2022年5月27日金曜日

セクハラで上司ら提訴 性同一性障害の30代会社員

セクハラで上司ら提訴 性同一性障害の30代会社員

 

2022年5月27日() 23:32 テレビ朝日

 

 上司からハラスメントを受けたとして、性同一性障害の女性が会社などにおよそ550万円の賠償を求め裁判を起こしました。

 

 原告:「(会社に)他の女性社員の方は問題だよねと言われて、生来の女性と私に対するセクハラでは重みが違うと言われて、本当に悔しい思いでした」

 

 性同一性障害で女性として生活している30代の会社員は、2018年に東京都内のインターネットコミュニケーションサイトの運営会社にデザイナーとして入社しました。

 

 訴状などによりますと、女性は男性上司から宴会の場で下腹部に顔を押し当てられ、別の宴会でも「なんで女装してんねん。アホかい。お前、男やろがい」と言われるなど度重なるセクハラやパワハラ行為を受けたということです。

 

 会社に相談したところ上司は処分され異動となりましたが、その後、女性が同じ職場に異動させられたということです。

 

 女性は上司と会社を相手取り慰謝料などおよそ550万円の支払いを求め東京地裁に提訴しました。

 

 

※ 他社のニュースも掲載致します 

「なんで女装してんねん」「お前男やろがい」
 股間に顔を押し当てられ
・・・トランスジェンダーの女性が元上司の“SOGIハラ訴え

 

2022年5月28日() 10:57 TBSテレビ

 

性的指向や性自認に関する侮辱、“SOGI(ソジ)ハラ。男性として生まれ女性として生活しているトランスジェンダーの女性が“SOGIハラを受けたとして勤務先の会社と元上司を提訴しました。専門家は“SOGIハラが性的マイノリティだけではなくすべての人が被害者になりうると話します。

 

■「なんで女装してんねん」トランスジェンダーに向けられた暴言

原告(30代)

「最初は興味本位なのかなって思って我慢していたんですけど。どんどんエスカレートしていって、下着に手を入れたりとか。そういうことがたくさんあって」

 

男性として生まれ、現在は女性として生活している30代のトランスジェンダーです。

 

自身の股間に当時の上司が顔を押し当てている画像は4年前、勤務先の宴会での行為を撮影したものです。

 

原告(30代)

「宴会の席とかにさらされることが多かったんですけど、見ていた人が誰も止めてくれなかった。セクハラ窓口の方が『俺それ見てたよ』みたいな話をしてきて。平気だと思われてたのかなと思って、すごく悲しかったです」

 

トランスジェンダーの女性は精神的な苦痛を受けたとして、勤務先のIT関連会社と元上司を相手に合計約550万円の損害賠償を求めて、527日、東京地裁に提訴しました。

 

原告側 仲岡しゅん弁護士

「近年のLGBTという人々の存在がですね明らかになってきまして、これまでそういった人たちへの加害行為というのは結構見過ごされがちだった」

 

訴状によりますと、元上司から性的な言葉をかけられたり、体を触られたりして“うつ状態”と診断され、一時休職したということです。

 

宴会の場では・・・

 

元上司

「なんで女装してんねん、アホかい。お前男やろがい」

 

一時は謝罪の言葉もあったといいますが・・・

 

元上司

「男だから平気だと思った。これからはお前を1人の女性として見る」

 

原告側 仲岡しゅん弁護士

「『なぜ女装してんねん』とかですね、原告さんがトランスジェンダー当事者であることに着目して、それを面白半分でいじろうという加害行為であると考えております」

 

■「社会に理解してもらいたい」“SOGIハラとは?

自分が好きになる相手の性を意味する▼「Sexual Orientation」。

自分の心の性を意味する▼「Gender Identity」。

 

それぞれの頭文字をとり、性的指向や性の認識に関連した差別的な言動、いじめなどのハラスメントを“SOGIハラと呼びます。

 

今回の提訴の理由が“SOGIハラに当たります。セクシャルマイノリティを取り巻く環境について研究している専門家はこう話します。

 

広島修道大学 河口和也 教授

「一番“SOGIハラの対象になるのは、性的マイノリティなのですが。性的マイノリティだけかというと、ジェンダー規範から外れている人も対象になったりしますね」

「『誰々さんって男なのに歩き方がなんかくねくねして男っぽくないよね』という、ジェンダー規範から外れてるような場合ですね。それに対して『きっとゲイなんじゃないの』という勝手な判断をするというのも、ハラスメントにあたりますね」

 

今回提訴に踏み切ったトランスジェンダーの女性は、「社会に理解してもらいたい」と訴えます。

 

原告(30代)

「セクシャルマイノリティの方、LGBTの方って、なかなか声を上げづらい状況にはあると思うので」

LGBTでも女性でも男性でも、その被害の被害なので。そういう認識がちゃんと広まっていってくれたらなと思っています」

 

会社側は「訴状を受け取っていないため、コメントは控えさせていただきます」「正式な訴状内容を確認の上、適切な対応を行ってまいります」とコメントしています。


《カウンセラー松川のコメント》

[トランスジェンダー]は存在する事実ですが、
認知されてからの時間は決して長くありませんので
万人に浸透しているものではないのが実態です。
それは[男女平等]が未だに完全には定着していないのですから
当然の状態と言っても過言ではないでしょう。
文化は時間をかけて醸成するものでもありますので
いくら声高に訴えても簡単に変わるものでもありません。
だからと言って、ハラスメントを容認して良い訳でもありません。
厳しい話ですが、多くの受難者を礎にして権利を得る面もあります。
決して少数者を冷遇して良いとは思えませんが、
世間に認知され為にも様々な活動や行動を進めて欲しいです。

被害者の方へ
辛い思いをされたことでしょう。
しかし、正しく権利を主張される事でしか認知はされませんので
これからも頑張って欲しいと思います。

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