2024年3月22日金曜日

「職場環境害する行為遺憾」、消防長パワハラ問題…企業への指導を緩めるよう指示

「職場環境害する行為遺憾」、消防長パワハラ問題…
企業への指導を緩めるよう指示

 

2024年3月22日() 12:01 読売新聞

 

 和歌山県橋本市の一部地域と九度山町、かつらぎ町でつくる伊都消防組合消防本部(かつらぎ町)の大家伸也消防長(60)が特定の企業への指導を緩めるよう職員に指示していたことが明らかになった。職員へのパワハラに当たると判断された。同消防本部は21日に停職3か月の懲戒処分を発表した。処分は19日付。大家消防長は依願退職し、同消防本部は消防長不在となった。

 「住民の安心、安全を守る使命の消防職員として、職場環境を害する行為や住民に不信感を与える行為は誠に遺憾で、おわび申し上げる」

 井上典和・消防次長は21日に同消防本部で開いた記者会見で深々と頭を下げた。

 発表などによると、大家消防長は昨年6月、組合トップの管理者だった中阪雅則・かつらぎ町長を通じ、同町の食品会社から「消防法令などの指導内容が厳しすぎる。(職員の)接遇に問題がある」と苦情を受けた。

 これを受けて、大家消防長は指導を担当する予防課に確認などをせずにこの会社に謝罪。同消防本部によると、指導内容に問題はなかったという。

 大家消防長は予防課に対して、「特例を効かせて指導をするように」などと指導方針の変更などを指示。適正な指導に支障を与えたとされる。予防課の職員らが反論したが指示は変わらず、20歳代の職員がこれをきっかけに退職したといい、指示が部下へのパワハラにあたると認定された。

 一般的な注意をしたにすぎないとして、中阪町長からの聞き取りは実施されていないという。

 記者会見で、同消防本部は、苦情を訴えた地元の食品会社が2022年に火災やタンクの破裂事故を起こしていたことを明らかにした。問題になった指示とは関係ないという。

 こうした経緯を調査した第三者委員会の報告書では、大家消防長の謝罪について、「組織の長として、謝罪を行うことによる組織の今後の運営に対する影響を検討した形跡は全く見受けられない」と指摘している。

 

 消防本部トップの消防長が懲戒処分を受け、依願退職するという異例の事態となった。今回、問題となった消防設備などの指導は消防法に基づいて実施され、裁量は小さいが、大家消防長にはその認識が薄かったとみられ、問題が深刻なものになった。

 法を曲げる指示は特定の会社への便宜供与ともいえるものになる。部下の反発を受けても止まらなかったという。特定の会社名を挙げて注意した中阪町長も、自身の指示が大家消防長に与える影響を考慮する必要があっただろう。

 パワハラが一因となり、職員1人が退職したのも残念だ。地域住民の安全、安心を守っているという自覚を持ち、一日も早く、組織を立て直すことが求められる。(清水美穂)

 

 

※ 他社のニュースも掲載致します

指導を緩めるよう指示した消防長を停職処分 パワハラとコンプラ違

 

2024年3月22日() 10:00 朝日新聞(大野博

 

 特定の事業所に対する行政指導を緩めるよう部下に指示したなどとして、和歌山県橋本市、九度山町とかつらぎ町でつくる伊都消防組合消防本部は21日、消防長(60)を停職3カ月の懲戒処分としたと発表した。消防長は処分を受けた19日付で依願退職した。

 

 同消防本部によると、昨年6月、消防法に基づく立ち入り検査などの指導を受けた事業所から、「指導の言葉が厳しすぎる」と苦情があった。この苦情は、組合管理者だった中阪雅則・かつらぎ町長を通じて寄せられたという。消防長は、この事業所への指導を緩めるよう予防課長ら5人に指示するとともに、事業所に出向いて謝罪したという。

 

 同組合の懲罰審査委員会は、5人の指導内容には問題はなく謝罪も不適切だったとして、消防長の一連の行為は、部下に対するパワーハラスメントとコンプライアンス(法令順守)違反に当たると認定した。

 

 また、同消防本部の井上典和消防次長はこの日の会見で、予防課の20代男性職員が今月末に退職することを明らかにした。「消防長が予防課に出した指示が、退職願を出すに至る要因の一つとなったと考えている」とも述べた。


《カウンセラー松川のコメント》

パワハラとの報道ですが、
管内の特定企業への指導について恣意的に手心を加えさせる指示が
パワハラなんて安易な言葉で片付けられて良いのでしょうか?
加害者である消防長と当該企業の関係については言及されていませんが
消防長の言動からすると決して清い関係だったとは思えません。
これは単なる職場内の問題ではなく、管内での災害予防を裏切る行為だと言って
過言ではないと確信しております。

被害者の皆様へ
消防長の宜しくない行為に対して処分が行われました。
過去からの伝統で無ければ、再発はしないと思います。


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