自覚ない「スメハラ」で仕事の意欲低下 企業に求められる対策は
2024年5月12日(日) 9:30 毎日新聞(宮川佐知子)
蒸し暑くなり、汗をかきやすい季節になってきた。自分の体の臭いを気にする人は多いのではないだろうか。職場では意図せず、周囲を不快にさせる嫌がらせ「スメルハラスメント」(スメハラ)になる可能性があるので注意が必要だ。
◇チームワークが低下することも
<スメハラがひどい人がいて頭がクラクラする。社長には「ガマンしてマスクしろ」と言われた>
<身だしなみは注意できるが、口臭や体臭は何も言えない>
X(ツイッター)には職場での臭いに悩む投稿が絶えない。
スメハラの原因は体臭や口臭のほか、香水、柔軟剤、ペットやたばこの臭いなどさまざまだ。加害者の多くは悪意や自覚もなく、パワハラやセクハラのように法律の規制はない。
企業の相談を受けている社会保険労務士の蓑田真吾さん(39)は「スメハラはチームワークの乱れや仕事の意欲低下に加え、離職をも招きかねない。困っている人は声を上げるべきで、会社の対策も重要です」と指摘する。
蓑田さんは企業の取り組みとして、ハラスメントのガイドライン作成やアンケートの実施、相談窓口の開設を挙げる。席替えや換気、空気清浄機の設置など、不快の原因となる臭いを防ぐことを勧める。
臭いは感じ方に個人差があることもあり、会社側が従業員に伝える際は注意が必要だ。当人を傷付けないように、周囲に誰もいない時に慎重な言葉遣いを心掛けることが大事だ。
体臭に関する指摘をきっかけに従業員の内臓疾患が判明したケースもあるといい、医療機関の受診を促すなど、伝え方も工夫したい。
◇68%が「他人の臭いが気になる」
新入社員向けの身だしなみセミナーを請け負っている大阪市の化粧品メーカー「マンダム」は今春、講習に体臭予防を盛り込んだ。依頼を受けた企業から「デリケートな話なので社員同士での指摘や助言が難しい」と要望されたためだ。
体臭を防ぐためには、朝晩にシャワーを浴びるか、起床時に寝汗を拭き取り制汗剤を脇の下に塗るなど、体を清潔に保つことが大事だ。日中に汗をかいた際は汗ふきシートなどで拭い、スプレータイプの制汗剤を使うことが効果的という。
2023年9月、20~50代の男女800人を対象としたマンダムのインターネット調査では、63%が「マスクのない直接対面が増える中で自分の臭いが気になる」とした。また、68%は「他人の臭いが気になる」と答えた。広報担当者は「自分や他人の臭いについての意識は今後、更に高まっていくだろう」と話している。
《カウンセラー松川のコメント》
迷惑な音は「騒音」、迷惑な臭いは「悪臭」と称されていますが、
これらは「個人の感想」の範疇に入っている物もあり、
画一的な規制が出来ません。
味覚にしても「美味しい」「不味い」は人それぞれなのと同様です。
特に源となっている当人は、慣れてしまっていたり、
良かれと思っているので、周囲に迷惑を及ぼしている自覚も薄いです。
「香水」と言う字面からは問題が起きる雰囲気がありませんが、
実際には「香害」と公害をもじった表現もあるくらいなので、
臭いに関しても感じ方は人それぞれなのが分かります。
それは体臭にしても同じです。
好き好んで体臭を発している訳でなければ、
その体臭を問題視されるのは、人権侵害に受け止められる可能性もあります。
今までは「お互い様」で済んでいた内容が、
権利意識の強まりと共に「私は我慢出来ない」「私は我慢したくない」も
増えてしまい、住みむ難い、生き難い世の中になっていくのでしょう。
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