2021年8月18日水曜日

消防職員パワハラ自殺、元上司の降格取り消し 熊本県人事委

消防職員パワハラ自殺、元上司の降格取り消し 熊本県人事委

 

2021年8月18日() 10:03 熊本日日新聞(立石真一)

 

 熊本県の上益城消防組合消防本部の男性係長=当時(46)、山都町=が2019年5月、上司からのパワーハラスメントを訴えて自殺した問題で、県人事委員会が元上司に対する組合の処分を一部取り消す裁決をしていたことが17日、分かった。

 

 17日の組合議会で、管理者の奥名克美甲佐町長が報告した。裁決は11日付。

 

 組合は20年3月、男性の自殺と、当時消防司令だった50代男性によるパワハラとの因果関係を認め、停職6カ月の懲戒処分と2階級の降格処分とした。一方、元上司は20年5月、パワハラはなかったとして県人事委に審査請求していた。

 

 組合によると、県人事委はパワハラを認めた上で、「停職処分は妥当だが、降格処分は性急・拙速」と判断。地方公務員法に基づき、降格処分の取り消しは決定した。組合は降格によって生じた給与の差額を元上司に支払う。

 

 増田茂消防長は「降格処分が認められなかったのは誠に残念」と話し、元上司の代理人弁護士は「裁決内容を精査中」とコメントした。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ2021年2月5日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 消防職員自殺を労災認定、熊本 上司パワハラ被害、遺書で訴え (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
一旦は加害者に対して6か月の停職処分と2階級降格処分をしましたが、
加害者は「パワハラの事実は無い」として
この処分に不服で熊本県人事委員会に審査請求をした結果です。
人一人を自殺に追い込んでも停職処分だけで済むのですから
やはり日本は役人天国と言えるでしょう。
加害者は「パワハラは無かった」との主張して県人事委員会に
審査請求を出した様ですが、
結果として審査でもパワハラの存在は認められていますので
加害者の認識の甘さにも改めて呆れてしまいます。
人命を失わさせた上にパワハラを認識出来ない者に
上位階級者の資格はありません。
県人事委員会の人命に対する認識を伺いたいです。
そして、この様な者が今後も消防機関に上司として在籍するのは
組織内だけでなく管下全域住民の不幸でもあります。

2 件のコメント:

  1. 『停職停職処分は妥当だが、降格処分は性急・拙速」と判断』どうしてこのような判断ができるのでしょう。管理者として管理ができないのは不適切すぎますよ。増田茂消防長の残念な気持ちが通常の心理ではないでしょうか。このような者が管理者として存在する組織には居たくないですよね。またやるでしょうね、この方。

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    1. 「降格処分は性急・拙速」の意味が分かりかねますが、県人事委員会としては「これからもパワハラが原因での自殺者は出るだろうから、一人死んだくらいで降格をさせていたら他の機関に示しがつかない」と逃げの姿勢なのかも知れません。
      増田消防長の無念さは計り知れませんね。

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