2024年2月14日水曜日

消防職員33人を処分、強盗・署内で性行為・同僚への詐欺…パワハラやセクハラも新たに確認

消防職員33人を処分、強盗・署内で性行為・同僚への詐欺…パワハラやセクハラも新たに確認

 

2024年2月14日(水) 06:41 読売新聞

 

 不祥事が相次いだ三重県の松阪地区広域消防組合の全職員を対象に行われた外部調査の結果が13日、発表された。新たにパワハラやセクハラ計4件の問題行為が確認され、同組合は当事者6人に対し、減給などの懲戒処分を実施。相次いだ不祥事の管理監督責任も重くみて、消防長ら7人への懲戒処分なども行い、処分者数は全体で33人に上った。同組合管理者の竹上真人・松阪市長は「組織への信用を回復する第一歩と受け止めている」と陳謝した。


 同組合では、2022年に消防職員の窃盗事件や住居侵入、強盗事件、消防署内での職員同士の性行為、同僚に対する詐欺事件が相次いで起きた。これを受け、同組合では外部の弁護士などでつくる調査チームを結成し、23年5月~11月、新規職員を除く全消防職員292人に調査を実施。職場での不適切行為やハラスメントの有無、職員間での金銭の貸し借り、組織への不満や改善点を聞き取った。

 

 その結果、上司が部下の頭を殴る暴力行為、複数の上司が若手職員に食事を無理強いした例、署内で下半身を露出して風紀を乱したなど、いずれも男性職員による新たな問題行為が発覚した。

 

 また、今回の調査結果では、懲戒処分の対象にならなかった軽微なパワハラ4件も明らかにされ、当事者の職員3人に対し、文書訓告の処分を下したという。

 

 一方、懲戒処分の7人の上司については、松本芳昭消防長(59)(消防正監)を減給(10分の1、3か月)としたほか、消防本部次長(消防監)ら4人を減給(10分の1、2か月)とし、松阪中消防署長(消防監)ら2人を戒告の懲戒処分とした。また、組合管理者の松阪市長、副管理者の同副市長と多気町長、明和町長が、今年度の同組合における報酬を辞退することも明らかにされた。

 

 同組合では、再発防止に向け、職員等公益通報取扱要綱を制定し、今年度中に1市2町の行政機関に新たな通報窓口を設けるなど体制を改める。これまで消防本部総務課に通報窓口はあったが、聞き取りの中で複数の職員から「外部機関への窓口設置」を求める声があったためという。

 

 竹上市長はこの日の記者会見で「職員個人の資質というより閉ざされた組織、職場の雰囲気に問題がある。管理者としてそこをきちんと改め、信頼を取り戻したい」と述べた。

 

 

※ 他社のニュースも掲載致します 

松阪広域消防、33人懲戒処分
 相次ぐ職員の逮捕受け、外部調査結果報告 三重

 

2024年2月14日() 8:00 伊勢新聞

 

 【松阪】三重県の松阪地区広域消防組合の管理者を務める竹上真人松阪市長と松本芳昭消防長は12日、同市役所で記者会見し、相次ぐ職員の逮捕を受けて進めた外部調査の結果を報告し、33人の9日付の懲戒処分を発表した。松本消防長(59)は管理監督責任を取り減給10分の13カ月。

 

 竹上市長は「大量処分となった。洗いざらいにして再出発する目的。信頼回復に向けて一歩踏み出す」と述べた。

 

 同組合は同市と多気、明和両町で構成。相次ぐ職員の逮捕や不祥事を受け、事実調査と再発防止を目的に外部調査チームを設け、同市総務部総務課リーガルアドバイザーの弁護士らが令和55月から11月まで、新規採用職員を除く全職員292人を対象に聞き取り調査した。

 

 同組合職員は43月に松阪市内の釣具店での万引容疑で、同年8月に住居侵入・強盗の容疑で、52月に500万円をだまし取る詐欺事件でそれぞれ逮捕されている。

 

 調査で新たにパワーハラスメントとセクシャルハラメントが判明し処分した。

 

 消防署警防中隊長男性(49)は複数の部下に対し、訓練の際、ヘルメット越しに頭を手でたたく、太ももを蹴るなどのパワーハラスメントで減給10分の13カ月。

 

 着衣を脱いで下半身を露出し同僚複数に見せつけ不快な思いをさせたセクシャルハラメントで分署長男性(52)は戒告。飯南分署で食べ切れない量の食事を食べさせようとした分署長男性(57)、消防本部係長男性(42)、消防署警防分隊長男性(50)を戒告とした。

 

 管理監督責任で消防本部の次長男性(60)と参事官兼総務課長男性(52)、予防課事務担当男性(62)、警防課事務担当男性(61)の4人を減給10分の12カ月とした。松阪中消防署長男性(57)と消防本部消防防災課長男性(51)は戒告。

 

 組合管理者と副管理者の多気町長、明和町長、同市副市長は5年度報酬を辞退する。

 

 調査報告では「不適切な事柄やうわさを見聞きした場合の通報・報告体制が不完全で、これまで組織として対応ができていなかったことも不祥事が続いた一つの原因」と指摘した。


《カウンセラー松川のコメント》

暴力や虐め等ハラスメントのオンパレードとなった今回の調査結果。
如何に組織として正しい秩序の維持が為されていなかったかの証明ともなりました。
要するに幹部職員も中堅職員も事の善悪が分かっていなかった訳です。
市民の生命財産を守るのが消防の使命ならば、その職員を守る事も同様です。
それが放置されていたのは、幹部の無能さの表れです。
その様な無能幹部を許してしまった事を今さらに取り消せませんが、
今後は厳しい目で監督する事を全ての管理者が肝に銘じて欲しいです。

被害者の皆様へ
今まで本当に苦労を重ねられたと思います。
組織がハラスメントを許す状態でしたから、
被害の声を上げるのも相当に困難だったはずです。
しかし、これからは再発防止を堂々と行い、
不幸な事例を発生させない様に皆様の力も必要になると思います。

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