2023年3月2日木曜日

▼<独自・パワハラ大量退学問題>木更津看護学院、被害者に「補償金10万円」 ”最終解決”に元生徒「不誠実」不満噴出 【ちば特 千葉日報特報部】

<独自・パワハラ大量退学問題>
木更津看護学院、被害者に「補償金10万円」 
最終解決に元生徒「不誠実」不満噴出 【ちば特 千葉日報特報部】

 

2023年3月2日() 19:03 千葉日報

 

 君津木更津医師会が設置する准看護師養成学校「木更津看護学院」(木更津市)の教員によるパワーハラスメントが原因で自主退学が相次いだ問題で、学校側が退学者に「一律10万円」の補償金を提示したことが2日、千葉日報社の取材で分かった。学校側は最終的な解決策としているが、数十万円に上るとみられる授業料や入学金は返還しない方針で、退学者から「納得できない」「不誠実だ」など不満が噴出している。

 

 学校側が示した文書は、第三者委がパワハラなどを認定したことを踏まえ「心よりお詫(わ)びを申し上げます」と謝罪した上で「一律10万円」の補償金を提示。補償には被害を具体的に記載した申し立て書の提出が必要とした。このほか「再試験料相当額」の実費も返還するとした。

 

 対象となるのは、学校側の資料に基づいてハラスメントが原因の退学、さらには費用がかかる再試験を受けた可能性が「相当程度あると判断された場合」と指定。学校側はこれを「終局的な解決」とした。

 

 学校側が示した解決策について、元生徒の1人は取材に年間授業料が約36万円、入学金は条件により約2438万円、さらに「施設協力費」として毎月約2万円を払っていたと証言。

 

 補償金の額とは開きが大きく、「不誠実だ。奨学金を抱えながら退学した人もたくさんいる。受け取って終わりにすることはできない」と拒否する意向を示した。

 

 別の学年の退学者は「納得できない。なぜ授業料や入学金を返還できないのか」と主張。説明会の開催など直接対話の場を設けることを求めた。

 

 パワハラ問題を巡っては昨年2月の本紙報道などを受け、学校側が弁護士らで構成する第三者委を設置。調査結果を受け学校側は昨年12月、記者会見を開き「生徒の人格を否定する言動」「記録の再提出を繰り返し求めた」などのハラスメント行為を認めた。看護教員2人は退職、校長は辞職した。

 

 千葉日報社は補償金について学校側に取材を求めたが、2日午後6時までに明確な回答は得られなかった。

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