心の病で労災申請、兵庫県内で過去最多 23年度122件
「パワハラ相談、年々深刻に」
2025年5月12日(月) 7:30 神戸新聞(千葉翔大)
過重労働やハラスメントによって精神疾患を発症したとして、兵庫県内で労災を申請した件数が2023年度に122件あり、都道府県別の公表を始めた06年度以降で最も多かったことが、厚生労働省のまとめで分かった。兵庫では増加傾向が続き、10年前から7割近く増えた。自死を選ぶ事例もみられ、強い心理的な負荷を感じる職場環境が改めて浮き彫りとなった。
うつ病など、精神疾患を巡る県内の申請件数は18年度に初めて100件を超え、近年は120件前後で推移している。都道府県別にみると、23年度は東京、大阪、愛知などに続き、兵庫県は8番目に多かった。
申請件数が増加する一方、業務上疾病として、労災保険の給付が決まった労災認定は31件。うち2件は自殺(未遂を含む)に至ったケースだった。
全国では、23年度の申請件数3575件、労災認定件数883件はともに過去最多。認定された労災の原因の内訳は都道府県単位で公表されていないが、全国集計では「パワーハラスメント」が157件で最多だった。また、23年9月には、精神疾患による労災の認定基準が改正。カスタマーハラスメント(カスハラ)が原因項目に追加されるなど、心理的な負荷の原因についても多様化している。
過労死問題などに取り組むNPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」(神戸市中央区)の西山和宏事務局長は「パワハラ行為の相談は年々、深刻になっていて、長時間労働も是正されていない。仕事で失われた命は取り返しがつかないと、社会に訴え続ける必要がある」と指摘している。
《カウンセラー松川のコメント》
2023年度なので、俗に言う「コロナ明け」の頃でしょう。
新型コロナウィルスの流行や過度の予防から、
人びとの心が荒んだり、コミュニケーションが疎遠になったりで、
ハラスメント被害やそれに伴う心身の不調の増加も続いていた時期です。
また、このコロナ禍の4年間程は、学校でも休校や団体活動の自粛があり、
団体行動について体験しない時期から直接に社会人となった方も多く、
その影響も少なくないと思います。
被害者対策とは別に、あと数年間は動向を注視する必要もあるでしょう。
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