2025年10月24日金曜日

うつ病発症後に自死、上司からは「自宅で長時間指導」も 菊池広域連合消防本部に損害賠償の支払いを命じた判決確定

うつ病発症後に自死、上司からは「自宅で長時間指導」も
 菊池広域連合消防本部に損害賠償の支払いを命じた判決確定

 

2024年10月24日() 10:57 熊本放送

 

パワハラ被害を訴えて自ら命を絶った男性の遺族が菊池広域連合に損害賠償を求めた裁判で、熊本地方裁判所が損害賠償の支払いを命じた判決が確定しました。

 

菊池広域連合消防本部に勤めていた男性は、自宅に押し掛けた上司から長時間の指導を受けたり、業務外の仕事をさせられたりしたことが原因でうつ病を発症し、2020年に自ら命を絶ちました。

 

これを受け、男性の遺族が「安全配慮義務を怠った」として損害賠償を求めて提訴し、熊本地裁は108日、上司の言動と自殺の因果関係を認めて、広域連合に8300万円あまりの支払いを命じていました。

 

その後、原告と被告のいずれも控訴しなかったため、1023日判決が確定しました。

 

 

※ 他社のニュースも紹介致します 

消防職員パワハラ自殺で賠償命令判決確定 菊地広域連合

 

2025年10月25日() 13:29 熊本日日新聞(志賀茉里耶)

 

 菊池広域連合消防本部の男性係長=当時(47)=が自殺したのは男性上司のパワーハラスメントが原因として、熊本県合志市の遺族が広域連合に損害賠償を求めた訴訟は23日、8370万円の賠償を命じた熊本地裁判決が確定した。被告、原告とも控訴しなかった。

 

 広域連合(連合長・吉本孝寿菊陽町長)は24日、「ご遺族に改めて深くおわび申し上げる」などとの談話を出した。全職員対象のハラスメント研修や管理職研修の強化、外部専門家による相談窓口の充実などを柱とした再発防止策も挙げている。同連合は「職員一人一人が安心して働ける職場環境の整備に全力で取り組む」とした。

 

 判決によると、男性は19982019年ごろ、上司から夜勤明けに自宅で長時間の業務指導を受けたり、担当外の膨大な仕事をさせられたりした。上司のパワハラと自殺の因果関係を認めた。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ10月8日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 【速報】菊池広域連合に8370万円賠償命令 上司パワハラで男性自殺 熊本地裁判決
これの続報です。
原告から約1億1,850万円の請求に対して、支払額8,370万円の一審判決。
加害者に対して懲戒処分を科したとは言え、一人が亡くなっているのですから、
損害賠償請求と言う金銭解決手段を求められて当然のことです。
しかも、消防本部が設置した第三者委員会で
加害者からのパワハラと自殺の因果関係を認めている以上は
組織としての管理監督責任が発生して当然でしょう。
被告である消防本部は答弁書の中で訴えを退けるよう求めていますが、
これにより被告は3,000万円以上の節約が出来た訳です。
しかし、パワハラによる自殺が無かったことになる訳ではなく、
被告による控訴があれば、減額より増額の判決が出る可能性は大きいです。
よって、被告が控訴をしなかったのは法廷闘争としては正解です。

御遺族の皆様へ
請求額から3割減の判決は決して納得出来るものではないでしょう。
しかし、控訴することで時間と手間を要しても、
それに見合う物が得られる保証は全くありません。
それよりも、一審判決を妥当と受け止めることで、
「原告は金銭獲得が目的ではない」と言うことを証明出来たと言えましょう。
裁判も終了しましたので、これからは心穏やかに過ごされる事を祈念しております。




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