JR東海の社員自死、「自主的」な活動を残業と認定 高裁で逆転判決
2026年4月24日(金) 18:00 朝日新聞(松本江里加)
JR東海の米原電力所(滋賀県米原市)の社員だった男性(当時22)の自死をめぐり、福岡県内に住む遺族が労災保険法に基づく遺族補償と葬祭料の不支給処分を取り消すよう国に求めた訴訟の控訴審判決が24日、福岡高裁であった。
松田典浩裁判長は月80~100時間を超える残業を認定。自殺は業務に起因する労災と認定し、不支給処分を取り消すよう国側に命じた。
高裁判決によると、男性は2016年に入社。連続した夜勤や、業務改善提案のための社員間の自主的活動とされていた「QC活動」などで、17年6月中旬ごろから残業時間が月80時間を超えた。同年7月下旬までは月100時間を超えた。男性は遅くとも同年8月上旬ごろに適応障害を発症し、同26日に自殺した。
一審・福岡地裁判決はQC活動を自主的・自発的参加を前提としたもので、残業時間に当たらないとしていた。一方高裁は、QC活動はJR東海の社員の約9割が参加するもので、業務との連続性や一体性があると指摘。若手は参加を事実上強制されることがあるとし、「事実上の命令の下でした事業活動に類する」として残業時間を認定した。
また、上司に残業時間を実際の時間より短く申告するよう注意されるパワハラ行為や、飲み会で先輩社員に酒をかけられる嫌がらせを受けるなどの出来事が近接して生じたことで、強い心理的負荷が認められるとした。
原告で男性の父親(58)は取材に対し、「うれしい判決。(JR東海は)働き方を是正してもらい、手本となるような企業になってほしい」と話した。
被告の彦根労働基準監督署は「判決内容を確認していないため、コメントを差し控える」。JR東海は「訴訟の当事者ではないのでコメントする立場にはない。引き続き社員1人ひとりが安心して働ける職場環境整備に取り組んで参ります」とコメントした。
自殺したJR東海社員の遺族が労災保険不支給処分の取り消し求めた裁判
高裁が残業・上司のパワハラによる労災と認定
不支給処分取り消す逆転判決
2026年4月24日(金) 20:30 RKB毎日放送
JR東海で勤務し自殺した男性の遺族が、労働者災害補償保険法に基づく遺族補償一時金を支給しないとした国の処分を取り消すよう求めた裁判で福岡高裁は、24日、1審の福岡地裁の判決を取り消し、遺族の訴えを認める逆転判決を言い渡しました。
この裁判は、滋賀県にあるJR東海の施設で勤務し自殺した男性の父親が、労働者災害補償保険法に基づく遺族補償一時金などを支給しないとした彦根労働基準監督署の処分を取り消すよう求めたものです。
1審の福岡地裁で訴えを退けられた遺族側は、判決を不服として控訴していました。
24日の判決で福岡高裁(松田典浩裁判長)は自殺は残業や上司のパワーハラスメントなどに起因する労働災害だったと認定。
遺族側の訴えを退けた1審判決を取り消したうえで、労働者災害補償保険法に基づく遺族補償一時金などを支給しないとした彦根労働基準監督署の処分を取り消す、逆転判決を言い渡しました。
彦根労働基準監督署は「判決内容を確認していないためコメントを差し控える」としています。
JR東海の男性社員、自殺前の残業時間は月80~100時間超
…福岡高裁が1審判決取り消し労災認定
2026年4月24日(金) 21:10 読売新聞
JR東海の男性社員(当時22歳)が2017年に自殺したのは長時間労働が原因だとして、福岡県に住む父親(58)が、労災と認めなかった彦根労働基準監督署(滋賀県)の処分の取り消しを国に求めた訴訟の判決が24日、福岡高裁であった。松田典浩裁判長は、請求を棄却した1審・福岡地裁判決を取り消し、労災と認めた。
高裁判決によると、男性は新幹線の電気系統を管理する電力所に勤務していた17年8月上旬に適応障害となり、同月26日に自殺した。
高裁は、地裁が労働時間と認めなかった社内サークル活動について、「参加が事実上強制されていた」と時間外労働と認め、自殺前の残業時間は月80~100時間超だったと認定。上司によるパワーハラスメントも認め、自殺は労災だと結論づけた。
判決後、同労基署は「判決を確認していないため、コメントは差し控える」とした。JR東海は「社員が安心して働ける職場整備に取り組んでいく」とした。
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