2022年5月19日木曜日

パワハラで懲戒処分 和歌山県警、署員自殺で当時の署長と副署長

パワハラで懲戒処分
 和歌山県警、署員自殺で当時の署長と副署長

 

2022年5月19日() 16:35 紀伊民報

 

 和歌山北署の40代男性署員が3月に自殺した事案を巡り、県警は18日、この署員にパワハラをしていたとして、当時北署長だった警務部付の警視(59)を停職6カ月の懲戒処分とし、男性署員が精神的不安定になっているのに放置したなどとして当時副署長だった科学捜査研究所副所長の警視(55)を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分にした。2人とも同日付で依願退職した。

 

 県警によると、署員は3月1日午前、庁舎内で自傷行為し、病院に搬送されたが、3日未明に亡くなった。これを受け、県警が調査したところ、元署長から昨年10月~今年3月に他者の面前で能力を否定するなどのパワハラを受けていたことが分かった。

 

 元署長が幹部会の席上、署員に対し「幼稚な問題が多い。他の課と交代して、皆に見てもらえばいい」と述べたほか、署員が自殺を図った3月1日には署長室で「おまえは皆からうそつきと言われているぞ」と話したという。

 

 遺書はなかったが、署員の机の引き出しから、業務内容や心情などをつづったノート3冊が見つかったといい、県警は元署長のパワハラが署員の自殺の要因の一つになったことは否定できないとした。

 

 県警の聞き取りに元署長は「不適切だったと言われれば返す言葉もない。配慮が足りなかったと反省している。職を辞して責任を取る」と話したという。

 

 一方、元副署長は署員の部下から「ふさぎ込んでいることがある」と報告を受けていたのに、適切な対応を取らなかったという。

 

 このほか県警は、元署長が別の署員に「実績がないなら今の仕事を降りろ」と怒鳴りつけたほか、元副署長が署員3人に「報告もようせんのか。能力がないなら辞めてしまえ」「警察官をなめてんのか」などと言ったこともパワハラに認定した。

 

 的場克郎首席監察官は「警察職員の自殺事案が発生したことは組織として痛恨の極みであり、亡くなられた職員のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族ならびに県民の皆さまに深くおわび申し上げる」とし、信頼回復に努めるというコメントを出した。



※ 他社のニュースも掲載致します

署長パワハラで職員自殺 和歌山県警、2警視懲戒

 

2022年5月18日() 21:02 共同通信

 

 和歌山県警は18日、和歌山北署の40代男性職員が3月に自殺したのは当時の署長のパワハラが原因だったとして、前署長で警務部付の湊隆弘警視(59)を停職6カ月とし、適切な改善措置を取らなかったなどとして当時副署長だった科学捜査研究所の馬倉実警視(55)を減給10分の16カ月)とした。いずれも懲戒処分で、2人は同日付で依願退職した。

 

 県警監察課によると、前署長は昨年10月ごろ以降、部下の男性職員らに対し、署内会議の際などに能力を否定する発言をしたり激しく叱ったりしていた。

 

 職員は今年31日、署内で首をつった状態で見つかり2日後に死亡。県警は自殺と判断した。

 

 

 

「幼稚な問題多い」「能力ないなら辞めろ」
 和歌山県警パワハラ自殺

 

2022年5月18日() 21:03 毎日新聞(駒木智一)

 

 和歌山県警和歌山北署(和歌山市)の40代男性署員が3月、庁舎内で自殺を図って死亡した問題を巡り、県警は18日、自殺した署員ら2人にパワハラをしたとして、当時署長だった湊隆弘警視(59)=警務部付=を停職6カ月の懲戒処分とした。また、自殺した署員の精神状況が不安定だと報告を受けながら放置し、別の署員3人にパワハラをしたとして当時副署長だった馬倉実警視(55)=科学捜査研究所副所長=を減給10分の16カ月)の懲戒処分とした。県警は「署員の自殺はパワハラが一因」としている。

 

 県警監察課によると、湊前署長は202110月~223月、課長級幹部が出席する署の幹部会で「(自殺した署員の)課だけ幼稚な問題が多い」と罵倒したり、幹部会でこの署員の課だけ部下を同席させ、署員の能力を疑問視させたりする嫌がらせを繰り返した。馬倉前副署長は215月、40代の署員ら3人に「報告もようせんのか。報告できない、能力がないなら辞めてしまえ」とののしった。

 

 男性署員は2231日に庁舎内で自殺を図り、病院に搬送されたが同3日に死亡した。同課によると、同1日には湊前署長から署長室で「お前はみんなからうそつきと呼ばれている」などと嫌みを言われていたという。亡くなった後、署員の執務机からは署長とのやりとりや当時の心情を日記形式で記したノートなどが3冊見つかり、県警はその記述などからパワハラが自殺の一因と判断した。また他署員へのパワハラは、自殺をきっかけにした内部調査で発覚した。

 

 2人は18日、依願退職。県警の調査に対し、湊前署長は「言動が不適切だったと言われれば返す言葉もない。配慮が足らず責任を感じている」、馬倉前副署長は「署長の叱責に対してフォローはしているつもりだったが、職場環境を改善することができなかった」と話しているという。

 

 県警の的場克郎首席監察官は「組織として痛恨の極み。亡くなられた職員のご冥福をお祈りし、ご遺族と県民の皆様に深くおわび申し上げる。再発防止と信頼回復に努める」とコメント。また、遺族は県警を通じ「(自殺した署員は)実直で思いやりがあり、誇りと使命感を持って仕事をしていた。今は現実を受け止めるだけで精いっぱいです」とするコメントを発表した。


《カウンセラー松川のコメント》

加害者の(当時)署長は引責辞任として退職してますが、
その後の道が出来ているのだと推測しております。
警務部付の肩書きなので既に監察対象となっているのでしょうけど
懲戒免職ではなく依願退職扱いなので、
再就職先の斡旋まで面倒をみて貰えるはずです。
そうでもなければ、パワハラによる自殺程度で辞職まで至り難いです。
当時の副署長も殊勝なコメントを出してますが、職場で罵っているのですから、
どこまで本気で職場改善に臨んでいたかは極めて疑わしいです。
県警本部も遺族へのお悔やみ程度の定型のコメントに終始。
警察あるあるの対応でしょう。
今、県警本部を挙げて必死なのは、
キャリア組の県警本部長遠藤剛警視長への言い訳とフォローでしょうね。

御遺族の皆様へ
御覧のとおり組織の最高責任者である本部長からは一言のコメントもありません。
これが日本の地方警察の実態です。

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