宝塚劇団員急死で浮かんだ課題
精神科医が提唱する過労やパワハラを防ぐ意外な「処方箋」
2024年10月26日(土) 19:00 産経新聞(藤井沙織)
昨年9月、宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組劇団員の女性=当時(25)=が急死した問題では過重労働やパワーハラスメントが心理的負荷となった一方、劇団員を守るはずの歌劇団の管理責任が問われた。歌劇団は劇団員の活動時間や健康状態の管理、相談体制を強化したが、「声」が上がらない限り、管理者側が個々の心身状態を把握するのは容易ではない。働く人々の心身を守るには企業側、労働者側は何に留意すべきか。職場のメンタルヘルスに詳しい精神科医の渡辺洋一郎氏に尋ねた。
厚生労働省の「過労死等防止対策白書」によると、「勤務問題」を原因・動機とする令和5年の自殺は2875件に上り、うち「仕事疲れ」は709件。過労自殺は「弱い人間のすること」という認識が根強いが、渡辺氏は「疲労困憊(こんぱい)に陥れば、誰だって精神状態は鬱になる」と指摘する。過労で鬱病になると「この状況から逃げたい」と、短期間で衝動的に自殺を図るケースが多いという。
過労を巡っては労働時間の長さが注目されがちだが、「拘束時間が業務として必要な時間だと納得できなければ、人は強いストレスを受ける」と話す。
いじめやパワハラが起きやすい環境のポイントとして挙げたのは、閉鎖性▽上下関係▽集団心理-の3点。閉鎖的な空間では指導の仕方が攻撃的になりやすい。また、組織内で力のある人に依存する小集団が生まれると、集団に属さない人を攻撃することで、仲間意識を高めるようになるという。渡辺氏は「まずは閉鎖的にしないことが重要」とする。
企業にはパワハラの相談窓口の設置が義務付けられており、カウンセリングルームを常設しているところもある。ただ、本人が相談しようと自ら動かなければ、心身の不調とその原因には気付けない。
渡辺氏が提唱するのが「定期的なアンケートの実施」だ。体調や気分、睡眠の質などを尋ね、結果に応じて専門医が面談するシステムにし、話す機会を作る。「これが意外なほど効果的」だという。
本人が体調の変化に気づくきっかけにもなる。だが心療内科や精神科には抵抗を感じる人が多い。渡辺氏は「気になることがあれば気軽に受診してほしい。最低でも、疲れているのに眠れない、または一時的にも楽しめない状態が1週間以上続いたら、すぐに病院へ」と強調した。
《カウンセラー松川のコメント》
虐めの被害者である子供が親に伝えられないのと同様に
パワハラの被害者も他者に伝えにくいのは根底が同じだからです。
子供が親に「心配させたくない」「虐め被害は恥ずかしい」
その一心で我慢をしています。
社会人も「家族に心配をさせたくない」
「大人が虐められてるなんて恥ずかしい」
加害者はそこを突いて来ているとも言えます。
だから、大人も子供も全社会的に
「虐め(パワハラ)は加害者が全面的に悪い」
「虐め(パワハラ)を見て見ぬふりをするのも加害者と同罪」
これを常識化する必要があります。
また、虐めやパワハラの被害が積み重なると
メンタルヘルス不調に至ることもあります。
「メンタルヘルス不調になったらカウンセラーや専門医へ相談を」
これは建前論で、メンタルヘルス不調は徐々進行するので、
本人が気が付かない場合も多く、
周囲の人の「あの人、いつもと違う」この気づきも重要です。
そして、本人は気が付いたりしても、
今度はカウンセリングや診療は嫌がります。
だから「カウンセリングや診療を受けるのは恥ずかしい事ではない」と
周囲が本人を守って、理解させ、同行する様にして欲しいです。
コメントが長文になりましたので、大切な事を再度書き込みます。
・虐め(パワハラ)は加害者が全面的に悪い
・虐め(パワハラ)を見て見ぬふりをするのも加害者と同罪
・カウンセリングや診療を受けるのは恥ずかしい事ではない
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