相模原の企業で女性社員にセクハラ、労基署が労災認定
役員らがセカンドハラスメント
2023年1月17日(水) 21:41 神奈川新聞
相模原市中央区の工業用接着剤メーカー「アセック」に勤める正社員の30代女性が適応障害を発症したのは、身体接触を含む上司からの度重なるセクハラが原因だったとして、相模原労働基準監督署が労災認定していたことが17日、分かった。女性が加入する労働組合「総合サポートユニオン」(東京都)が県庁で会見し明らかにした。認定は昨年10月3日。
同労組によると女性は数年前、直属の上司である男性部長から2人きりになった会議室内で抱きつかれ、頭をなでられた上、「評価するのは俺だからいいだろう」などと言われたという。2022年1月に発症、同5月に適応障害と診断された。発症後も給湯室で両肩をつかまれたり、5時間にわたる2人きりの打ち合わせの場で抱きつかれたりした。
被害を相談した同社の男性副社長や男性役員からも「セクハラ・パワハラは受ける立場でだいぶ変わる」「たった一つの問題に固執するよりも大した問題じゃねえよっていうぐらいに思わないと」などと女性を責めるセカンドハラスメントを受けたという。
同労組は上司によるセクハラ・パワハラの調査、事実認定、上司の懲戒解雇などを求めている。同社は「記者会見で発表された内容について、事実関係が確認できないためお答えできない」とコメント。同労基署は取材に「個別の事案には応じられない」としている。
頭なで「評価するのは俺、いいだろ」 上司からセクハラで労災認定
2023年1月17日(水) 22:26 毎日新聞(遠藤和行)
相模原市の工業用接着剤メーカー「アセック」に勤務する30代女性が、直属の男性上司からセクシュアルハラスメントを受け、適応障害で休業を余儀なくされたとして、相模原労働基準監督署から労災認定を受けた。2023年10月3日付。女性と加入する労働組合「総合サポートユニオン」のメンバーが17日、神奈川県庁で記者会見して明らかにした。労組によると、セクハラによる労災認定を公にするのは異例という。
労組によると、女性は2014年に入社し、原料や資材を購入する業務を担当していた。21年夏ごろから男性上司にたびたび頭をなでられたり、抱きつかれたりされるようになり、「評価するのは俺だからいいだろう」「俺じゃ駄目か」などの言葉をかけられたという。
女性は22年4月に会社側へ相談したが、役員2人は「被害者と加害者をはっきりさせるつもりはない」「大した問題じゃねえよっていうぐらいに思わないと」と発言。さらに男性上司を擁護するような対応を取られ「セカンドハラスメント」を受けたと訴えている。
女性は適応障害と診断され、22年6月から休職。同年9月に相模原労基署へ自ら労災申請し、23年10月に認定を受けた。男性上司は会社から減給の懲戒処分を受けたが職場に居続け、女性は別の部署に異動になったという。労組は会社側に異動撤回やセカンドハラスメントの調査、再発防止策の実施などを要求している。
アセックは「記者会見で発表された内容について、事実関係が確認できないため、お答えできません」とコメントした。
◇会見で女性、声を詰まらせ
労災認定を受けて会見に臨んだ女性は、セクハラ被害を説明する際、時折声を詰まらせながら話した。
会社のハラスメント対応に失望したため、弁護士を訪ね歩いたりしたが事態は動かなかった。東映の元女性社員がセクハラ被害の声を上げているニュースを見て昨夏、支援していた労働組合「総合サポートユニオン」に加入した。
「セクハラされた方が悪い」という考え方に縛られていたが、労組スタッフから「あなたは悪くない」と明確に言われ、驚いたという。
労災申請など声を上げたことについて「泣き寝入りをしたら、今後の人生でセクハラされた事実につきまとわれる。そのまま生きていくのが苦しいと考え抜いた」と話した。同じ被害に遭った人に向け、「塞ぎ込まず闘ってほしい」と強調した。
上司のセクハラで適応障害に 労災認定で女性が会見
2023年1月17日(水) 18:38 テレビ神奈川
上司によるセクハラを原因とする適応障害が労災と認定されたことを受け、被害にあった女性が会見を開き涙ながらに訴えました。
会見を行ったのは、相模原市中央区の会社で働く30代の正社員の女性と、個人で加入できる労働組合、「総合サポートユニオン」のメンバーらです。
女性は、男性上司に頭をなでられたり抱きつかれたりしたことにより、適応障害と診断されおととし6月から休職。
相模原労働基準監督署は、去年10月、セクハラを原因とする労災と認定しました。
女性と労働組合は、今後も会社に対してセクハラの事実認定などを求めていくということです。
会社側は取材に対し、「お答えできません」とコメントしています。
女性は、同じような境遇に悩む人が声を上げるきっかけになればと涙ながらに訴えました。
労災認定された女性
「セクハラにあって辛い思いをしている人、どうしたらいいのか悩み塞ぎ込んでいる人に向けて、泣き寝入りをせずに闘う手段があるということを伝えたいと今は思っています。
私にとって、その手段が、労働組合で闘うことでした。 私はこの闘いを通して、被害者が声を上げることが容易にできる世の中になって欲しいと強く願います」
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