「本当のこと書かれているのか疑問」
女性教諭追い詰めた“パワハラ”教育委員会に遺族の両親が疑問
報告書に書かれていない内容とは
2025年7月18日(金) 6:02 東北放送
2020年に宮城県立高校の女性教諭が男性教諭のパワーハラスメントを受け自殺した問題で、女性教諭の両親は17日、tbcの取材に対し「県教委の検証報告書には納得していない」と語りました。両親の話からは報告書に記載されていない内容や食い違う証言が明らかになっています。
女性教諭の母親:「山の形をあらわすために、自分で作ったんだと思います」
女性教諭の母親が見せてくれたのは、手作りの山の模型。女性教諭は地理が専門で、生徒に分かりやすく教えることをいつも真剣に考えていたと言います
女性教諭の父親:
「教師を天職のように思っていた。子どもたちの役に立てるんだという思いが、本人にとってはやりがいのある仕事だった。とても残念です」
宮城県立高校に勤務していた30代の女性教諭は2020年10月、同じ職場の50代の男性教諭から受けたパワハラが原因で自殺しました。
女性教諭の母親:
「教育は大切だと思う。その教育の現場でこういうことが起きてしまっている」
女性教諭の両親は、パワハラがあった事実に加え県教育委員会の調査や学校側の対応にも疑問を深めています。
■「娘さんはそううつ病です」
宮城県教育委員会によりますと女性教諭は、2020年6月から10月にかけて男性教諭から「自覚がない」「不愉快」などと書かれたメモを机に置かれるパワハラ行為を受けていました。校長と教頭も問題を認識しながら2人を引き離すなどの対策をとらず、県教委は重大な過失があったと認定しています。また、2020年9月、校長と教頭は女性教諭の両親の自宅を訪れ、こう話したといいます。
女性教諭の母親:
「娘さんは感情の起伏が激しく泣いたりすることもある。娘さんはそううつ病ですと断定されました。娘は私たちの前で大泣きすることはなかったし、違うのではないかと話しましたが受けれてくれなかった」
このとき、教頭は家に来たことは女性教諭に伝えていないため「内緒にしてほしい」などと言われ、疑問を感じたといいます。これらのやりとりは県教委の報告書には記載されていません。
また、2020年9月3日、報告書には女性教諭が泣きながら担当業務をしていたと記載されていますが、何があったのかは書かれていません。
女性教諭の父親:
「娘(女性教諭)が前日につくった時間割変更の掲示板を加害教諭が前の晩かその日の朝に書き換えたんです。文化祭の日です。自分が作った掲示板を変えられたので後始末をしなくてはならなくなった。何という仕打ちだと思ったのではないか」
ほかにも、6月には女性教諭の机に「態度がひどい」などと糾弾する匿名の手紙が置かれていましたが、校長は「教頭からの報告で知っていた」と話す一方、教頭は「私は知らない」と話すなど証言に食い違いも見られると両親は訴えています。
■提訴も検討
女性教諭の父親:
「これまで色んな先生から(個別に)報告や話を聞いているが、(県の報告書で)取り上げてもらえないことがたくさんある」
女性教諭の母親:
「(報告書を)作ってもらったことは評価しているが、本当のことが書かれているのか疑問を持つような報告書なのできちんとした形で報告してほしかった」
両親と弁護士は、宮城県に対する提訴を検討しているということです。
女性教諭の母親:
「学校などでパワハラで亡くなる人がいなくなると良いなと。みんなが幸せな気持ちで生活できると良いなと。私たちのような思いをする人がいなくなってほしい」
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