教職員から「不必要に触られた」「性的な冗談を言われた」…児童生徒402人がセクハラ訴え、千葉県教委
2024年5月23日(木) 13:29 読売新聞(河津真行)
千葉県教育委員会は県内の公立小中高校と特別支援学校の児童生徒、教職員を対象に、2023年度のハラスメント実態調査を実施し、22日に結果を発表した。教職員からセクハラを受けたと感じた児童生徒は402人だった。前年度より22人減ったものの、県教委は「児童生徒と保護者のハラスメントに対する意識は向上しているが、教職員の意識が追いついていない」と分析している。
調査は昨年12月~今年1月、千葉市立学校を除く公立学校計1111校で実施し、児童生徒42万5232人から回答を得た。
セクハラと感じて不快だったと回答したのは、中学生が前年度比21人増の185人で最多だった。高校生は同5人減の167人、小学生は同34人減の44人、特別支援学校生は同4人減の6人だった。回答した児童生徒100人あたりの人数は0・09人で、前年度の0・1人をわずかに下回った。
項目別(複数回答)では、「不必要に体を触られた」「容姿などの身体的特徴を話題にされた」「性的な話・冗談を言われた」などが多かった。「性的な内容の電話・手紙・電子メールなど」を受け取ったという回答もあった。
具体的な事例では、「部活指導中、具体的な所作を説明する際に、生徒の身体に触れて説明した」「授業中に学級担任から『やせたほうがいい』と声をかけられた」などが寄せられた。
セクハラ以外のハラスメントを受け、不快に感じたと回答した児童生徒は、前年度比157人増の1239人だった。回答した児童生徒100人あたりの人数は0・29人で、前年度の0・25人を上回った。具体的には、「授業中に威圧的な言葉で指示された」「部活動を体調不良で休むと怒られるので休めない」などの事例があった。
県立学校の教職員では、全体の0・56%に当たる66人がセクハラだと感じたと回答した。事例別では、「容姿・年齢・結婚・妊娠などを話題にされた」が32人と最も多かった。「執拗(しつよう)に交際を迫られた」「性的な画像や動画を見せられた」といった回答もあった。
県教委は調査結果を踏まえ、児童生徒に相談窓口の周知やパンフレットを活用した啓発を行う。心理や法律の専門家を交えた教職員向けの研修も実施する。県教委教職員課の佐々木恵・管理室長は「大人同士の関係で許容されない言動は、子どもに対する指導であっても許されないという意識を教職員が持つよう指導し、ハラスメント根絶につなげたい」と話している。
※ 他社のニュースも掲載致します
身体接触、性的な話、容姿話題に…
教職員からセクハラ402人 減少も不快な言動増
千葉県教委23年度実態調査
2024年5月27日(月) 19:03 千葉日報
千葉県教委は、県内公立学校の児童生徒らを対象にしたセクシャルハラスメントなどに関する2023年度の実態調査結果を発表した。教職員からセクハラと感じる言動を受けたとする児童生徒は402人で、前年度より22人減少。一方でセクハラ以外のハラスメントを受けたと回答した児童生徒は1239人となり157人増加した。県教委は児童生徒らのハラスメントへの意識に教職員が追いついていないとして、専門家による発生原因などを分析した資料を生かした研修などを行い、ハラスメントの根絶を図るとしている。
調査は、千葉市立学校を除く全ての公立学校の児童生徒約46万8千人を対象に、23年12月~24年1月に実施。約42万5千人が回答した。
県教委によると、教職員の言動が「セクハラと感じ不快だった」とした児童生徒は中学校185人、高校167人、小学校44人、特別支援学校6人。内容は「不必要に身体を触られた」「性的な話・冗談を言われた」「容姿を話題にされた」の3項目が全校種で多かった。「『男のくせに』『女のくせに』と言われた」もあり、中高生からは「性的な内容の電話やメールなどをもらった」との回答もあった。
調査結果を踏まえ処分が必要な事案はなかったが、県教委は被害を訴えた生徒に面談をするなど支援。教職員には学校長が注意を促すケースがあった。教職員は「気軽なコミュニケーションのつもりだった」などと話したという。
セクハラ以外のハラスメントを受けて不快との回答は小学校941人、高校141人、中学校136人、特別支援学校21人。内容は「授業で名前をいじられたり『お前』と呼ばれたりした」「揚げ足をとるような言動をされた」など。「担任の口調が強すぎる」「部活動を体調不良で休むと怒られるため休めない」などの内容について、同課は「体罰につながりかねない。重く受け止めている」との認識を示した。
県教委教職員課は「児童生徒や保護者のセクハラへの意識が向上する一方で、教職員の意識が追いついていない。セクハラ以外のハラスメントで、よりその傾向がある」と分析。「大人同士だと許容されない言動を指導の際にやってしまい、ハラスメントにつながっている。大人同士で許容できない言動は子ども相手でも許容できないとの視点で、ハラスメントの根絶を図りたい」と話した。
体罰に関する実態調査では、新たに確認された事案はなかった。
◆教職員同士66人被害
県教委は今回の実態調査に併せて教職員同士のセクハラ被害も調査し、県立学校分を発表。セクハラと感じ不快だったと回答したのは66人で、前年度より11人増加した。「容姿や年齢、結婚、妊娠などを話題にされ不快」との回答が最も多かった。
教職員の言動「セクハラと感じ不快」、児童生徒402人 千葉県調査
2024年5月22日(水) 13:53 毎日新聞(松尾知典)
千葉県教育委員会は22日、県内の公立小中学校、高校、特別支援学校計1111校(千葉市立校を除く)に通う児童・生徒46万8790人を対象とした2023年度のセクシュアルハラスメント(セクハラ)・体罰の調査結果を公表した。教職員の言動をセクハラと感じ、不快と回答したのは402人(前年度比22人減)だった。
調査結果によると、402人の内訳は、小学校44人▽中学校185人▽高校167人▽特別支援学校6人。項目別(複数回答可)では「不必要に身体に触られ、不快だった」が140人で最多。「性的な話・冗談などを言われ、不快だった」93人、「容姿などの身体的特徴を話題にされ、不快だった」75人と続いた。
県教委によると、今回の調査で体罰は確認されなかった。調査ではセクハラ以外のハラスメントについての聞き取りもあり、ハラスメントを受け不快と回答したのは1239人(同157人増)に上り、うち小学生が941人(同141人増)と最多だった。
県教委教職員課は「大人同士の関係で許容されない言葉や言動であっても、子どもたちへの対応では指導の範囲ということで言いやすく、ハラスメントにつながる。子どもに対しても許容されないという視点で(対策に)取り組んでいきたい」と話している。
「教員からセクハラと感じる言動受け不快」
児童・生徒約400人が回答
2024年5月28日(火) 19:54 千葉テレビ
千葉県教育委員会が行った実態調査で、児童、生徒、約400人が教員からセクハラと感じる言動を受けたと回答したことがわかりました。
前の年度からはわずかに減少しています。
県教委の調査は、千葉市立学校を除く、県内すべての公立学校に在籍する児童と生徒を対象とし、全体の9割にあたる、42万5000人余りから回答を得ました。
それによりますと、教職員の言動などを「セクハラと感じ、不快であった」と回答したのは、402人に上り、前の年度からはわずかに減りました。
内容を見ますと、小・中・高、それに特別支援学校のいずれも、「不必要に体を触られ、不快だった」という項目が最も多く、具体的には、「部活動の指導中に体に触れて説明した」、「頭を叩かれた、なでられた」などの回答がありました。
一方、セクハラ以外のハラスメントを受け、「不快だった」という回答は1239人と、前年度から157人増えていて、「部活動を体調不良で休むと怒られるので休めない」などの回答が確認されました
。
県教委は、今回の回答を受けて、匿名でないものは調査しましたが、教員への処分にあたる事例はなかったとしています。
また、今後は、心理や法律の専門家の協力を得た研修を行うなどして、人格を尊重した言動や対応をしたり、児童生徒の安全を守る行動がとれたりするよう、職員の意識改革を進めていく方針です。