兵庫知事のパワハラ「おおむね事実」多数 百条委の報告書案判明
2025年2月18日(火) 21:32 毎日新聞(中尾卓英、栗田亨)
兵庫県の斎藤元彦知事らがパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会調査特別委員会(百条委)の報告書の素案がまとまり、パワハラが指摘された事例について「おおむね事実」としたことが県関係者への取材で明らかになった。告発文の存在を知った斎藤氏らが告発者捜しをしたことについても、「公益通報者保護法に違反」との評価が大勢を占めた。ただ、一部会派に異論もあることから協議は継続し、3月上旬の最終報告を目指す。
告発文は県西播磨県民局長だった男性が2024年3月、斎藤氏のパワハラを含む七つの疑惑を告発する文書を一部報道機関や県議に匿名で配布した。間もなく県の調査で男性が特定された。元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報者保護法の対象外と判断。5月になって元局長を停職3カ月の懲戒処分とした。元局長は7月に死亡した。
県議会は6月、百条委を設置。斎藤氏をはじめ、県幹部や職員らの証人尋問を実施したほか、専門家から法的な評価を聞き取るなど、調査を進めてきた。
素案は、調査で明らかになった事実関係について、各会派の評価を集約。その結果、斎藤氏が職員らを強く叱責するなどしたことについて、「パワハラの可能性がある」との見解が多数を占めた。告発者捜しや懲戒処分についても、公益通報者保護法に違反するとの評価が主流となった。
一方、県議会第2会派・維新の会県議団は、斎藤氏擁護の立場からパワハラなどの認定に否定的な見解を示しており、最終報告の取りまとめに向けて協議が続けられる。
斎藤知事パワハラ「おおむね事実」
百条委報告書素案「告発者特定は違法」 反対意見も付記 兵庫
2025年2月19日(水) 7:30 神戸新聞(前川茂之、金 慶順)
兵庫県の告発文書問題を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)の調査報告書の素案が18日、判明した。議会関係者への取材で分かった。斎藤元彦知事のパワハラ疑惑は「おおむね事実と言える」と記載。文書で指摘されていた疑惑を調査せずに作成者を特定した県の対応は「公益通報者保護法違反と考えられる」と評価した。一方、第2会派の「維新の会」(21人)の反対意見や慎重論も付記した。
素案は百条委の奥谷謙一委員長が各会派の意見を取りまとめ、18日の協議会で示した。各会派は持ち帰った上で改めて意見を述べ、次回会合で修正案が示される。早ければ3月上旬にも確定させ、同日開会した県議会定例会の会期中に提出することを目指す。
告発文書では知事のパワハラ疑惑として「出張先で公用車を降り、20メートル歩かされただけで職員をどなり散らした」などと指摘。素案は職員証言から「文書内容はおおむね事実。知事の言動、行動はパワハラ行為とみなされる可能性がある」とした。これに対し、維新会派は「高度な法的知識を必要とする認定は困難。司法判断によるべき」との見解を示している。
公益通報については違法性を指摘した上で、作成者の元西播磨県民局長(昨年7月に死亡)を停職3カ月とした懲戒処分を撤回し、名誉を回復するよう提言。「公益通報に該当するか強い疑念が生じたケースで、通報者の探索を行ったことが違法とまでは断定できない」との維新の意見も記された。
百条委員会報告書案でパワハラ疑惑「おおむね事実」
斎藤知事「コメント控える」
2025年2月19日(水) 18:21 産経新聞
斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題を調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)の調査報告書案の内容が判明したことを受け、斎藤氏は19日の定例会見で、正式な報告書が提出されていないため「コメントは差し控える」と述べた。
報告書案は、各会派の意見を踏まえた「統合案」として18日の協議会で示された。報告書は、県議会2月定例会会期中の3月上旬にも提出される見通し。
関係者によると、報告書案では、斎藤氏の職員に対するパワハラ疑惑について「おおむね事実」と記載しているほか、告発者の県幹部を懲戒処分とした県の対応を公益通報者保護法に「違反と考えられる」と指摘している。処分を巡る対応については、昨年3月下旬の記者会見で告発者を公表したことについて「告発者潰しと捉えかねない不適切な対応」とした上で、「不利益処分を撤回し、告発者の地位回復を行うこと」と提言した。
これに対し、斎藤氏は19日の会見で、一般論と前置きした上で、「(処分に)不服があれば処分された方が人事委員会に申し立てをし、そこでも不服があれば裁判になる」と述べた。
【解説】兵庫・斎藤知事の告発文書で百条委の報告書素案が判明
告発者の特定は「違法」と指摘し、懲戒処分の撤回を提言
/N党立花氏へ”黒幕文書”渡した疑惑、岸口県議「軽率だった」
2025年2月19日(水) 18:46 朝日放送
兵庫県の斎藤元彦知事の複数の疑惑を告発した文書を巡る問題で、百条委員会がまとめる調査報告書の素案が明らかになりました。「知事のパワハラはおおむね事実」「公益通報者の特定は『違法』」と記しています。
調査報告書の素案判明 今後、内容変更の可能性も
百条委員会は18日、非公開の協議会を開き、各会派の意見をまとめた調査報告書の素案を示しました。
パワハラについて斎藤氏はこれまで「業務上必要な範囲で指導や注意をしてきた」と主張していましたが、素案では、執務室や出張先で職員に強い叱責をしたことは事実として評価。「パワハラに近い不適切な叱責があったと言わざるを得ない」「規範を示す立場である行政のトップとして信じがたい発言で、パワハラのすべてに相当する可能性がある」と指摘しています。
そのうえで、風通しの良い職場環境が確立できているか定期的に検証する仕組みを取り入れることを提言しています。
公益通報者保護法違反も指摘 「第三者に委ねるべきだった」
素案では、公益通報者保護法違反の疑いについて「(去年)3月27の会見で県民局長の職を解き、通報者を公表したことは告発者潰しと捉えられかねない不適切な対応だった」と県の初動を問題視しました。
告発者の特定に動いた県の対応は「公益通報者保護法違反と考えられる」として、調査は当事者(斎藤知事や片山元副知事)が関与せずに、県以外の第三者に委ねるべきだったと指摘。「告発者の懲戒処分を撤回して地位回復を行うこと」を提言しました。
ただ、統合案はあくまで議論のたたき台で、維新からは反対意見も出ているため、調査報告書の内容が今後変更される可能性もあります。
”黒幕文書”めぐる疑惑で維新が岸口県議を調査 近く報告書をまとめる方針
一方で、斎藤知事が再選した去年の知事選挙をめぐり、新たな疑惑も浮上しています。
百条委の副委員長を務める維新の岸口実県議が「斎藤知事の失職の黒幕は竹内元県議」などと書かれた文書を、NHK党の立花党首に提供したというものです。立花党首はこの文書を「岸口県議からいただいた」と発言していました。
竹内元県議は百条委の元メンバーで、知事選をめぐるネット上の誹謗中傷などを理由に県議を辞職し、その後死亡しました。自殺とみられています。
調査を進めてきた維新の幹事長は19日、この疑惑をめぐって近く報告書を出す方針を示しました。
(維新・岩谷良平幹事長)「文書を立花さんに渡すであろうことも分かりながら、その場に実際に同席したと。本人としては自分が手渡したという風に言われても反論のしようがなく、軽率だったと反省していると述べられた」
維新は立花党首からも聞き取りを行い報告書をまとめ、20日以降に処分権限のある県支部・兵庫維新の会に判断を委ねるとしています。
斎藤知事「コメントは差し控えたい」
パワハラ疑惑は『おおむね事実』 百条委の報告書案に記載
2025年2月19日(水) 19:20 読売テレビ
パワハラが指摘された事例は「おおむね事実」。
百条委員会が取りまとめた「報告書案」で、そう評価された兵庫県の斎藤元彦知事は19日…。
兵庫県・斎藤元彦知事
「百条委員会から正式な報告書が提出されていない段階ですので、コメントは差し控えたいと思います」
これまで、「パワハラかどうかは、百条委員会が判定すること」などとして、評価を控えていましたが、今日も言及を避けました。
斎藤知事がパワハラなどの疑惑を告発されてから、3月で1年。疑惑が浮上してから、告発者や元県議までもが亡くなった一連の問題は、百条委員会が報告書をまとめる段階に入りました。
「公用車を降りてから約20m歩かされ、職員を怒鳴った」などと告発されたパワハラ疑惑などについて、報告書案では…。
(百条委・報告書案による)
『パワハラに近い不適切な叱責があったと言わざるを得ない』
「執務室や出張先で職員に強い叱責をしたことは事実」と評価。告発文書の内容は「おおむね事実であったと言える」としました。
去年7月に亡くなった元県民局長の男性が作成した告発文書についても…。
(百条委・報告書案による)
『外部公益通報に当たると考えるべきである』
通報した男性を「公務員失格」と非難し、職を解いたことは「告発者つぶしと捉えられかねない不適切な対応であった」と指摘。
告発者を特定したことは「公益通報者保護法」に違反するという評価が大勢を占めました。
ー方で、パワハラの認定には「高度な法的知識が必要」で「認定が困難」とする意見もあり、報告書の内容は今後大きく変わる可能性があるということです。
百条委員会は、3月上旬の報告書提出を目指しています。
パワハラ疑惑「おおむね事実」斎藤知事の調査報告書
2025年2月19日(水) 19:33 テレビ朝日
兵庫県知事のパワハラ疑惑を「おおむね事実」としていることが分かりました。
百条委員会は18日、協議会を開き、調査報告書の素案が示されました。
議会関係者によりますと、素案では斎藤知事のパワハラ疑惑について「おおむね事実」とし、「パワハラに近い不適切な叱責(しっせき)があった」と指摘しました。
また、告発文書を作成した元局長に対する県の対応は「不適切な対応だった」とし、「懲戒処分を撤回して地位回復を行うこと」を提言しています。
兵庫県 斎藤元彦知事
「百条委から正式な報告書が提出されていない段階でのコメントは差し控える」
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