2024年5月7日火曜日

▼東和銀行員が過労自殺 上司パワハラ、労災認定

東和銀行員が過労自殺 上司パワハラ、労災認定

 

2024年5月7日() 21:15 時事通信

 

 20175月に東和銀行(前橋市)の男性行員=当時(25)=が自殺し、労災と昨年認定されたことが7日、関係者への取材で分かった。

 

 遺族側の代理人弁護士によると、労働基準監督署は、配置転換による未経験の業務への重圧に加え、上司から日常的にパワハラを受けていたことなどから、強い心理的負荷があったと認めた。

 

 男性は入行4年目の174月、埼玉県川越市の同行川越支店に異動し、初めて法人向けの営業担当となった。しかし、同年531日、男性は出社せずに自殺。「仕事で悩んでいました。支店で誰にも相談できずに、どうにもならなくなっていました」などと記されたメモが見つかった。

 

 弁護士によると、男性は顧客から会社として応じられない無理な注文をされたり、上司から「数字が上がらない」「企業分析が下手」などと他の行員の前で日常的に叱責を受けたりしていた。

 

 川越労基署は昨年8月、入社4年目の男性の能力と経験を超える業務量や無理な注文への対応などがあったと指摘。また、相談をしにくい職場環境だった上、上司からのパワハラもあったと認め、男性が「適応障害」を発病したと認定した。

 

 遺族は弁護士を通じ、「命を落とすまで数字を追わせるのでしょうか。そんな組織を変えてほしい」とコメントした。

 

 東和銀行の話 非常に残念なことが起きたと受け止めている。ご遺族に対して真摯(しんし)に対応して参ります。 

 

 

※ 他社のニュースも掲載致します 

上司のパワハラで命を絶った25歳行員、6年後に労災認定
…同僚の前で「数字が上がらない」と叱責

 

2024年5月7日() 16:23 読売新聞

 

 東和銀行(前橋市)の男性行員(当時25歳)が2017年に自殺し、川越労働基準監督署が、上司のパワハラや配置転換に伴う未経験業務への重圧などによる過度な心理的負荷が原因だったとして労災認定したことが、遺族の代理人弁護士への取材でわかった。認定は23年8月10日付。

 

 代理人弁護士によると、男性は14年4月に入行。17年4月に川越支店に異動し、初めて法人向けの営業担当となったが、上司から同僚らの前で「数字が上がらない」などと威圧的な叱責(しっせき)を受けていた。

 

 男性は同年5月末、埼玉県内の自宅で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。遺書が見つかり、川越労基署は重圧やパワハラなどが重なって適応障害を発症し、自殺したと認定したという。

 

 同行は「非常に残念なことが起きてしまったと受け止めている。ご遺族に真摯(しんし)に対応していきたい」とコメントした。

 

 

 

25歳銀行員が過労自殺 配置転換2カ月後 上司宅に休日呼び出しも

 

2024年5月7日() 5:00 毎日新聞(土田暁彦)

 

 前橋市に本店がある第二地銀・東和銀行の男性行員(当時25歳)が自殺し、労災と認定されていたことが関係者への取材で判明した。配置転換に伴う未経験業務への重圧に加え、上司のパワハラによる複合的な要因で、精神的に追い込まれた過労状態だったと判断された。男性は異動後わずか2カ月で命を絶っており、遺族は銀行側に損害賠償を求める方針だ。

 

 男性は大学卒業後の2014年春に入行し、個人事業主らを対象にする個人向け営業担当などを経験。入行4年目の174月、川越支店(埼玉県川越市)に異動し、初めて法人向けの営業担当となった。

 

 531日、顧客と面会する予定があったが、埼玉県内の自宅で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。男性の自室からは「仕事で悩んでいました。誰にも相談できず、どうにもならなくなっていました」などとつづられたメモが見つかった。

 

 男性の遺族や代理人弁護士によると、男性は川越支店への異動後、上司から同僚らがいる前で「数字が上がらない」「稟議(りんぎ)書の作成が遅い」と威圧的な叱責を受けていたことが明らかになった。

 

 この上司は休日になると、自身の名字で「○○塾」と称し、自宅に男性ら部下を呼び出すこともあった。男性は「土曜や日曜に上司の家で、急に仕事をさせられる」と友人に漏らしていたという。

 

 ◇「相談しやすい職場を」

 

 男性の死後、遺族が川越労働基準監督署に労災を申請した。労基署は238月、配置転換で心理的な負担が生じていたと判断。法人担当は「花形」とされており、周囲からの期待や業務量の多さに追い込まれていた一方で、仕事の悩みを相談しにくい職場だったと指摘した。これに上司によるパワハラも重なって適応障害を発症し、自殺につながったと結論付けた。

 

 遺族の代理人を務めている立野嘉英弁護士(大阪弁護士会)は「未経験業務を担う人をフォローし、相談しやすい職場を作っていくことは、従業員のメンタルヘルス対策として重視すべきだ」と話す。

 

 東和銀行は取材に「大変残念なことが起きたと受け止めています。労基署の調査結果を把握していませんが、ご遺族から連絡があれば、真摯(しんし)に対応してまいります」とコメントした。

 

 

 

銀行員が自殺
…異動先で未経験業務、怒鳴って叱責する上司「数字が上がらない」
 返事以外の発言がはばかられる環境、追い詰められた25歳 労災認定、
遺族「命を落とすまで数字を追わせるのでしょうか」

 

2024年5月8日() 9:31 埼玉新聞

 

 東和銀行(群馬県前橋市)の川越支店(埼玉県川越市)に勤務していた男性行員=当時(25)=が2017年に自殺し、川越労基署から労災認定されていたことが7日までに、関係者への取材で分かった。認定は昨年810日付。異動後の未経験業務に加え、日常的に強い口調で叱責(しっせき)されるなど上司によるパワーハラスメントにより心理的負荷が重なったとされる。

 

異動の息子死亡…不眠「抑うつ、適応障害」で休職、着任2カ月後に悲劇 父親「自死した」と明かす

 

 遺族の代理人弁護士によると、男性は174月に川越市の川越支店に異動し、法人渉外課に配属。その後、上司から日常的に「稟議(りんぎ)書作成が遅い」「企業分析が下手」「数字が上がらない」などと怒鳴られ、返事以外の発言をすることがはばかられる環境で仕事をしていた。また、同年5月ごろには顧客から会社として応じることができない無理な注文を受けていたこともあったという。

 

 追い詰められた男性は同月31日、出社せずに自殺。直前には「転勤して、問題ばかり起こしてしまい、皆さんにご迷惑をおかけしてしまっていることを非常に悩んでおりました」「その事を支店の中で、誰にも相談できず、どうにもならなくなってました」などとメモを残していた。

 

 遺族は「夢と希望を持って社会人になった息子が、自ら死を選択してしまったことは、ただただ悲しい。命を落とすまで数字を追わせるのでしょうか。そんな組織を変えてほしい」と訴えている。

 

 川越労基署は男性が同年5月ごろに適応障害を発病していたとして、許容される範囲を超える精神的攻撃を受けたと認定。代理人の立野嘉英弁護士は「若手行員の異動に伴う業務内容と経験・能力とのギャップや、相談しにくい職場環境による負荷も評価された」とし、「従業員のメンタルヘルス対策として、パワハラ防止は当然ながら、未経験業務を担う人をフォローし、相談しやすい職場環境や体制をつくっていくことも重視すべき」と指摘した。

 

 埼玉新聞の取材に東和銀行は「残念なことが起きたと受け止めている。遺族に対しては真摯(しんし)に対応したい」とコメントした。

 

■埼玉労働局、相談を受け付け

 

 埼玉労働局では、平日の日中、最寄りの労基署で労働環境などに関する相談を受け付けている。このほか電話相談窓口として「労働条件相談ほっとライン」(電話0120811610)=平日は午後5時~同10時、土日祝日は午前9時~午後9時=を開設。また、厚労省は勤労の悩みや精神衛生に関する電話相談窓口「こころの耳」(電話0120565455)=月・火曜は午後5時~同10時、土日は午前10時~午後4時=を設置している。

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