2025年2月26日水曜日

▼議員が「なんだとこの野郎」と罵倒 市長パワハラに揺れる市で市議も

議員が「なんだとこの野郎」と罵倒 市長パワハラに揺れる市で市議も

 

2025年2月26日() 11:55 朝日新聞(滝沢隆史)

 

 市長による市職員へのパワハラが認定された秋田県鹿角市で、今度は市議による職員へのパワハラが疑われる言動が明らかになった。市議会が実施した職員へのアンケートで、回答した職員の約1割がパワハラやパワハラ的な言動を受けたり見聞きしたりした、とする調査結果が26日に公表された。

 

 アンケートは市職員273人を対象に1月末から2月中旬に庁内システムを使って匿名で実施し、237人が回答した。うち27人(11.6%)が、パワハラについて「ある」(11人)か「目撃した」(16人)と答えた。

 

 報告書には、具体的な内容もあった。「電話で『いますぐ現場に来い。大至急だ』と威圧された」、「突然激高し大声で『なんだと、この野郎』と罵倒された」など、市議の高圧的な言動を指摘する回答が多かった。ほかにも「身体的な特徴を話題にして侮辱された」「誤った情報を活動報告のチラシやSNSで発信され、精神的な苦痛を感じた」「無理な物品販売」との回答もあった。

 

 市議の言動が業務に与えた影響についても聞いた。「職員が萎縮し、職場環境が悪化する」「特定の議員に対応するのが怖い」「若手職員が否定され、若手職員が市役所から離れてしまう」などの指摘があった。

 

 同市では、関厚市長について、市の第三者委員会が1月、職員に対し「霞が関では、誰かが責任を感じてJRに飛び込んだり、ビルの上から飛び降りたりする」と発言したなど、計12の言動についてパワハラと認定した。これを受けて市議会は市長の不信任決議案を可決。関市長はこれに対し、2月に議会を解散した。

 

 第三者委の調査に先立ち、市が昨年7月に実施した市長のパワハラについて尋ねる職員へのアンケートで、「一部の議員からむちゃな要求や恫喝(どうかつ)をされた」とする市議についての回答もあったことから、市議会が対応を協議。市議会は同9月、議員の任期満了が近いことを理由に調査しないことを決めたが、市民から「自分に甘い」との批判を浴び、今年1月に一転して調査を決めた。

 

 議会解散で失職した前議長の中山一男氏は「市民からの要望があったにしても、威圧的な言動は許されない。第三者委による調査などの対応については新しい議会で取り組むことになる。今回の調査結果について市民に分かりやすく報告するべきだ」と話した。

 

 アンケート結果については、市議選(39日投開票)後の新議会が対応を協議する。報告書は市のホームページで公開している。



※ 他社のニュースも掲載致します

「俺が呼んでるんだから今すぐ来い」
…秋田・鹿角市議のパワハラ的言動、市職員への調査を公表

 

2025年2月27日() 17:47 読売新聞

 

 秋田県の鹿角市議から市職員へのパワーハラスメント的な言動について、職員を対象に実施した調査報告書が26日、市のホームページで公表された。「パワハラまたはパワハラ的な言動を受けたか」の問いに、「ある」または「目撃したことがある」と27人(回答者の11・6%)が回答した。

 

 調査は全職員273人を対象に匿名で実施。237人が回答し、回答率は86・8%だった。

 

 具体的な内容は、各課窓口や執務室、電話などで「高圧的な態度で苦情や要望を話した」「情報不開示の結果に対し、どう喝ともとれる態度」「電話で『今すぐ現場に来い』と威圧した」など。「無理な物品販売」や「コロナ禍に、議員活動と称して連絡もせずに学校に訪問し、現場を困惑させた」といった迷惑行為も寄せられた。

 

 市議のパワハラ問題は昨年9月、市議選前には調査しない方針だったが、市民からの批判で一転して今年1月、市議会で調査することを決めた。関厚市長のパワハラ事案から不信任可決、議会解散に至り、3月2日に市議選が告示される直前での公表となった。

 

 職員の意見には、「市民の声がなかったらどうしていたのか」「職員を下に見ないで対等であるべきだ」「早く落ち着いて仕事がしたい。そうでなければ退職も考えたい」という声もある。

 

 議会解散で失職した中山一男前議長は「今の時代、パワハラは許されない。特別委員会で調査するのか、第三者委員会を設けるのか、新しい議会で報告書の取り扱い対応を協議することになる」と話した。


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