2022年4月27日水曜日

日本棋院元役員の棋士のパワハラ認定判決 不適切接待に同席させる

日本棋院元役員の棋士のパワハラ認定判決 不適切接待に同席させる

 

2022年4月27日() 21:00 朝日新聞(大出公二)

 

 不適切な接待や部下へのパワハラについて、誤った認識で不当な処分を受けたとして、囲碁の公益財団法人・日本棋院元役員の棋士が、処分した日本棋院(小林覚理事長)を相手取って慰謝料1500万円の支払いを求めた損害賠償請求訴訟の判決が27日、東京地裁であった。桃崎剛裁判長は原告の主張を退け、訴えを棄却した。

 

 判決によると、元役員は、日本棋院常務理事だった201216年、韓国出張の際に取引先企業から性的サービスを伴う店で複数回の接待を受け、同席を望まない部下の男性を同席させて「面倒くさそうな顔するなよ」としかった。取引先の来日の際にも男性を接待の場に同席させ、数万円負担させることもあった。

 

 男性は日本棋院職員労組にパワハラを受けたと訴え、18年、同労組が棋院に告発。棋院は第三者を交えた調査を経て19年、元役員に厳重注意した。

 

 元役員は取引先との会食は「私的な関係に基づくものにすぎず、内容も問題視されるものではない」などと処分不当を主張したが、桃崎裁判長はこれを認めず、不適切な接待を受けたことと部下へのパワハラは「理事としての善管注意義務違反にあたる」として、棋院の処分は「是正措置として相当」と結論づけた。

 

 日本棋院の小島文男事務局長は「司法の良識なる判断が示されたと考えている」と話した。元役員は「不当な判決なので控訴する予定だ」と話した。


《カウンセラー松川のコメント》

パワハラの加害者が懲戒処分に対して異議を申し立てた訴訟なので
原告が加害者と言う形になっております。
さて、原告は「不当な判決」とのことですが、
原告の主張のとおりなら私的な関係に基づく接待にも関わらず
部下を無理矢理同席させたのならば、
パワハラが成立する可能性はあるでしょう。
また、被害者に対して接待費用を負担させているのも不自然です。
この点についての認否が不明なのでコメントは出来ませんが、
ニュースからは原告不利な状況と見受けられます。

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