2022年10月18日火曜日

「カスハラ」対応、各社急ぐ 任天堂は規定に明記

「カスハラ」対応、各社急ぐ 任天堂は規定に明記

 

2022年10月18日() 18:34 産経新聞

 

顧客からの暴力や迷惑行為など「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対策を取る企業が増えている。任天堂は19日から、製品の修理サービス・保証規定に「カスタマーハラスメント」の項目を追加し、カスハラに認定される行為があった場合は「交換や修理を断る可能性がある」と明記した。百貨店やホテル、鉄道会社でも、社内でガイドラインをつくるなど対応を急いでいる。

 

任天堂の規定はカスハラを「社会通念上相当な範囲を超える行為」として「脅迫や侮辱、過剰なサービス提供の要求、SNS(交流サイト)上での誹謗(ひぼう)中傷」などを列挙。「悪質な場合は警察や弁護士に連絡し対処する」としている。担当者は「従業員も笑顔で働ける環境をつくるため規定に明記した」と話す。

 

厚生労働省が令和2年10月に全国の企業・団体に行った調査によると、「過去3年間に相談があった」と回答した割合は、パワハラ(48・2%)、セクハラ(29・8%)に続いてカスハラが19・5%。件数が「増加している」と答えた割合は3・8%だった。

 

カスハラが発生しやすいのは顧客とじかに接する職場。近鉄百貨店では「精算が遅くなり行列ができ、いらいらしたお客さまが大声を上げることもある」(広報)という。同社は昨年11月にガイドラインを策定し、悪質な要求の定義や対応手順を明記。高島屋も、顧客の行動パターン別に関連法令や対応方法などについて周知している。

 

関西で小売業を展開する別の企業も「扱っていない商品や限定品、完売品の用意を求める」などのカスハラ事例があるという。広報担当者は「カスハラは年々増えてきており、対応が難しい」と漏らす。

 

ホテル業界も、「電話口に出た従業員が女性と分かるとプライベートな連絡先を聞き出そうとする」「夜間に女性従業員を執拗(しつよう)に客室へ呼ぶ」などの被害が想定され頭を悩ませる。

 

このため、ホテルグランヴィア大阪(大阪市北区)では、午後10時から午前6時までのフロント業務には男性従業員のみが就くことにしている。「男性従業員が客室を訪問する際も(緊急時の連絡手段として)必ず携帯電話を持たせている」という。

 

「リーガロイヤルホテル」を展開するロイヤルホテルは事例を踏まえ、令和2年に全社員向けのコンプライアンス研修で初めて、テーマの一つとしてカスハラ対策を取り上げた。

 

一方、鉄道会社は、運行の乱れにいらだつ乗客や深夜の泥酔客らへの対処に追われる。JR西日本は「(駅員らへの)暴力行為をやめるよう求めるポスターを駅構内に掲示し、係員に対処方法の教育を実施している」と話す。

 

ただ、カスハラは商品やサービスの問題点を指摘する「クレーム」との違いを判別しにくい。対応を誤ると深刻なトラブルや事件にも発展しかねず、各社は現場の実情を踏まえた慎重な対応を迫られている。


《カウンセラー松川のコメント》

法律で規制されているハラスメントではありませんが、
俗に「クレーマー」と称される方等を含めてカスタマーハラスメントも
静かに注目が寄せられてます。
しかし、明らかな不当要求との線引きが難しい内容も多々有ります。
精算時の行列にしても、
釣り銭を無いようにする為に財布の中の小銭を探し続ける客を
店側が支払いを待っているだけならば、
列の中から「早くしろ」との苦情が出るのも当然かも知れません。
企業としては「苦情を聞くだけ」と定めても、
提供された商品やサービスに問題を感じた顧客にとっては
「話を聞いて欲しいのではない。きちんと改善をして欲しい」と思えば
受け手の企業側が
「御意見は御意見として承ります」
「担当部署に伝えます」
「改善しておきます」
とだけ回答しても、顧客としては納得出来ないのは理解できます。
苦情を受けている者が、その場凌ぎで回答している事も少なくないからです。
この様に苦情を発する者と受け手との温度差から発生する
更なる苦情をカスタマーハラスメントの一言で分類して良いのかも
疑問があります。
ところが、
「100万円の仕事が駄目になったから補償しろ」
「今すぐ詫びに来い」
「誠意を形で表せ」
この様な暴力団の因縁付けの様な要求はハラスメントと看做して良いでしょう。
相手の要求が企業側にとって不都合なだけなのか、
社会通念上で常軌を逸しているのかでハラスメントの有無となるのでしょう。
そして顧客のハラスメントに対し、雇用者として従業員を守る義務が必要ですし、
今後は義務化される可能性もあるでしょう。

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