2021年8月18日水曜日

被害教員の公務災害認定 学校での暴力や暴言原因、治療費給付 神戸教員間暴行

被害教員の公務災害認定
 学校での暴力や暴言原因、治療費給付 神戸教員間暴行

 

2021年8月18日() 14:00 神戸新聞(佐藤健介、長谷部崇)

 

 神戸市立東須磨小学校(同市須磨区)の教員間暴行・暴言問題で被害を受け、適応障害で一時療養していた男性教員(26)が、地方公務員災害補償基金に民間の労災に当たる公務災害と認定された。18日、関係者が明らかにした。学校での公務中に受けた度重なる暴力や暴言を原因とし、治療費が給付される。認定は2020年12月8日付。

 

 市教委によると、男性教員は採用1年目の17年、当時の校長から飲み会への参加を強要されるなどパワハラとみられる行為に直面。その後も家庭科室で激辛カレーを食べさせられるなどし、加害教員4人による悪質な嫌がらせに悩んだ。

 

 関係者によると、男性教員は19年春ごろから吐き気や睡眠障害、動悸(どうき)などが強く出るようになり、精神状態が悪化した。同年9月から仕事を休んで療養を余儀なくされ、同年11月に公務災害認定を申請。20年春から別の市立小学校で復職している。



※ 当該事件については記事がありましたので参考として掲載致します

羽交い締め、目に激辛カレー わいせつLINEを強要
 小学校の教員4人が同僚いじめ

 

2019年10月4日(金) 神戸新聞(佐藤健介)

 

 神戸市須磨区の市立東須磨小学校の20代男性教員が、同僚の先輩教員4人に暴行や暴言などのいじめ行為を昨年から継続的に受けていたことが3日、関係者への取材で分かった。加害側の教員たちは男性教員を羽交い締めにして激辛カレーを目にこすりつけるなどしたほか、男性教員の車を傷つけ、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で第三者にわいせつな文言を無理やり送らせるなどしていたという。

 

 男性教員は精神的に不安定になり、今年9月から休暇による療養を余儀なくされている。担任していたクラスには急きょ臨時講師が配置されている。

 

 関係者によると、加害側の教員は30~40代の男性3人、女性1人。LINEで別の女性教員らに性的なメッセージを送るよう強要。男性教員の車の上に乗ったり、その車内に飲み物をわざとこぼしたりした。

 

 また、コピー用紙の芯で尻をたたいて腫れさせ、「ボケ」「カス」といった暴言を頻繁に浴びせていた。男性教員は「羽交い締めにされ、激辛カレーを無理やり食べさせられたり、目にこすりつけられたりした」とも訴えているという。

 

 一連の行為について、同校の管理職は今年6月ごろ、別の複数の教員からの相談をきっかけに把握し、加害側の教員を指導。市教育委員会には、7月に「人間関係のトラブル」などと報告したとされる。

 

 9月になって市教委は、男性教員の家族から男性教員の状態について連絡を受け、事実関係の調査を始めた。被害の内容や時期、回数など詳細を確認した上で処分を検討するもよう。

 

 加害側の4人は10月に入って休んでおり、市教委は速やかに人事異動などで人員を補充する方針という。

 

 男性教員側は、処分内容や職場の改善状況を踏まえ、刑事告訴について検討するという。

 


※ 当該事件についての刑事告訴結果の記事を参考して掲載致します 

東須磨小・教員間暴行 加害元教諭ら4人起訴猶予

 

2020年3月27日(金) 神戸新聞

 

 神戸市立東須磨小学校(同市須磨区)の教員間暴行・暴言問題で、神戸地検は27日、被害者の男性教諭(25)に対する4件の暴行と強要の疑いで書類送検された、加害側の元教諭と現職教諭の計4人を起訴猶予処分とした。地検は「社会的制裁を受けている点や、被害者の意向を踏まえた」としている。

 

 起訴猶予になったのは、いずれも懲戒免職となったA元教諭(34)、B元教諭(34)▽停職処分の女性C教諭(45)▽減給処分の男性D教諭(37)。

 

 この日、地検の花崎政之次席検事が会見。起訴猶予処分にした理由について、4人が懲戒免職などの処分を受けている点と、被害教員が4人の処分に納得し、刑事事件についても早期の終結を希望している点を挙げた。認否については「差し控える」としたが、聴取では4人とも反省の態度を示していたという。

 

 一連の問題を巡っては、県警が2019年10月に被害届を受理し、任意で事情聴取。今年3月11日、4人を書類送検した。

 

 書類送検容疑は、A元教諭、B元教諭は2018年9月、同校の家庭科室で、被害教員の目元や口元に激辛カレーを塗りつけたり、羽交い締めにして激辛カレーを食べさせたりしたほか、4人で共謀し19年2月、家庭科室で激辛ラーメンと唐辛子を無理やり食べさせたなど、計4件の暴行、強要の疑い。

 

 一方、同市教育委員会が設置した外部調査委員会は今年2月、A元教諭のハラスメント行為として78項目、B元教諭で27項目を認定。市教委は同月、2人を懲戒免職とし、女性C教諭を停職3カ月、男性D教諭を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。

 

【起訴猶予】不起訴のうちの一つで、犯罪の証拠は十分にあり、裁判で有罪に向けての立証も可能だが、特別な事情に配慮し、検察が起訴しないこと。比較的軽い罪で、当事者が深く反省していたり、被害者と示談したりした場合に選択することが多い。同じ不起訴でも、犯罪の疑いはあっても証拠が十分でないため起訴を見送る「嫌疑不十分」や、犯罪の疑いがない「嫌疑なし」とは異なる。


《カウンセラー松川のコメント》

漸く、この見苦しい事件の行政としての終結を致しました。
加害者4名のうち2名は懲戒免職ですが、
残り2名は今も恥知らずに教諭として勤めているのでしょう。
こんな教員が居る様では、学校から虐めも無くならないでしょうね。

被害者の方へ
被害に遭われた上に、長きに渡りの対応お疲れ様でした。
ここで事件としては一段落を迎えると思いますが、
心の傷は治り難いこともあります。
これからも心身の不調や異変を感じられたら、
遠慮無く精神科や心療内科での診察を受けることをお勧めします。


神戸新聞では被害者教諭へのインタビューを記事化しております。
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 「『やめて』と言うと居場所なくなる」東須磨小・教員間暴行の被害教員インタビュー (mms119.blogspot.com)
要旨についても記事化されておりますので
それを以下に掲載致します。

「もう一度、先生として仕事したい」
東須磨小・教員間暴行の被害教員が心境語る

 

2020年4月29日(水) 神戸新聞(佐藤健介)

 

 神戸市立東須磨小学校(同市須磨区)の教員間暴行・暴言問題で、被害を受けた男性教諭(25)が、神戸新聞社のインタビューに応じた。繰り返された悪質ないじめに「居場所がなくなる気がして『やめて』と言えなかった」と当時の心境を振り返り、管理職に対し「気付いてほしかった」と述べた。今春に別の市立小で復職。学校再開を待ちわび、「子どもがつらい顔をしたら、真っ先に気付ける教師でありたい」と語った。

 

 激辛カレーを無理やり食べさせられるなど、男性教諭への加害行為は、認定分だけでも100項目以上。2017年の着任当初からエスカレートしていった経緯について、「最初から職員室の雰囲気はちょっと怖かった。(加害行為が進んでも)『やめてください』と強く言えなかった。つらいけど、つらくないそぶりをしてきた」と明かした。

 

 管理職は一部教員から被害を伝え聞いていたが、積極的に解決へ乗り出すことはなかった。「全員が見て見ぬふりをしていたわけではない。でも、校長先生に耳を傾けてほしかった」

 

 加害教員への思いについては明言を避けたが、「子どもの心の傷は計り知れない。先生がこういうことしていたら、子どもも『してええんかな』と思って当たり前」。教師という立場で、毅然とした態度を取れなかった自分も悔いた。

 

 一時は、教師を辞めようともしたという。「子どもたちから手紙や写真をたくさんもらった。『先生がんばれ。待ってます』って。自分が書いていた学級通信も子どもたちが作って、様子を伝えてくれて…。もう一度、先生として仕事したいと思った」

 

 4月に異動した小学校では、学級担任を任された。新型コロナウイルスで休校が続き、新しい教え子とはまだ会えていない。「会うのが楽しみ」と、家庭学習用の教材作りなどに励んでいる。

 

 終始、落ち着いた口調で語った男性教諭。いじめのない学校に向け、自らの経験から「簡単ではないけれど」としながら、「子ども一人一人と関わる時間を取り、小さな異変に気付きたい。笑顔で来られる学校を作っていきたい」と誓う。

4 件のコメント:

  1. これはほぼ犯罪ですね。「からかっただけ」とか「そんなつもりはなかった」だとか、色々言い訳を並べるのでしょう。本人が強く主張できないのをいいことに、やりたい放題ですね。加害者の処分、甘すぎると感じます。反省の態度を示した?そりゃあ誰でも一旦はそのような態度を見せるでしょう。自分が可愛いですからね。
    少なくとも子どもたちを教育指導する立場にいてもらいたくないです。
    被害に遭われた教員の方には、ゆっくり復職してご活躍頂きたいと願います。

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    1. 当然犯罪ですから刑事事件として立件されています。但し、起訴猶予となっているので、加害者4名は被告人となることは免れております。

      加害者の処分について、2名は免職なりませんでしたが、教諭としては極めて不適切な行為ですので、職務上から免職となって当然だと思います。
      この手の輩は処分が軽くなるのであれば、心に無い事でも何でもしますよ。
      後輩に平然と暴力を振るえる者が教育者になる資格はありません。この様な者に教わる児童も不幸です。何を教え込まれるか分かったものでありませんから。

      被害者の教諭は昨年春に復職されています。

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    2. 〈ノリと勢いで書いている三代目〉です。アカウント名通りノリと勢いで突っ走る私です。コロナ禍でいよいよ脳内がぐちゃぐちゃになったのか、熱中症で溶けたのか・・・。読み誤ってしまい大変ご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありません。

      犯罪として立件済みとのこと。ややほっとした思いです。また、被害に遭われた教諭の方も20年の春には復職されたとのこと。良かったです。

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  2. 立件はされたものの、起訴猶予処分なのが釈然としません。
    確かに、このまま起訴すれば審理に時間を要しますし、被害者として出廷しなければならないかも知れません。
    出廷するとなれば、嫌な事を思い出さざるを得ない点では起訴猶予もあるでしょうし、事件の長期化を嫌がる上司から被害者が因果を含まされた気もしております。

    どちらにしても、刑事事件としては終結し、被害者も復職されていらっしゃるので、あとは被害者が健やかに人生を送れれば良いのでしょう。

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