鎮西高校の教職員らパワハラや長時間労働訴え「最後の手段」
2024年10月11日(金) 19:14 熊本朝日放送
熊本市の鎮西高校の教師や職員が、パワハラや長時間労働を訴え第三者の介入を含めた環境改善を求めました。
「社会に向けた内部告発は最後の手段です。学校にとっても大きなダメージがあります。それでも、この状況にブレーキをかけるのはこの手段しかありませんでした」
会見を開いたのは、熊本市中央区にある鎮西高校に勤務する野球部元監督や教師ら4人です。
元監督の江上寛恭さんは2022年、野球部の強化方針などの話し合いの場で、学校を運営する法人の幹部から「野球だけして野球で勝て」「勝てない部活に金は出せるか」などと大声で罵声を浴びせられ、その後、監督を解任されたとしています。
指導方針を否定され、精神的苦痛を受けたとして、パワハラだと主張しています。
適応障害やPTSD=心的外傷後ストレス障害を発症して休職し、パワハラを主張して熊本労働基準監督署に労災を申し立て、労基署は長時間労働での労災を認定しました。
パワハラについては、法人幹部に対し損害賠償を求める訴訟を提起しましたが、一審の熊本地裁は法人幹部の発言について「意見などを述べたもので人格非難に及ぶものではない」などと訴えを退けました。判決を不服として控訴しています。
江上さんは、医師から復職が可能との診断を受け、今年2月に復職の希望を伝え、現在は自宅待機を命じられている状況です。
また、教師の森奈美さんは、適正な役職や職場環境を与えられないなど、不当な扱いを受け体調不良や不眠に陥ったと主張しています。
4人は、これまで繰り返し対応の改善を求めてきたが、是正されなかったとして、第三者の介入を含めた環境の改善を求めました。
一方で学校側は、KABの取材に対し、元監督の長時間労働については「勤務簿の記載と実際の勤務時間との間にかい離がある」と反論しています。
また「復職は認めたがフラシュバックなどケアする必要があり、安全配慮の観点から適切な職種を検討中で、給与を支払い、自宅待機とすることにした」としています。
そのほかのパワハラの訴えについては「パワハラの訴えがあり、必要があればハラスメント委員会を開くが、そのような事案はこれまで出てきていない」と話しています。
「勝てない野球部に金を出せるか」鎮西高校元監督がパワハラ訴え
学校側は「激励だった」
2024年10月11日(金) 18:58 熊本県民テレビ
甲子園にも出場した熊本市の鎮西高校が、野球部の監督解任をきっかけにしたパワハラ問題で揺れています。
■鎮西高校元野球部監督
江上寛恭さん
「今まで一生懸命やってきた部分を踏みにじられたと言いますか、
全否定されたっていうことがいちばんつらかった」
こう話すのは、鎮西高校野球部の監督として2014年のセンバツでチームを甲子園に導いた江上寛恭さんです。江上さんたち教職員が訴えたのは、二つの高校を運営する鎮西学園の勝目康裕理事長によるパワハラです。
江上さんによりますと、おととし5月に勝目理事長から「勝てない野球部に金を出せるか」などと言われ、12月には監督からコーチに配置換えされたということです。江上さんはPTSD・心的外傷後ストレス障害と診断され翌年から休職し、今年復職しましたが、現在も自宅待機を命じられたままだということです。
これについて、鎮西高校は、勝目理事長の発言は監督への激励だったといいます。
■鎮西学園
枝國智一事務局長
「理事長の言葉を借りますと『激励である』と。鎮西高校の野球部は大事な存在ですので、しっかり活躍してもらいたい、実績を残してもらいたい、何とか上向きにしてもらいたいという思いが、そういう言葉になったと」
また、監督からコーチへの異動は、野球部の指導をめぐって江上さんが暴力を振るったなどの問題が熊本県から指摘され、調査した結果だとしています。
■鎮西学園
枝國智一事務局長
「暴言があったということと暴力、有形力の行使ということがあった」
これに対して江上さんは、部員への暴力は一切なかったとしています。
■鎮西高校元野球部監督
江上寛恭さん
「何もなかったのになぜ降格ですかと食い下がりましたが、県からの調査があったこと自体が問題で、何らかの処分をしないといけないという理由でした」
江上さんは労働基準監督署に労災を申請し、先月長時間労働があったとして労災が認められたということです。また、江上さんは勝目理事長からパワハラを受けたとして、賠償を求める裁判を起こしましたが、1審では敗訴し、現在控訴しています。
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