【速報】菊池広域連合に8370万円賠償命令
上司パワハラで男性自殺 熊本地裁判決
2025年10月8日(水) 17:29 熊本日日新聞
菊池郡市2市2町を管轄する菊池広域連合消防本部の男性係長=当時(47)=が2020年4月に自殺したのは男性上司のパワーハラスメントが原因として、合志市の遺族が広域連合に約1億1800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁(川崎聡子裁判長)は8日、上司のパワハラと自殺との因果関係を認め、8370万円の賠償を命じた。
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24時間勤務明け“反省会”や叱責…パワハラ認め約8370万円支払い命じる
消防職員の自殺めぐる損害賠償訴訟
2025年10月8日(水) 19:17 熊本朝日放送
熊本県の菊池広域連合消防本部の男性係長の自殺は、先輩職員のパワハラに原因があったとして遺族が損害賠償を求めた裁判で、熊本地裁は、およそ8370万円の支払いを命じました。
この裁判は、2020年4月、菊池広域連合消防本部の通信指令課の男性係長が、先輩職員からのパワハラを理由に自殺したとして、遺族が菊池広域連合に損害賠償を求めています。
8日の判決で、熊本地裁は、24時間勤務明けの男性の自宅での反省会と称した業務指導や、業務中に頻繁に電話し、業務知識に関するクイズに答えられないと強く叱責するなどの行為は、強度の心理的負荷を与え、業務上の指導で許容される範囲を逸脱しているとして、自殺との因果関係を認め、およそ8370万円の賠償を言い渡しました。
菊池広域連合は「司法の判断を受け止め、精査したうえで対応を考えていく」としています。
■「パワハラ」相談件数は増加
職場においてのパワーハラスメントと呼ばれる行為は、労働施策総合推進法で定義付けられています。
厚生労働省が示す指針では、同僚の前で叱責するといった精神的な攻撃や、叩いたり蹴ったりする身体的な攻撃などが該当します。
全国の窓口に寄せられている相談は、年々、増加。2024年度は7万429件と、2年前と比べておよそ2万5000件増えています。
また、2024年度、精神障害での労災支給が認定されたのは1055人で、原因で最も多かったのは「上司などからのパワハラ」だったということです。
厚生労働省は、我慢したり無視したりすると事態をさらに悪化させてしまう可能性があるとして、会社の相談担当者や信頼できる上司に相談し、それでも対応してもらえなければ、近くの総合労働相談コーナーへ連絡してほしいとしています。
消防本部の係長自殺、パワハラとの因果関係を認め8400万円賠償命令
…24時間勤務後に「反省会」など
2025年10月9日(木) 10:36 読売新聞
菊池広域連合消防本部(熊本県菊陽町)の男性係長(当時47歳)が2020年に自殺したのは上司のパワハラが原因だとして、遺族が同本部を運営する菊池広域連合に約1億1800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁(川崎聡子裁判長、代読・平井健一郎裁判長)は8日、自殺とパワハラの因果関係を認め、同連合に約8400万円の支払いを命じた。
判決によると、上司は1998~2019年頃、24時間勤務を終えた男性に「反省会」と称して、数時間にわたる業務指導を行った。19年頃には担当外の台帳整理を指示するなどした。男性は20年1月にうつ病を発症し、同年4月19日に自殺を図って救急搬送され、9日後に亡くなった。
地裁は「上司の言動は社会通念上許容される範囲を逸脱している」と指摘。上司の言動による心理的負荷の影響でうつ病を発症したとして、自殺との因果関係を認めた。
同本部は「判決文を精査の上、今後の対応を検討する」としている。
24時間勤務後に『反省会』を20年も
上司のパワハラ認め熊本・菊池広域連合消防本部へ
8370万円あまりの支払い命じる判決【パワハラ自殺】
2025年10月12日(日) 11:01 テレビ熊本
5年前、菊池広域連合消防本部に勤めていた当時47歳の男性が、上司のパワハラを苦に自殺した問題をめぐり、遺族が消防本部に約1億1850万円の損害賠償を求めている裁判の判決。熊本地裁は10月8日に「消防本部は安全配慮義務に違反していた」などとして8370万円あまりの賠償を命じた。
24時間勤務後に上司から自宅で長時間指導
訴えを起こしているのは菊池広域連合消防本部に勤めていた男性(当時47)の遺族。
判決などによると、男性は1998年ごろからの約20年間、『反省会』と称して24時間の勤務明けに、上司から自宅で長時間にわたる指導を受けたり、担当ではない業務を指示されたりして2020年1月にうつ病などと診断され入院。
約3カ月後に職場に復帰したが再び入院し自殺した。遺族は菊池広域連合消防本部の安全配慮義務違反を訴え、約1億1850万円の損害賠償を求めていた。
「上司の言動は社会通念の範囲を逸脱」
10月8日の判決で熊本地裁の川崎聡子裁判長は「上司の言動は強い心理的負荷を与えるもので、社会通念上許容される範囲を逸脱し、消防本部は安全配慮義務に違反していた」として、計8370万円あまりの支払いを命じた。
この問題をめぐっては、第三者調査委員会が自殺とパワハラの因果関係を認め、公務災害に認定されている。消防本部はTKUの取材に対し「司法の判断を真摯に受け止め、判決内容を十分に精査したうえで、今後の対応について検討する」としている。
《カウンセラー松川のコメント》
拙ブログ2023年10月4日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 消防でのパワハラ自殺損害賠償裁判 被告は争う姿勢示す
これの続報です。
第一審では、原告の勝訴と言えましょう。
約1億1,000万円の請求に対して、約8,370万円が認められたのは、
原告としては不服かも知れませんが、損害賠償請求で満額は認められ難いので、
請求額の75%近くが認められたのは大きな収穫と言えましょう。