2023年1月11日水曜日

陸上自衛官がパワハラ訴え「ゆがんだ現状告発」 休職強要、同僚自殺

陸上自衛官がパワハラ訴え「ゆがんだ現状告発」 休職強要、同僚自殺

 

2023年1月11日() 9:30 朝日新聞(寺島笑花)

 

 陸上自衛隊の水陸機動団(相浦駐屯地・長崎県佐世保市)の1等陸曹の男性が10日、長崎市内で会見を開き、上司から休職を強要されるなどのパワハラを受けた、と明らかにした。「ゆがんだ団の現状を広く社会に告発する」と話し、謝罪と名誉回復を求めている。

 

 会見したのは、同団通信中隊の40代の1曹。1曹の説明によると、202111月、自殺未遂で入院していた同中隊の3等陸曹が死亡。部内の調査で、この3曹が自殺を図る前、上司の陸曹長から、精神状態に関するアンケートを書き換えさせられるなどのパワハラを受けていた経緯が発覚した。団は「(パワハラと3曹の)自殺との間に因果関係はない」としているが、陸曹長は119日付で役職を解かれた。

 

 1曹自身はこの件に関与していなかったにもかかわらず、上司の中隊長から「17日間休職するよう強いられた」と訴えている。その後、これとは別に、駐屯地内で食事の支給申請をしていないのに食べたとして、警務隊による「取り調べを受けた」と主張した。

 

 1曹によると、支給申請をしていない隊員が残飯として廃棄される食事を食べる「残飯喫食」は、「上司の指示のもとで部内で日常的に行われていた」という。駐屯地内の複数の隊で、実際に食べられた食事数が申請数を上回っていることが内部データでも確認されている、とも主張している。

 

 1曹は休職の強要などによって精神的な苦痛を受けたとして2112月にうつ病と診断され、2226月に休職。これまで、陸自内のパワハラホットラインや団の幹部に申告したが、「対応してもらえなかった」と話している。今後の自衛隊の対応によっては刑事告訴も検討していくという。

 

 同団広報班は取材に「1曹が中隊長からパワハラを受けた被害者であることは認識しており、調査を進めている」と回答。一方、「団側が1曹に休職を強要した事実はない」としている。また、駐屯地内の「残飯喫食」については「団として(公式に)認めていない」と回答。1曹以外の隊員や、他の隊についても「実態を調べるべきだと考えている」と述べた。1曹の告発については「出来るだけ早く事実関係を調査し、適切に対応していきたい」としている。

 

 

※ 他社のニュースも掲載致します 

【長崎】水陸機動団所属の自衛官 パワハラ被害訴え

 

2023年1月10日() 23:48 長崎国際テレビ

 

陸上自衛隊水陸機動団に所属する自衛官の男性が上官や組織からパワハラを受けたとして10日、会見を開き、関係者に謝罪を求めました。

 

1等陸曹

「ゆがんだ団の現状を広く社会に告発し、腐敗した団に猛省と浄化および誠意ある謝罪を求め告発した」

 

会見を開いたのは、佐世保市に本部を置く水陸機動団の通信中隊に所属する1等陸曹の男性です。

 

男性によりますと、おととし11月に同僚が自殺未遂を図った原因について、同じ隊の上官から「パワハラを行ったから」などとぬれ衣を着せられたほか、2週間の休職を強要され、不当な配置転換も命じられたとしています。

 

さらに、指示に基づき、ほかの隊員と共に廃棄される食事を食べた行為について、男性一人だけ「窃盗犯」として一方的に処理され、取り調べを受けたと主張。男性は胃潰瘍やうつ病を発症したとしていて名誉の回復とともに関係者に謝罪を求めています。

 

男性の訴えに対し、水陸機動団の梨木信吾団長は「できるだけ早く事実関係を適正に調査し、把握した結果に基づき適切に対処する」とコメントしています。

 

 

 

陸自水陸機動団の20代隊員が自殺、パワハラか 上司の処分検討

 

2023年1月10日() 18:29 毎日新聞(中山敦貴)

 

 陸上自衛隊相浦駐屯地(長崎県佐世保市)の水陸機動団に所属する20代の男性3曹が202111月に自殺を図って死亡していたことが、陸自などへの取材で判明した。陸自は、上司が3曹にパワーハラスメントをした可能性があるとみて懲戒処分を検討している。

 

 陸自によると、3曹は2110月ごろ、業務で精神面の健康チェックシートを記入した際、健康状態が悪いという趣旨の回答をしたところ、上司である40代の男性曹長から書き直しを命じられたという。3曹は2111月初旬、佐世保市の自宅で自殺を図って意識不明になり、同7日に死亡した。

 

 3曹を含む複数の隊員が書き直しを命じられたといい、陸自は、曹長の行為が精神的苦痛を与え職場環境を悪化させたパワハラに当たるとみて調べている。

 

 水陸機動団は離島防衛のための水陸両用作戦を担当し、隊員は相浦駐屯地などに約2400人いる。3曹の自殺を巡っては、同じ隊の1曹が10日、長崎市で記者会見し「自分は無関係なのに(関与を疑われ)休職や配置転換を命じられて精神的苦痛を受けた」などと訴えた。

 

 

 

「休職強要され 復職後も1日中 椅子に」
40代の男性自衛官がパワハラ会見
 水陸機動団「事実確認行う」【長崎】

 

2023年1月10日() 17:21 長崎放送

 

長崎県佐世保市の陸上自衛隊水陸機動団に所属する40代の男性自衛官が所属する隊のトップらからパワハラを受けたとして10日会見を開きました。

 

パワハラを訴えたのは、陸上自衛隊の水陸機動団 通信中隊に所属する一等陸曹の40代の男性自衛官です。

 

一等陸曹によりますと、202111月、隊のトップである中隊長から、理由もなく休職を強要されたうえ、復職した職場では仕事を与えられず、1日中、椅子に座らされるなどのパワハラを受けたということです。

 

一等陸曹は極度のストレスで、202112月に『うつ病』と診断されたほか、2022年年4月には『出血性胃潰瘍』で緊急入院したということです。

 

会見の中で一等陸曹は「こういうことが今後さらに行われては絶対ならないことだと思っている。自衛隊には謝罪と名誉回復をしっかりとして頂きたい」と話しています。

 

これに対し水陸機動団は「できるだけ早く事実確認を行い適切に対処したい」とコメントしています。


《カウンセラー松川のコメント》

被害者として記者会見を行ったのは40代の一等陸曹とのこと。
決して下位の隊員ではありません。
曹クラスは実働の要であり、人数の多い士クラスと直接に接する階級です。
その様な立場の隊員が記者会見まで開いての事なので、
この事案は相当に重いとも言えます。
また、水陸機動団は2018年に設立した比較的新しい部隊であると共に
島嶼防衛をはじめ海上からの進出を目的とした唯一の部隊でもあります。
その点では、空挺団等と同じ特別な部隊とも言えるでしょう。
それだけに日々の訓練も厳しいと思いますが、
自殺や濡れ衣等は部隊運営と無関係な部分で起きているとしか思えません。
特別な部隊だから、悪い事も通用する訳ではありません。
部隊内の性犯罪が表沙汰になり、陸自幹部が謝罪するに至り、
それから数ヶ月後には今般の事案が記者会見により暴露。
この様な事態を自浄作用では解決出来ないのならば、
それは組織として終わっているとも言えます。

被害者の皆様へ
この様な会見を開くには大きな勇気が必要だったと思います。
会見を切っ掛けにどこまで改善されるか期待は出来ませんが、
少しでも良い解決と共に、僅かでも改善される事を願っております。

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