2024年3月13日水曜日

パワハラで女性教諭自殺 遺族“県教委の事実認定は不十分”

パワハラで女性教諭自殺 遺族県教委の事実認定は不十分

 

2024313日(水) 17:16 NHK

 

県内の県立高校の30代の女性教諭が自殺し、県教育委員会が同僚の男性教諭からのパワハラが原因だと判断して懲戒処分をした問題で、遺族が13日、初めて会見を開き「県教育委員会のパワハラに関する事実認定は不十分で、男性教諭が適正に処分されたか疑問です」と述べました。

 

県や遺族によりますと4年前、宮城県石巻西高校の30代の女性教諭が自殺し、県教育委員会は先月、学校でのパワハラが自殺につながったと判断し、同僚の男性教諭を停職3か月の懲戒処分としました。

13日、仙台市内で、亡くなった女性教諭の両親と弁護士が初めて会見を開き、父親は「娘はこの学校が初めての職場で、学校が大好き、生徒が大好きでした。職場での嫌がらせを管理職も認識していたので、こんなことになるとは思っていませんでした。無念のひと言です」と述べました。

また、当時の学校の対応について、父親は「学校の先生方は娘の状況を心配して当時の教頭先生に多くの情報を伝えていましたが、情報が共有されていなかったことなどが今回の事故に至った大きな問題だと、私どもは思っています」と指摘しました。

そのうえで「県教育委員会による懲戒処分は、なぜパワハラが続けられたのかなど事実認定が不十分で、適正な処分だったか疑問です。停職3か月という軽い処分は、娘に問題があったように誤解を与えるもので、とても遺憾です」と述べ、県教育委員会が両親の求めに応じてパワハラの事実認定の再調査をしていることを明らかにしました。

さらに、いま一番求めることを問われると「娘の死を無駄にしないために、まずは真実を解明して、二度とこのようなことが起こらないようにしてほしいです」と述べ、再発防止の徹底を強く訴えました。

県教育委員会はNHKの取材に対し「会見の内容を正確に把握できていないのでコメントできない」としています。

 

【同僚教諭から女性教諭への手紙 その内容は】

会見では、パワハラをしたと判断された男性教諭が亡くなった女性教諭に宛てた手紙などの内容が遺族から公表されました。

県教育委員会や遺族によりますと、4年前の2020年6月、この女性教諭が男性教諭から業務の進捗状況について執拗に問い詰められたことから、当時の校長の判断で、2人の間の業務上のやりとりは口頭ではなく、メモで行うようになったということです。

その後、男性教諭から女性教諭の机の上に、メモや手紙が置かれるようになったということです。

7月31日の手紙には「はっきり言って先生の私に対する態度は『失礼』だと思います」、「正直『不快』です」といった内容や「人としていかがなものかと思います」などと書かれていました。

その後、学校の管理職からメモを出すことを止められたにも関わらず、男性教諭は継続して行っていたということです。

そして、10月22日の手紙には「教務部員としての自覚がないと思います。教務の仕事は一切お願いしません。教務部会にもでないでください」などと書かれていました。

その4日後に、女性教諭が亡くなっているのが発見されたということです。

女性教諭の父親は「学校が大好きだった娘は、これを読んで絶望したと思います。この手紙がなければ娘は死ななかったと思います」と話しました。

こうした手紙などの内容を踏まえ、おととし10月、地方公務員災害補償基金宮城県支部は、女性教諭の自殺について民間企業の労災にあたる「公務災害」と認定しました。

認定理由の中では「精神的な攻撃に当たるような言動などを繰り返し受けていたもので、強度の精神的または肉体的負荷があったものと認められる」と指摘されています。

 

【問題受けた県教委の対応】

今回のパワハラの問題を受けて県教育委員会は、今年度中にパワハラを行った場合の処分の基準を見直し、現在は含まれていない免職処分を追加するなどの改定を行うことにしています。

男性教諭の懲戒処分をめぐっては、県に対して「処分が軽すぎる」などと、県民から厳しい意見も寄せられていました。

一方、男性教諭の処分内容は変更しないとしています。


 

※ 他社のニュースも掲載致します 

両親訴え「真実知りたい」、
仙台 パワハラ受け女性教諭死亡

 

2024年3月13日() 17:51 共同通信

 

 宮城県立高の女性教諭=当時(32)=が2020年に職場の男性教諭からパワハラを受け自殺した問題で、女性の両親が13日、仙台市で初めて記者会見し「事実の認定が不十分だ。真実が知りたい」と訴えた。男性教諭は先月、停職3カ月の懲戒処分となった。父親は「娘に問題があったようにも捉えられる軽い処分」と疑問を呈した。

 

 県教委によると、男性教諭は他の職員もいる会議で業務の進捗状況を何度も問い詰めるように聞いたり、「仕事は一切お願いしません」などと書いた手紙を女性の机に置いたりした。自殺したのは、手紙を置かれた翌日とみられる。

 

 県教委は処分に当たり、パワハラと自殺の因果関係を認定している。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ2月2日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 高校女性教諭の自殺は同僚のパワハラが原因 同僚を停職処分
これの続報です。
当初の報道では、加害者は校長から
「被害者へは口頭での伝達でなくメモで行なう様に」
との指示を曲解し、メモにて被害者を攻撃し続けると言う
呆れた行動に切り替えました。
しかし、本日のニュースでは、
「管理職からメモを出すことを止められたにも関わらず、
男性教諭は継続して行っていた」とのこと。
こんなに悪質な行動があるでしょうか?
単なる考え方の違いからパワハラに至ったのではなく、
恣意的にパワハラを行なっていたのですから、故意犯です。
この様な者に「人を教え導く」仕事が出来るとは思えません。
懲戒処分に限界があるのならば、分限免職で構わないと思います。

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