」とのコメントを発表した。

 

 警部補の遺族は県警を通じ「今回の処分は納得できない。このようなことが二度と起きないよう再発防止に努めてほしい」とのコメントを出した。


《カウンセラー松川のコメント》

警察官が人ひとりを死まで追い込んでおきながら、
その当事者である署課長が戒告、所属長である署長は監督不行届として本部長注意。
両名共に依願退職となりましたので、退職金も規程どおり支給でしょう。
依願退職なので再就職でも不利益な措置は取られません。
これでは遺族も納得出来ないのも当然です。
まだまだ、ハラスメントによる自殺への処分は軽いのが我が国の実態です。
この辺りの認識を変えないと、ハラスメント防止も難しいと思います。

2020年12月9日水曜日

育休復帰後の雇い止め、女性敗訴 最高裁決定、マタハラと賠償求め

育休復帰後の雇い止め、女性敗訴 最高裁決定、マタハラと賠償求め

 

2020年12月9日() 18:17 共同通信

 

 育児休業後、正社員から契約社員となり、さらに雇い止めされたのはマタニティーハラスメントに当たるとして、女性が勤務先の会社に損害賠償などを求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(宇賀克也裁判長)は、女性の上告を退ける決定をした。8日付。雇い止めを無効として会社に賠償を命じた一審判決を変更し、女性側の逆転敗訴とした二審東京高裁判決が確定した。

 

 二審東京高裁は1911月、女性には、会社がマタハラ企業だとの印象を与えようとした行為があったと指摘。会社との信頼関係を壊しており、雇い止めは合理的理由があると判断した。 


《カウンセラー松川のコメント》

2018年9月に一審判決が出た事案です。
原告の女性正社員が育休終了後に、子供を預けられる保育園が見つからずない為に
時間短縮勤務を余儀なくされ、時間短縮勤務可能な契約社員に変更となった。
ここまでは労使共に納得済みでしたが、
原告女性から
契約社員は本人が希望する場合は正社員への契約再変更が前提です等と記載された書面
これを根拠に「保育園が見つかったので正社員に戻して欲しい」会社に要求。
ここから双方の言い分が異なり、女性社員が提訴しました。
注目したいのは、
時短勤務が可能な様に正社員から契約社員への契約変更制度が用意されている。
また、契約社員かせ正社員への契約変更制度も用意されていることです。
育児休暇や介護休暇後を見据えての制度だと思います。
最高裁としては被告である会社側の主張を認めましたが、
これは原告側の行動に問題があったと認識された為です。
「マタハラ裁判として注目させようとした行動が裏目に出た」
「原告女性の主張に自己中心的な部分があった」
と、解説しているニュースもあります。