2024年7月8日月曜日

▼ウポポイ職員への差別的言動「許さない」 運営団体が対応方針を公表

ウポポイ職員への差別的言動「許さない」 運営団体が対応方針を公表

 

2024年7月8日() 18:00 朝日新聞(上保晃平)

 

 公益財団法人「アイヌ民族文化財団」(札幌市)は6月、民族や人種、国籍を理由とする職員への差別的言動(レイシャル・ハラスメント)への対応方針「ウアイヌコ(小書きのロ)宣言」を公表した。同財団が北海道白老町で運営する「民族共生象徴空間」(ウポポイ)では、来場者からのレイシャル・ハラスメントが問題となっていた。

 

 ウアイヌコ●(小書きのロ)宣言は、アイヌ語で「尊敬し合う」という意味があり、「個人や民族の尊厳を損なう差別や嫌がらせなどのレイシャル・ハラスメントを許しません」と明記する。

 

 レイシャル・ハラスメントにあたる可能性のある言動としては、アイヌ民族であることを理由とした侮辱的、否定的な言動▽近代化の過程でアイヌ民族が差別され、貧窮した歴史的事実の否定▽アイヌ民族が先住民族であることの否定▽ルーツを勝手に公表したり問いただしたりすること――を例示している。無意識の場合も含め、ささいな言動で相手を傷つけてしまう「マイクロ・アグレッション」への注意も促す。

 

 同財団はポスターをウポポイ園内に掲示して宣言の周知を図るほか、職員への実態調査も行う。担当者は「職員の健康と安心して働ける職場環境を実現するため、財団として毅然(きぜん)とした態度を表明した」と説明する。

 

 昨年に来日した国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会は、ウポポイ職員へのレイシャル・ハラスメントを懸念する声明を出していた。

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