2022年10月13日木曜日

消防署員死亡、公務災害に 不適切指示で元署長戒告

消防署員死亡、公務災害に 不適切指示で元署長戒告

 

2022年10月13日(木) 18:15 産経新聞

 

令和元年に東京消防庁牛込消防署の男性消防司令=当時(47)=が自殺したとみられる問題で、地方公務員災害補償基金が公務員の労災に当たる公務災害に認定したことが13日、分かった。業務中に不適切な指示があったとして東京消防庁が当時の男性署長を戒告の懲戒処分にしていた。

 

東京消防庁によると、消防司令は元年12月に死亡しているのが見つかった。元署長からパワハラを受けていたとの匿名の投書があり、東京消防庁が調査。度重なる指示や細かい要求で威圧的な雰囲気と受け止められたとして2年3月に処分し、元署長は依願退職した。東京消防庁は「職員の死亡に一定の影響があったと推測されるが、業務の指示を逸脱しておらず直ちにハラスメントと認定するに至らない」としていた。

 

公務災害認定を受け東京消防庁は「同種事案が発生しないよう職員の管理監督体制を強化する」とコメントした。

 

 

※ 他社のニュースも掲載致します 

【独自】東京消防庁の職員自殺で“公務災害”を認定
 パワハラ投書も 「主人の死が無駄にならぬよう再発防止を」

 

20221013() 12:26 TBS

 

2019年、東京消防庁の男性消防司令が自殺し、その上司が懲戒処分を受けた問題で、男性消防司令の死は民間企業の「労災」に相当する「公務災害」として認定されていたことが分かりました。

 

当時、東京・新宿区の牛込消防署に勤務していた男性消防司令(当時47)は201912月に自宅で死亡しました。

 

その後、「男性消防司令はパワハラを受けていた」という内部通報があり、東京消防庁は20203月、上司の元署長(当時56)に対し、「威圧的な雰囲気ととらえられる不適切な指示を行い、職場の秩序を著しく乱した」として「戒告」の懲戒処分を行い、元署長は依願退職しました。

 

男性消防司令の妻は20203月の取材に対し

男性消防司令の妻

「(夫が)『ひとつの案件を署長に持って行くと、倍になって返ってくる。それを直して持って行くと、また直しが入るので終わらない。仕事が終わらないので寝られない』と言っていました。遺書がないので、真実を語ることができない。悔しくて無念でしょうがないです。東京消防庁が大好きで、『本当に人の役に立ちたい。火災からみんなの命を守る仕事がしたい』って言っていました」

 

その後の遺族への取材で、20223月に「地方公務員災害補償基金東京都支部」が男性消防司令の死を民間企業の「労災」に相当する「公務災害」に認定していたことが分かりました。

 

男性消防司令が日常業務から何らかの影響を受け、自ら命を絶ったと判断したとみられ、東京消防庁は、▼「真摯に受けとめ、管理監督体制を強化する」▼「相談窓口を設置するなど、時勢に則したハラスメント教育を徹底し継続していきます」とコメントしています。

 

一方、男性消防司令の死から3年間で、東京消防庁はあわせて3件のパワハラ行為に対する懲戒処分を発表していて、パワハラを根絶できない理由を「消防活動は人命に直結するため失敗が許容されにくい環境が挙げられる」としています。

 

20221013日、東京・千代田区にある「弥生慰霊堂」で小雨が降る中、警察や消防の「殉職者」を慰霊する式典が行われ、男性消防司令の妻は遺族として招かれました。

 

妻は取材に対し、「公務災害が認められ、やっと前を向いて歩くことができます。主人は自分の仕事に誇りを持ち、人の為に尽力してきました。上司部下問わず慕われていた人でした。主人の死が無駄にならないように、再発防止に努めて頂きたいと、心から願っております」とコメントしています。

 

 

 

消防司令自殺は公務災害 補償基金が認定

 

20221013日(木)16:07 時事通信

 

 2019年に自殺した東京消防庁の男性消防司令=当時(47)=について、地方公務員災害補償基金東京都支部が公務災害と認定していたことが13日、分かった。3月24日付。

 

 同庁や同支部によると、男性は牛込消防署(新宿区)に勤務していた19年12月、自宅で自殺した。同年10月以降、業務量が増えて体調を崩し、周囲に「仕事が進まない」と話していたという。

 同庁は20年3月、男性の過重労働を放置していたとして、当時牛込署長だった50代の男性消防監を戒告の懲戒処分とした。元署長は同月、依願退職した。

 同庁は「同種事案が発生しないよう、管理職の管理監督体制を強化する」とコメントした。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ2020年4月1日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 「パワハラ」署長を戒告 職員自殺か、東京消防庁 (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
パワハラ被害による自殺を死亡から2年以上経過して公務災害として認定。
時間を要した点は問題ですが、認定自体は評価されるべきでしょう。
亡くなられたのは東京消防庁の司令なので署で係長または課著補佐の職位です。
災害現場に出場すれば大隊長のポストでもありますので、
各部署で実質的には部下を率いる立場とも言えます。
この様な階級職位に就かれる方は、昇任試験を何度も合格しているので、
仕事もそれなりに熟せる方が殆どですから、
所属長である署長も課長決裁の済んでいる書類にまで
修正をしたり求めたりするのは行き過ぎの感があります。
勿論、今後の仕事の為に指導されるのは構いませんが、
目の前の書類にまで要求するのは非効率とも言えます。
この点で署長によるパワハラと看做されるのも止む無しでしょう。

御遺族の方へ
亡くなられた方は決して戻りませんが
せめてパワハラの事実と公務災害が認められたのが救いかも知れません。
訓練や現場での過度な厳しさも事故防止の観点から必要な部分もありますが、
書類作成でそこまで行う必要は無いことを再度徹底されると良いですね。

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