さいたま市立中学の元校長が元教頭に「恥かかせんじゃねえ」と罵倒
…地裁がパワハラ認定、市に賠償命令
2024年11月1日(金) 15:34 読売新聞
勤務校の校長からパワーハラスメントを受けて適応障害を発症したとして、さいたま市立中学校の元教頭の男性(52)がさいたま市に慰謝料など約921万円の支払いを求めた訴訟の判決が10月30日、さいたま地裁であった。田中秀幸裁判長は訴えの一部を認め、市に約482万円の支払いを命じた。
訴状などによると、男性は2021年4月から同校に教頭として勤務。22年4月に赴任してきた元校長(60)に「俺に恥かかせんじゃねえ」「教頭の仕事を全く分かっていない」などと言われたり、校長室に呼びつけられて長時間叱責(しっせき)されたりした。男性は同年5月頃に適応障害などの診断を受け、その後、市教育委員会から休職を命じられ、23年9月に退職した。
判決は、校長が絶対的な上下関係のもと、男性を執拗(しつよう)に追及したり、罵倒したりしたとパワハラを認定。調査を行った市教育委員会がパワハラを認めず、配置転換や懲戒処分を行わなかったことが男性の精神的苦痛を増大させたとした。
判決を受けて、市教委の竹居秀子教育長は「判決文を精査し、今後の対応を検討する」とコメントした。
恥かかせるんじゃねえ…校長異様、教頭を精神疾患にさせる
1文字ミスで1時間叱責、頻繁に大声で威圧…めまいし教頭休職
市に賠償命令
今は校長教頭でない2人
…当時調査した教委「パワハラない」と説明していた
2024年10月31日(木) 8:23 埼玉新聞
さいたま市立大宮東中学校で2022年、当時の校長の男性(60)のパワーハラスメントにより適応障害などを発症し、休職せざるを得なくなったとして、元教頭の男性(52)が市を相手取り、慰謝料など約920万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、さいたま地裁であり、田中秀幸裁判長は市に約480万円の支払いを命じた。
訴状などによると、元校長は入学式のしおりの1文字のミスについて「恥をかかせるんじゃねえ」と約1時間にわたり叱責するなど、校長室や職員室で男性に頻繁に大声で叱責。男性は耳鳴りやめまいの症状を訴え、適応障害と診断され休職した。
判決理由で田中裁判長は、元校長が「高圧的、威圧的な対応で、絶対的な上下関係が形成された」と指摘。過度な叱責や人格の否定などが「パワハラに当たる」とし、さいたま市に損害賠償責任があると認定した。
判決によると、男性は元校長から短期間で集中的にパワハラを受けたことなどで、メニエール病や適応障害を発症。パワハラの影響により、男性の4月期の時間外在校時間は75時間増となっていた。
男性側の弁護士は取材に詳細に関する説明は避けつつ、「主張がある程度認められた」とコメントした。
証人として出廷した男性の元同僚は「校長は教頭に負担の大きい研究発表を一からやり直すよう命じるなど、明らかに異様だった。校長が赴任するまでは元気だったのに、(パワハラで)弱っていく姿を見るのはつらかった」と振り返った。市教委に実情を訴えたものの、「パワハラはない」という調査結果の報告を受けたとして、「裁判で事実が認められたので、改めて市教委に説明を求めたい」と話した。
さいたま市の竹居秀子教育長は「判決文を精査し、今後の対応を検討する」とコメントを発表した。
《カウンセラー松川のコメント》
「叱責をするならば他者の居ない所で」
この様な説明をされている有識者もいらっしゃいますが
私は1対1の叱責は危険性を孕んでいるので
注意が必要であり万能な策ではなと考えております。
・言った言わないの水掛け論になる
・叱責側がヒートアップし易い
・パワハラに至ってしまう時に誰も制止や注意喚起出来ない
この様な事があるからです。
そして、今般の訴訟では被害者の元同僚が証人となり、
原告の状況を証言したのも大きな助けであったと思います。
仕事のミスを叱責するのは上司として当然の行動ですが
そこには叱責の内容と叱責方法のバランスが必要です。
加害者はそのバランスを欠くどころか、
バランスさえも考えずに私怨の様な言動であったと感じました。
被害者の方へ
最近流行の「〇〇ガチャ」。
当に「上司ガチャ」で一番のハズレを引いてしまったのでしょう。
もう、運の悪さ以外の何物でもありません。
典型的なパワハラと言うより、もう虐めの世界だと感じました。
メンタルヘルス不調になりながらも、
自死に至らず本当に良かったと思います。
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