2022年5月20日金曜日

異動希望の職員を4年留め置き「精神的苦痛」 千代田区に賠償判決

異動希望の職員を4年留め置き「精神的苦痛」 千代田区に賠償判決

 

2022年5月20日() 19:47 朝日新聞(田中恭太)

 

 「過去のパワハラを思い出す」として保育園からの異動を求めたのに応じてもらえず精神的苦痛を受けたとして、東京都千代田区の男性職員が区に賠償を求めた訴訟の控訴審判決が20日、東京高裁であった。平田豊裁判長は「職員の健康を悪化させるおそれが高かった」として、請求を棄却した一審判決を変更し、区に55万円の賠償を命じた。

 

 判決によると、職員は20124月に児童館から保育園に異動した直後から休暇を取得。別の園での嫌な記憶がよみがえったことによる適応障害との診断を受けた。職員は区側に「過去に勤めた別の園でパワハラがあった」と説明した。翌年用務員として復帰したが、保育園以外への異動を強く希望。だが188月まで実現しなかった。

 

 判決は、区の対応を「適応障害が再燃する不安を抱かせ、多大な精神的苦痛を与えた」と批判。診察を受けさせるなど配慮もせず、44カ月も職員を留め置く必要もなかったとして「違法な公権力の行使にあたる」とした。

 

 区は「判決の理由を精査し、対応を検討する」とコメントした。


《カウンセラー松川のコメント》

「人事でいちいち個々の事情なんて聞いてたら仕事にならないよ」
これが担当者の本音ではないでしょうか。
パワハラ加害者と同じ職場にならなければ問題は無いと考えがちですが、
被害者の中には条件反射の様な反応をしてしまう場合もあります。
今般も「保育園=パワハラを受けた場所」としての拒絶反応があり、
保育園以外の職場を強く希望したのでしょう。
ただ、ニュースに於いて異動希望に際して
「保育園以外の職場への異動を要す」との診断書を添付した記述が無いので、
被害者の対応も完璧であったかは疑問の余地があります。
また、区側が診察を受けさせなかったことも賠償の一因とされていますが、
現行の職場で適応障害の再燃が不安ならば、当事者が自ら診察を受けて
再燃可能性の有無を示すべきだと思います。
単に「この職場ではパワハラを思い出すから嫌だ」と言うだけでは
駄々っ子と同じです。
大人ならば自分の身は自分で守るべく行動をする必要もあるはずです。

被害者の方へ
嫌な思いをされたのは否定しませんが、
御自身で出来る限りの事をされたのでしょうか?
勤務に当たり医師の診断書の存在は大きいですが、
ニュースでは「異動を要す」との診断書を提示した事が記されていませんが、
いかがでしょうか?
診断書作成の際に御自身の希望を盛り込む事を医師に伝えるのは可能です。
実際にそのとおりに記載されるかは医師次第ですが
それをしなければ医師は事実のみを記載するに留めます。
担当医には全てを話して、情報共有をする必要もあります。
医師は患者全てを見透かしている訳ではありませんので。

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