2024年10月2日水曜日

▼自衛隊パワハラ死亡訴訟、2審で賠償額30倍の6720万円…教官「お前のようなやつは殺してやりたいくらい」

自衛隊パワハラ死亡訴訟、2審で賠償額30倍の6720万円
…教官「お前のようなやつは殺してやりたいくらい」

 

2024年10月2日() 20:38 読売新聞

 

 陸上自衛隊西部方面隊の男性陸士長(当時22歳)が教官らのパワーハラスメントが原因で自殺したとして、両親が国などに計約8100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が2日、福岡高裁であった。新谷晋司裁判長は「自殺は予見可能だった」として、国に計220万円の支払いを命じた1審・熊本地裁判決を変更し、賠償額を計約6720万円に増額した。

 

 判決によると、陸士長は2015年10月5~6日、当時長崎県にあった西部方面混成団第5陸曹教育隊で教官らから胸ぐらをつかまれたり、「お前のようなやつは殺してやりたいくらい」と暴言を吐かれたりした。陸士長は翌7日、隊舎内で自殺。18年、適応障害発症による自殺として公務災害認定を受けた。

 

 

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陸自パワハラ自殺 控訴審判決 国に約6700万円支払い命じる【熊本】

 

2024年10月2日() 20:41 テレビ熊本

 

陸上自衛隊に所属していた男性が自殺したのは当時の教官のパワハラが原因として遺族が国などに損害賠償を求めた控訴審の判決です。

 

福岡高裁は国に対し約6700万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

 

この裁判は、2015年に陸上自衛隊第5陸曹教育隊の男性自衛官が自殺し、遺族が「原因は当時の教官2人のパワハラにある」と主張。

 

国などに、約8100万円の損害賠償を求めていたものです。

 

一審の熊本地裁は訴えの一部認め、国に220万円の支払いを命じましたが、遺族はこの判決を不服として控訴していました。

 

2日の控訴審判決で、福岡高裁の新谷 晋司 裁判長は「教官2人の違法な指導が原因で男性が自殺に至ったことは予見可能だった」と指摘。

 

また、「指導と自殺には相当因果関係があると認められる」などとして、国に約6700万円の支払いを命じました。

 

判決を受け、弁護団は会見を開きました。

 

【板井 俊介 弁護士】

「地裁で認められなかった死亡に対する(国の)責任を真正面から認めたという意味で「逆転勝訴判決」と評価していいと思う。今、現場で苦しんでいる人たちへの

励ましにもなるし、国の上官に対する管理の在り方についても大きな影響を及ぼす(判決)」

 

男性の遺族は、「息子の死について国に責任があると認めたことは評価したい。しかし、教官の責任が認められなかったことは、同じようなことがまた起きるのではないかと非常に心配している」とコメントしています。

 

一方、陸上自衛隊は「今後の対応については判決内容を慎重に検討し、適切に対応したい」としています。

 

 

 

陸自いじめ22歳死亡
 高裁判決で国の賠償「増額」220万円から約6700万円に 福岡高裁

 

2024年10月2日() 19:13 熊本放送

 

「陸上自衛官の息子が自ら命を絶ったのは、教官によるパワハラが原因」だとして、男性の両親が国などに損害賠償を求めた裁判で、福岡高裁は熊本地裁の判決を変更して賠償額を増額する判決を命じました。

 

この裁判は2015年、陸上自衛隊西部方面隊(熊本・東区)で、当時22歳の男性自衛官が教官2人から「殺してやりたい」などの暴言を受け、胸ぐらをつかまれるなどのパワハラを受けた結果、自殺したとして、両親が国と教官2人に計約8100万円の損害賠償を求めていました。

 

2022年の熊本地裁判決ではパワハラの一部を認める一方、自殺の予見可能性は認めず国に220万円の支払いを命じ、遺族が控訴していました。

 

102日の福岡高裁での判決で、新谷晋司(しんたに しんじ)裁判長は、「男性は強い心理的負荷を受けていて自殺を予見できた」として、国に約6700万円の支払いを命じました。

 

判決を受けて男性の母親は「国の責任を認めて救ってくれたことは評価したい」とコメントし、西部方面隊は「判決内容を慎重に検討して適切に対応する」との談話を発表しました。

 

 

 

教官が「殺してやりたい」と暴言や暴行
 男性自衛官が自殺 二審は国の責任認める判決

 

2024年10月2日() 18:49 熊本県民テレビ

 

自衛官だった男性が教官から嫌がらせや暴行を受けて自殺したとして、両親が教官2人と国を訴えた裁判で、二審の福岡高裁は2日、自殺に対する国の責任を認め、国に6700万円あまりの賠償を命じました。

 

2015年に遺書を残して自殺したのは、陸上自衛隊第5陸曹教育隊に候補生として所属していた当時22歳の男性です。この裁判は、男性が自殺したのは教官2人から嫌がらせのほか、「殺してやりたい」との暴言や暴行を受けたことが原因だとして、両親が教官2人と国に8100万円あまりの賠償を求めているものです。

 

一審の熊本地裁は指導と自殺の因果関係を認め、国に220万円の支払いを命じました。しかし、指導が短時間だったため「自殺は予見できなかった」として、死亡に対する国の責任は認めなかったことから、両親が控訴していました。

 

2日の判決で福岡高裁は、違法な指導により男性が受けた心理的負荷は強く、自殺に至ることは予見できたとして、国に6700万円あまりの支払いを命じました。教官2人の責任については退けました。

 

■原告の代理人弁護士 板井俊介弁護士

「地裁で認められなかった死亡に対する(国の)責任を真正面から認めたという意味において、逆転勝訴判決と評価して良い」

 

判決を受けて男性の母親は、「息子の死について、国に責任があることを認めて救ってくれたことについては評価したいと思います。若い命が散ることのない世界を示してもらいたく思います」とコメントしました。

 

陸上自衛隊西部方面総監部は、「判決内容を慎重に検討し、関係機関と十分調整した上で、適切に対応して参ります」とコメントしています。

 

【スタジオ】

防衛省と自衛隊での相次ぐハラスメント被害の背景に、組織の特性があると考えられています。

 

防衛省の有識者会議は、隊員の環境が「厳しい教育訓練や長期的な集団生活」に置かれ、適正な指導とパワハラの区別にズレが生じること、隊員同士の関係はよく家族に例えられ、「家族だから許される」という認識を生じさせかねないことを指摘しています。

 

パワハラの増加は、自衛隊だけではありません。熊本労働局によりますと、昨年度、熊本県内のパワーハラスメントの相談件数は794件で、上司から怒鳴られたり、威圧的な態度をとられたりするケースが多いということです。

 

 

 

陸自パワハラ自殺訴訟 国に6700万円賠償命令 福岡高裁

 

2024年10月2日() 18:01 毎日新聞(志村一也)

 

 陸上自衛隊西部方面隊(熊本市)の男性陸士長(当時22歳)が2015年に自殺したのは、教官からのパワーハラスメントにより適応障害を発症したことが原因として、両親が国などに計約8100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は2日、教官の安全配慮義務違反のみを認めて国に220万円の賠償を命じた1審・熊本地裁判決(221月)を変更し、賠償額を6722万円に増額した。新谷晋司裁判長は「違法な指導と自死との間には因果関係があると認められる」と判断した。

 

 男性は長崎県内の教育隊に派遣中だった15107日に自殺した。

 

 1審判決は、自殺する直前の151056日、教官が男性を指導中に「お前のようなやつは殺してやりたい」などと発言したことは不適切で安全配慮義務に違反しているとした一方、2日間の指導で適応障害を発症し自殺することまでは予想できなかったと判断。自殺との因果関係を認めなかった。

 

 これに対し高裁は、「適応障害によっても自死が起こる危険性は高い。(男性の)心理的負荷は強度だった」などとする医師の意見を踏まえて違法な指導と自殺の因果関係を認め、賠償額を大幅に引き上げた。国側は「男性個別の心理的要因も自殺に寄与した」などと訴えたが、高裁は「指導を受けるまで男性の体調や精神の状態に特段の異常はなかった」などと退けた。

 

 男性側の代理人弁護士は「違法な指導が2日間という極めて短い期間でも、国の責任を認めた先例的な価値のある判決」と評価。男性の母親は「若い命が散ることのない世界を示してもらいたい」と求めた。

 

 陸自西部方面総監部広報室は「判決内容を慎重に検討し、適切に対応したい」とのコメントを出した。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ2022年1月28日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 陸上自衛官 自殺裁判 原告側が控訴【熊本】 (mms119.blogspot.com)
これの続報です。

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