2025年7月10日木曜日

女性教諭自殺、校長の過失認定 パワハラ対応怠る、宮城

女性教諭自殺、校長の過失認定 パワハラ対応怠る、宮城

 

2025年7月10日() 18:01 共同通信

 

 宮城県立高の女性教諭=当時(32)=が職場の男性教諭からパワハラを受け2020年に自殺した問題で、県教育庁は10日、検証報告書を公表した。男性教諭への指導や情報共有など適切な対応を怠った当時の校長ら管理職に「重大な過失があった」と認定した。

 

 検証は遺族からの要望を受け実施。報告書は、男性教諭が他の職員がいる会議の場で女性を執拗に問い詰めたり、「先生の私に対する態度は失礼だと思います」などと記した手紙やメモを女性の机に繰り返し置いたりした行為がパワハラに当たるとした。

 

 

※ 他社のニュースも掲載致します 

「会議に出ないで」パワハラで女性教師が自殺
 県教委が校長らに重大な過失があったと認定〈宮城〉

 

2025年7月10日() 19:27 仙台放送

 

2020年、宮城県立高校の女性教師が同僚の男性教師からパワハラを受けて自殺した問題を巡り、県教育委員会は7月10日、校長や教頭の対応に「重大な過失があった」などとする検証結果をとりまとめ、報告しました。

 

「管理職である校長及び教頭には、予見義務違反、結果回避義務違反が認められ重大な過失があったと評価」

 

この問題は、2020年、石巻西高校に勤める30代の女性教師が、同僚の当時59歳の男性教師から、「仕事は一切お願いしません。会議には出ないでください」と書かれたメモを机に置かれるなどのパワーハラスメントを受け、自殺したものです。

 

県教委がとりまとめた報告書の中では、当時の校長や教頭が「トラブルの発生を認知したにもかかわらず、結果回避に向けた対応をしているとは言い難い」とした上で、「重大な過失」があったと指摘しています。

 

また、再発防止に向けては、「当事者同士を速やかに引き離す」などの対応が必要だとしています。

 

男性教師への懲戒処分は、当時の基準などに基づき、「停職3カ月」でしたが、県教委はこの問題を受けて、「免職」の規定を追加しました。

 

県教委は女性教師の両親にも報告書を手渡していて、女性教師の両親は来週、会見を開く予定です。




「管理職の対応に重大な過失」宮城県教育委員会
 女性教諭のパワハラ自殺で検証まとめる

 

2025年7月10日() 19:02 東日本放送

 

 2020年に宮城県の県立高校女性教諭がパワハラで自殺した事案について、県教育委員会は高校の管理職の対応に重大な過失があったとの検証結果を取りまとめました。

 

 2020年10月、県立高校の30代女性教諭が50代男性教諭からのパワーハラスメントを理由に自殺を図りました。

 

 県教委は遺族の意向を受け、再発防止を目的に検証してきました。

 

 県教委担当者「パワーハラスメントの3要素を全て満たし、パワーハラスメントに該当するものであったと認定」

 

 検証報告書は、当時高校に在籍していた62人から聞き取りを行い作成しました。

 

 校長など管理職の対応に予見義務違反があり、重大な過失があったと言わざるを得ないなどとする検証結果が取りまとめられました。

 

 その中で、パワハラへの認識と理解を深めることや相談窓口の設置、セルフチェック実施などの再発防止策が盛り込まれました。

 

 

 

パワハラきっかけに高校教諭が自殺、県教委の検証が終了
…再発防止策を含む報告書 公表(宮城県)

 

2025年7月10日() 19:30 宮城テレビ

 

宮城県教委は、5年前に高校教諭がパワハラをきっかけに自殺した事案の検証が終了したとして、報告書を10日 公表しました。

 

これは、5年前 石巻西高校の30代の女性教諭が50代男性の主任教諭から「仕事は一切任せません」と書かれた手紙を渡されるなどのパワハラを受け、自殺したものです。

 

10日、県教委は、検証が終了し遺族からも一定の理解が得られたとして、会議で報告すると共に報告書をHPで公表しました。

 

報告書では、管理職の対応に重大な過失があったなどとする検証と、新任校長などにハラスメントに特化した研修や、パワハラに対する懲戒処分に免職を含めるとした再発防止策が、示されています。

 

10日の会議では、外部委員から「人格を否定することは絶対にいけないという姿勢を、県教委が定めるべき」といった意見が出されました。

 

この件とは別に、7年前 登米総合産業高校の当時1年生の男子生徒が、部活動の男性外部コーチに暴行やサルなどと暴言を吐かれる体罰を受けるなどして、転校を余儀なくされた事案についても報告されました。

 

報告書では、管理職による速やかな事実確認や保護者への対応が不十分だったと指摘し、学校側が外部コーチへの研修を徹底するなどの再発防止策を示しています。

 

 

 

「期待の若手」
有望な女性教諭に繰り返された“メモ”使ったパワハラ検証報告書で認定
「学校側に重大な過失」【メモの全文・画像】

 

2025年7月10日() 21:08 東北放送

 

202010月、宮城県立の高校で50代の男性教諭からパワーハラスメントを受けた30代の女性教諭が自殺した問題で10日、宮城県教育員会は「再発防止に関する検証報告書」を公表した。明らかにされたのは、優秀だった若手女性教諭に対し繰り返された「メモ」を使ったパワハラ行為と学校側の不十分な対応だった。

 

女性教諭は2017年度に宮城県教育委員会に採用され、その際、405人の代表として服務宣誓を務めている。同じ年に当該の県立高校に赴任。研修や勉強会にも積極的に参加するなど向上心をもって業務にあたり管理職からの評価も高かった。男性教諭も「期待の若手」として接していたというが、20203月から関係がこじれ、その後、パワハラ行為が始まり女性教諭を追い詰めていったと報告書は指摘している。

 

きっかけは20203月に行われた他県大学シンポジウムの報告だった。女性教諭の報告に対し別の教職員から「もう少しかみ砕いて伝えてもらえないか」と指摘があり、その際、男性教諭は女性教諭をフォローするつもりで「一般的に理解されている用語である」などと発言した。報告書に詳しい描写がなく詳細は不明だが、女性教諭は説明をさえぎられ、準備していた報告を予定通りできなかったという。後日、男性教諭は報告の流れをさえぎったことを女性教諭に謝罪。一方で「俺だって苦労して気を遣っている」などと述べ、女性教諭が謝罪する事態となった。その後、男性教諭による厳しい言動が増えていく。以下、主な言動をまとめた。

 

■女性教諭に対する「つるし上げ」 

202043:

男性教諭から、他の教職員たちに学習教材を運搬するよう指示が出されたが、女性教諭は別の作業があり参加できなかった。男性教諭は、女性教諭に対し指示に従わない憤りをほかの教職員が感じるほどあらわにした。

 

20205:

女性教諭は男性教諭から「保護者送迎の駐車用に職員駐車場を開放した際の職員の車の一斉移動に協力しなかった」「生徒の登校日に合わせて教室整備を呼びかけたが対応しなかった」ことを指摘される。女性教諭は自分だけが攻撃されたとストレスを感じた

 

2020529:

女性教諭は、自分がチーフの担当業務の打ち合わせを職員室で始める。女性教諭と男性教諭、別の教諭の3人が担当だったが、女性教諭は別の教諭との2人で打ち合わせを行った。詳しい理由はわからないが、女性教諭は、男性教諭が担当と知らなかった可能性、この時点で男性教諭を避けていた可能性が考えられる。

 

202061:

女性教諭は、男性教諭に相談せず、担当業務に関する生徒説明会を実施したい旨を教頭に相談。

 

202062:

男性教諭は、担当部長である自分が報告を受けていないことを女性教諭に指摘。このとき、女性教諭にだけ指摘し他の教諭には指摘しなかったという。女性教諭は謝罪したが、男性教諭は繰り返し指摘を続けた。この時、別室に移動した女性教諭は涙を流している。執拗に攻め立て詫びさせる行為は「つるし上げ」だと他の教諭たちは感じていた。しかし、男性教諭の立場が強いためか、他の教諭たちは止めに入ることができなかった。公開裁判のような雰囲気だった。この後、別の教諭が、男性教諭に対し「やりすぎではないか」と話すと男性教諭も理解を示した。男性教諭は、女性教諭との向き合い方を相談したという。

 

202063日以降:

校長や教頭の指示もあり、男性教諭は女性教諭と距離をとるため、職員室を離れ1階応接室で執務するようになる。この頃、女性教諭は男性教諭と廊下で出会うと飛びのいて避ける。男性教諭が生徒と話していると、脇を駆け抜けるなど、明らかに拒絶反応が出ていた。

 

■「話し合いがしたい」

2020612日、女性教諭の態度に我慢の限界を感じた男性教諭は、「話し合いがしたい」というメモを女性教諭の机に置く。悩んだ女性教諭は教頭に相談。教頭は「無理に応じる必要はない」と話す一方「男性教諭と全く接触せずに仕事をするのは難しい」とも伝えている。さらに女性教諭に「一度、休むことを検討したらどうか」と提案している。向上心や責任感の強かった女性教諭はこの提案をどう受け止めただろうか。決して前向きな気持ちにはならなかっただろう。実際、女性教諭は「学級担任として休むくらいなら退職する」と断っている。

 

女性教諭は「男性教諭の足音まで気になる」「存在を確認するだけで不安になる」などと教頭に相談している。信じがたいことだが、それにも関わらず翌日、女性教諭、男性教諭、別の教諭の3人で話し合いの場が持たれている。このとき、

 

男性教諭「仕事について直接話をすることは可能か?

女性教諭「直接話をすることは難しいです」

男性教諭「メモのやりとりはどうか」

女性教諭「それならできます」

というやりとりが交わされた。ここから「メモ」をつかったパワハラ行為が始まる。尚、メモを使ったやりとりについて当時、校長も教頭も容認している。しかも、メモでやりとりをすることを条件に男性教諭の席も職員室に戻されている。以下、具体的なメモの内容を記載する

 

■「メモ」によるパワハラ

2020627:

女性教諭の机の上に匿名の手紙が置かれる。「せんせいの態度ははたで見ていてもひどいと思いますよ」「残念な話しです」などと書かれていた。女性教諭はショックを受け泣いていた。

 

2020722:

女性教諭は別の教職員に「男性教諭からのメモが置いてあった。いらない。一切の接触を避けたい。存在が気持ち悪い」と打ち明けている。このとき女性教諭は「なぜ自分は生きているのか」などと話したという。

 

202081:

女性教諭は前日に男性教諭が置いた手紙を見て、取り乱し号泣する。長文の手紙には「私に対する態度が失礼だ」「あなたの代わりに仕事をしたのに礼も謝罪もない」「どれだけ私の顔に泥を塗ったら気がすむのか」「正直イライラする」などと書かれていた。

 

また日付は定かではないが「助手席側のテールランプ切れてましたよ」という業務と関係のないメモも男性教諭は置いている。「職務と関係のないところまで見られていることが無理です」と女性教諭は恐怖をあらわにしていた。この頃から、女性教諭は医療機関に通院している。

 

202085:

校長と教頭は、男性教諭を指導。メモを置くことをやめ、連絡がある際は教頭を通すように伝える。このとき男性教諭は「自分も苦しい」などと話していたという。ところが、男性教諭は指導された後、8月中も業務連絡のためメモを何度か置いている。自分の感情を抑えることができなかったのだという。

 

2020825:

女性教諭は、これまでの男性教諭からのメモを読み返して不安になる。

 

2020910:

女性教諭とやりとりしないと指示されていたにも関わらず男性教諭はまたメモを置く「日付入っていなかったので確認の上で入れました。気をつけてください」という内容だった。

 

2020925:

男性教諭はまた女性教諭の机にメモを貼り付ける「教科のファイルがもどってこないのですが…、対応してください」などと書いてあった。

 

2020930:

机にメモを貼り付ける。「私から業務の説明を受けるのは嫌だと思いましたので他の教員に依頼してあります」と書いてあった。

 

20209月下旬:

再びメモを貼り付ける。「先日は備考欄のミスについてメモをしました。昨日は書類のだし直しをしました。そういうことには先生はスルーなんですね」などと書かれていた。

 

20201022日の「メモ」

20201022:

仕事の仕方について指摘するメモが女性教諭の机に置かれている。「先生は自覚がない。仕事は一切お願いしません。後始末をするのはもうたくさんです。不愉快です」などと書かれた長文のメモは、女性教諭のこれまでの言動を書き連ね糾弾する内容だった。この翌日以降、女性教諭は自ら命を絶った。宮城県教育委員会は、調査をしたうえで、約33か月後の20242月、パワハラ行為を認定し当時59歳の男性教諭に対して停職3か月の懲戒処分を下した。

 

検証報告書では「男性教諭がメモを継続していたことに対し、校長や教頭は強く指導すべきだったのに実施していない」「コンプライアンス・チェックシートで問題を指摘する記述があったのに、聞き取り調査などが一切行われず校内コンプライアンス体制が機能していなかった」「校長と教頭は、女性教諭の対応を一部の教職員に任せており、対応に苦慮していたとは言え、十分ではなかった」そして、女性教諭は男性教諭に対し拒絶反応を示していたにも関わらず業務担当の変更など「引き離し」を実行しなかったことを校長、教頭の一番の問題だったと指摘している。そのうえで、学校側の対応について「重大な過失」があったと認定している。

 

検証報告書では、「パワハラを許さない意識を管理職の間で共有する」「コンプライアンス・チェックシートの適切な活用」「加害者・被害者が接触することのないようにする」「医師や弁護士など専門家とも情報共有して対応する」ことなどを再発防止策として掲げている。

 

2024年の男性教諭に対する停職3か月という懲戒処分に対しては「軽すぎる」との声が上がった。当時、懲戒処分にパワハラに関する規定がなく、停職処分に留まったという。その後、宮城県教委は規定を改正、パワハラに関して「免職処分」も可能とした。尚、懲戒処分が下された当時、男性教諭は「私自身二度とこのようなことがないよう決意しております」などとコメントしている。

 

 

 

パワハラ受け30代教諭自死、管理職にも「重大な過失」 報告書公表

 

2025年7月11日() 10:08 朝日新聞(大山稜)

 

 宮城県立高校の30代の女性教諭が、202010月に当時59歳の男性教諭からパワハラを受け自死した問題をめぐり、県教育委員会が10日、当時学校に在籍していた教職員62人から聞き取った調査報告書を公表した。男性教諭のパワハラを改めて認定し、両者を職場内で引き離すといった対応を怠った管理職にも「重大な過失があった」とした。

 

 報告書によると、206月ごろから、女性が自死する1023日までの男性教諭の行為がパワハラに当たると認定。女性教諭の机に「どれだけ私の顔に泥を塗ったら気が済むのですか」「自覚がないと思います。これから仕事は一切お願いしません」などと書いた手紙やメモを度々置き、業務上必要な範囲を超えて精神的苦痛を与えたとした。

 

 当時の校長と教頭ら管理職は男性教諭に対し、女性教諭にメモや手紙を出すことを禁じたものの、指導を徹底しなかったと指摘。男性教諭はメモ書きを繰り返し、自死の引き金になった。管理職は、すぐに両者を引き離すべきだったが実行せず、女性教諭がメンタル不全に陥った時に積極的に関与しなかったことも重大な過失だったとした。

 

 この問題をめぐっては、2210月に地方公務員災害補償基金県支部が男性教諭のパワハラが自死の原因だとして、公務災害に認定。県教委は242月、男性教諭を停職3カ月の懲戒処分とした。

 

 女性教諭の両親は県教委の調査内容に「娘に問題があったかのような誤解を与える」と第三者委員会による検証を要求。県教委は第三者委設置は断り、外部弁護士の監修の元で再調査していた。


《カウンセラー松川のコメント》

ハラスメントの被害者が自殺する。
確かにメンタルの強弱と言う個々の理由に因る所もあると思います。
しかし、人が死を選らぶ。特に社会人であれば、安易な理由ではありません。
相当に精神的な追い込みが有ったことは、誰にでも分かるでしょう。
ところが、報道によると、被害者が加害者を極端に避けていた様にも受け取れます。
被害者と加害者の関係が悪化した事も、加害者の多大な攻撃とは読み取れません。
逆に、そもそも加害者は被害者に寄り添っていた面もある程です。
あくまで、報道で知る限りですが、
被害者の加害者に対する拒否反応が一方的に増大し、
加害者に対して一方的に攻撃的な態度を執ることで、
加害者を刺激していたとも感じます。
被害者は繊細過ぎる為に、
自身の意に沿わない事を全て攻撃と受け止めていた感があります。
そうなると、被害者は常に追い込まれている間隔に
陥っても不思議ではありません。
「被害者は女性で加害者より若い」この状態が、
判断を誤らせた可能性は大です。
死者に鞭打つ気はありませんが、
被害者に対してもきちんと大人の態度が執れる様に指導するべきですし、
それを実行できるのは学校の管理職だったと感じております。
また、被害者と加害者双方一人にも関わらず、
加害者だけを別室で勤務させるのは
パワハラ「人間関係の切り離し」に該当する可能性があります。
被害者に寄り添うのは大切ですが、
事案内容によっては加害者を一方的に処分するのも問題です。
確かに、加害者に対して「被害者にメモも渡すな」と指示するも、
それを加害者が守らないのを看過したのは、組織や管理職として指摘されて当然です。
しかしながら、被害者の被害感情が正常範囲だったのか、
少なくても報道で知る限りでは、逸脱していると思います。
本件については、加害行為だけを追求するのではなく、
なぜ対立関係になったかのかも究明するべきです。


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