2022年5月27日金曜日

北海道立高等看護学院 教師によるパワハラ問題 自殺した学生の母親は語る

北海道立高等看護学院 教師によるパワハラ問題
 自殺した学生の母親は語る

 

2022年5月27日() 18:29 北海道テレビ

 

 「かえしてもらえるならかえしてほしい」自殺した学生の母親はそう訴えます。

 江差町にある道立高等看護学院を巡る教師による学生へのパワーハラスメント問題。

 この学校では3年前に学生が自殺。

 遺族が道に対して調査を申し入れています。

 自殺した学生の母親「うちの子は江差の学校に殺されたんだという思いが強くなって」こう語るのは江差高等看護学院に通っていた男子学生の母親です。

 「ずっとぜんそくを持っている子だった。入院することも多くてその中で看護師が優しいのを見て自分もやってみようかなと思ったって言ってました。」

 

 男子学生は2019年9月、下宿先のアパートで死んでいるのが見つかりました。自殺でした。

 自殺した学生の母親「悔しいし本当にこの学校に行かなかったらこんなことにならなかったのにという思いしか残らなかったので」

 3年間で看護師を育てる江差高等看護学院。

 去年、この学校で明るみになったのは教師による学生へのパワーハラスメントです。

 被害を受けた学生「あなたみたいなのは看護師にならない方がいいって学校やめた方がいいんじゃないのっていうふうに言われて」「指導中に先生が持っているペンでぶっ刺すぞだったり実習中にあなたはガキンチョですかとか自分にとって結構ショックな言葉をたくさん」

 

 2020年に入学したのは19人。しかし、退学や留年、休学が相次ぎ進級できたのは9人だけだったといいます。

 学生「暴行したくなるとか、殴る蹴るをしたくなるとかあなたには看護師になる価値がないとかっていうふうにも結構言われたので。」

 この学生も3か月にわたって大量の始末書を書かされるなど複数のパワハラを受け留年し休学しました。

 学生「指導の内容というか先生からの発言とか暴言が結構厳しいものがあったのでそれに関してはちょっとひどいかなっていうふうには思いました。」

 パワハラの訴えは紋別高等看護学院でも上がり、第三者調査委員会は江差と紋別で53件のパワハラを認定。関わった教師は11人に上りました。

 自殺した学生の母親「理不尽なことが多いんだって。

 先生に用事があって呼び止めようとしても「忙しい」って言って話を聞いてくれないとか、質問をしに行っても「自分で考えろ」って。考えたって言って持って行っても「やり直し」って。それってどこが悪いとかここをこうした方がいいとか教えてくれないのって聞いたらまずそういうことは言われないしって。だから何を基準に見ているのかも分からないって。それでずっと苦悩していたのは知っていたんですよね。」

 

 自殺の連絡を受けた母親が男子学生の下宿先のアパートに駆け付けた時、床には無数のリポートが散らばっていたといいます。

 

 この男子学生へのパワハラについて鈴木知事は…

 鈴木知事「事案の重大性に鑑みまして、他の事案の調査を進める中で、可能な範囲で聞き取りを行った結果、関係教職員や学生から、確信的な心証がなく、このハラスメントは確認をされてない」

 

 しかし、去年11月当時の学院長は母親の元を個人的に訪れ男子学生にも教師からのパワハラがあったと謝罪しています。

 学院長「男子学生に対するケアというか、カウンセリングなり、聞き取りというか会話っていうのがコミュニケーションっていうのが不足していたんではないかと。亡くなった男子学生につきましては、今でも申し訳なく思っております。」

 自殺した学生の母親「何をされてもうちは戻って来ないんで。謝ったところで戻って来ないし、かえしてもらえるもんなら本当にかえしてもらいたいんです、自分の息子を。」

 母親は今月17日、道に対し教師からのパワハラについて調査を申し入れました。

 鈴木知事「調査のご要望を頂いていますので相手の方からお話をですね、よくよくお伺いをした上で、あの誠実に対応していきたいというふうに考えています。


《カウンセラー松川のコメント》

北海道のトップである首長としての知事は組織防衛と保身に
走るしかないでしょう。
自身が直接に管理監督していた訳でもない学校での問題で
そう簡単には頭を避けられませんし、非も認められません。
それは、道当局も同様です。
兼務だった学院長にしても、生徒の自殺が判明したので、
職責上詫びているのでしょう。
しかし、道の教育者が集団で教え子を虐めていたのですから、
その責任は加害者をはじめ道知事までに及ぶと思います。
自身が直接に管理監督していなくても、
部下やその部下が関わっているのは間違いありません。
今は言い訳をするのではなく、真摯に頭を下げるしかありません。
自殺者まで生んだ教員による生徒への組織的な虐め事案には
加害者をはじめ関係者全てに厳罰を処することで、
今後への戒めとして発生防止に努めるしかありません。

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