2021年8月16日月曜日

「体力錬成」で救急隊員急死 都に経緯説明求め申し立て

「体力錬成」で救急隊員急死 都に経緯説明求め申し立て

 

2021年8月16日() 17:29 共同通信

 

 東京都の多摩消防署で20178月に救急隊員だった山崎勉さん=当時(50)=が急性心不全で亡くなったのは、「体力錬成」として上司が過度な運動を強いたためだとして、山崎さんの弟(51)が16日、都に経緯説明や約6900万円の賠償などを求める民事調停を東京簡裁に申し立てた。

 

 申立書などによると、上司が山崎さんの勤務態度に不満を持ち、個別に訓練を実施。暑い日中に防火服を着用したまま消防署の周りを走らせたり、階段の上り下りや腕立て伏せをさせたりした。山崎さんは訓練開始の約1時間半後に心不全を発症し、その後亡くなった。



※ 他にも別途記載の記事がありますので掲載致します

“炎天下に防火服でランニング”
 消防隊員死亡で遺族が調停申し立て

 

2021年8月16日() 22:49 東京MXテレビ

 

 東京消防庁・多摩消防署の職員が訓練中に死亡したことを巡って、遺族が経緯の説明などを求めて調停申し立てを行いました。

 

 申立人によりますと、死亡した多摩消防署の消防職員の男性は20178月、上司から「体力錬成」と名付けられた行き過ぎた訓練を強要され、死亡したと訴えています。消防職員は当時50歳で、「体力錬成」として炎天下に防火服を着てランニングや腕立て伏せを強いられたとしていて、東京簡易裁判所への調停申し立てでは東京都に対し、事故の経緯についての説明や損害賠償などを求めています。816日に会見した死亡した消防職員の弟の男性は「兄の後輩の人たち、あるいは若い人たちが安心して働ける職場になってもらえればと思います」と語りました。

 

 

 

真夏の屋外で「訓練」中に救急隊員死亡、遺族が調停申し立て
 東京都に説明や謝罪など求める

 

2021817(火)11:27 東京新聞(小倉貞俊)

 

 東京都の多摩消防署で2017年8月、救急隊員だった山崎勉さん=当時(50)=が訓練中に死亡する公務災害事故があり、山崎さんの遺族が16日、都に事故の詳しい説明と謝罪、損害賠償などを求める調停を東京簡裁に申し立てた。

 遺族の代理人によると、山崎さんは17年8月13日昼ごろ、上司から消防署に呼び出され、「体力錬成」の名目で、気温の高い屋外などで1人だけランニングや階段昇降、腕立て伏せなどを強要され、急性心不全を起こして夕方までに死亡した。この際、上司から怒鳴られたり、平手打ちをされたりしていたという。

 都庁で記者会見した代理人は「真夏の過酷な環境下で起きた、訓練には程遠いパワハラ」と指摘。山崎さんの弟(51)は「公務災害が認められた現在まで、都から説明がない。現場の職員が安心して働ける環境になるよう、この事故を広く知らしめたい」と訴えた。

 遺族の請求を受け、地方公務員災害補償基金東京都支部が20年10月、公務災害に認定していた。

 東京消防庁は取材に「調停申立書が届いておらずコメントは控えるが、当時の調査ではパワハラの事実は確認されていない」などとしている。


《カウンセラー松川のコメント》

今回は1事案に対し様々な内容があるので、3つの記事を紹介しております。
先ず、救急隊員に防火服着装で炎天下に運動をさせる
暑熱順化の様な訓練させる必要性があったのでしょうか?
また、勤務態度に不満を持った上司が個別に訓練させたとの訴えもあり、
私怨を晴らす為に過度の訓練を要求した可能性も否定出来ません。
そして、訓練中に平手打ちをされたとのこと。
暴力に及ぶ程の問題行動があったのでしょうか?
4年前の事案につき、拙ブログには記事掲載も無いですが、
今般の記事から事故概要は把握出来ます。
記事からは必要な訓練とは思えず、
また安全管理も蔑ろにされている様子が覗えます。
東京都や東京消防庁は人一人の無駄死に対して、
真摯な対応を採るべきでしょう。

御遺族の皆様へ
「兄の後輩の人たち、あるいは若い人たちが
安心して働ける職場になってもらえればと思います」
この言葉は良好な勤務環境構築として大切な思いです。
東京都と言う巨大な組織を相手にする訴訟ですので、
根気と体力が必要な大変な闘いですが、
どうか原告として最後まで頑張って欲しいと願っております。

4 件のコメント:

  1. 怒鳴られたり、平手打ちをされたりしたと書かれていますが、詳しくはわからないのですね。
    命を救うはずの方が被害者となってしまうのは、悔しい思いです。

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    1. 当時の記事を検索しましたが、私の方法では発見に至らずでした。
      訓練内容からすれば平手打ちが必要な緊急且つ危険回避を要する重大なミスは発生しませんし、平手打ちそのものが訓練には不要であり、明らかな暴力だと感じております。
      無能上司による訓練が原因で都民にとって貴重な戦力が1名亡くなったのは、重大な事件だと思います。

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  2. この記事について、その後の進展がどこにも確認ができず、遺族の思いを察すると胸が痛くなります。
    事故というより事件ではないか、その上司(ある筋で当時すでに直属ではないという話も耳にしました)の処分、再発防止の対策、状況が気になります。
    やはり、都、消防庁という大きな組織だと、うやむやにされてしまうのでしょうか。
    残念な気持ちでいっぱいですル

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    1. 調停は裁判と異なり、当事者と調停委員の他は非公開での開催につき、当事者が記者会見や報道発表をしない限りは、報道機関も後追い取材をしないでしょうから、第三者としてどの様な結果になったか分からないのが現実です。
      しかし、東京都が和解金等を支出すれば、本来は記録に残りますので、都議会の警察・消防委員会等での質疑があれば、そこから報道される可能性はあります。
      他には、都議会の議事録を閲覧したり、都議に尋ねるくらいしか情報収集の手段はないでしょう。
      その後の進捗や結果が分からない、報道の垂れ流し的な扱いも中途半端で、きちんと追跡報道して頂きたいものです。

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