【追跡】「干してました」「退学の道を選ばせる」
当時の学院長の証言が明らかに 江差看護「パワハラ自殺」
2026年6月25日(木) 12:21 北海道テレビ
■学院長(当時)
「干してました。あえて、退学の道を選ばせるっていうのが、
教職員の狙いだったと思います。
収容所並み、自分はそういうのを連想しました」。
北海道立江差高等看護学院の当時のトップ=「学院長」の証言。
当時の学院内の様子が、生々しく記されていました。
2019年、学院で看護師を目指していた
秀人さんが下宿先のアパートで亡くなりました。
自殺でした。
「4月からは死なないことを目標に生きていくわ」。
親友に宛てた手紙にこう記した半年後のことでした。
■秀人さんの親友
「実習から帰ってきて話を聞くだけでも
違ったんじゃないかとか。
もうちょっと頼ってほしかった」。
男子学生同士で仲が良かったという秀人さん。
同級生は当時をこう振り返ります。
■秀人さんの同級生
「パワハラしかなかった。あの学校は」。
■秀人さんの同級生
「原因はパワハラなりあったと思う」。
遺族は秀人さんの自殺の原因は
教師からの「パワハラ」だとして道を相手に訴えを起こし
今も裁判が続いています。
一方で、道はパワハラを全面的に否定しています。
HTBが新たに入手した秀人さんの実習ノート。
亡くなる9日前、そこに記されていたのは
「感情のコントロールができないと論外」。
自分を責めるような
言葉が残されていました。
■秀人さんの母親
「うちの子は江差の学校に殺されたんだって思いが強くなって」。
2019年、下宿先のアパートで自ら命を絶った秀人さん。
当時、道立江差高等看護学院に通う3年生でした。
■第三者調査委員会 須田布美子座長
「教員からパワーハラスメントを受けたことによって
死を考えるようになったと認められます」。
秀人さんの死から3年後。
この件を受け、道は第三者委員会を立ち上げ、
「『人格を変えなければいけない』と思わせるような
指導をしたこと」など
3人の教師による4件のパワハラがあったと認定。
学校の学習環境が自殺につながったと認められました。
道は、直接遺族に謝罪しました。
■道の担当者
「ご子息に対するハラスメントが確認されました。
心よりおわび申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」。
■鈴木直道知事
「複数の教員によるハラスメントが確認された。
学生をふるい落とすような教育方針。
ご遺族に対して深くおわびを申し上げますとともに、
お亡くなりになられた学生に対して心より哀悼の意を表します」。
■秀人さんの母親
「亡くなった原因がパワハラにもあるということが
少しでも分かったので良かったかなと思っています」。
しかし、その後、道は自殺の賠償については、
パワハラとの因果関係は認められないとして
応じない考えを示しました。
遺族は2024年9月に道を提訴
今も裁判が続く
遺族は秀人さんの自殺の原因はパワハラにあったとして
道に対し9500万円の損害賠償を求め提訴。
道は請求の棄却を求めて争う姿勢を示しました。
■道側(準備書面より)
「パワハラと認定された4つの事例はいずれもパワハラとはいえず、
原告がパワハラや不適切な指導と主張する各事例と
本件学生の自死との間の相当因果関係は認められない」。
道は自ら設置した第三者委員会の調査を「客観的ではない」などとして、
認定された4件のパワハラすべてを「否定」しました。
■秀人さんの母親
「勝手に死んだんじゃない、あなたたち(道)のせい。
その責任から逃れようとするのは違いませんか」。
秀人さんが亡くなってから7年が経とうとする今も裁判は続いています。
■前田愛奈記者
「道側が3月に新たに提出した証拠書類を閲覧しました。
その内容は当時の学院長がパワハラを認めるものでした」。
■伊東則彦学院長(当時)
「亡くなった男子学生については今でも申し訳なく思っています」。
当時の学院長はいち早くパワハラがあったと認め
メッセージを遺族に送り謝罪していた人物です。
第三者委員会にもこう話していたことが分かりました。
■伊東学院長(当時)※道が裁判所に提出した証拠書類より
「教職員というのは、彼を辞めさせたいと思っていたんです。
干してました。
彼を落として、あえて、退学の道を選ばせるっていうのが、
教職員の狙いだったと思います」。
学院長は江差保健所の所長も兼務し、
週に3日、1日3時間程度しか学校にいなかったため、
秀人さんのへの「パワハラ」は気付けなかったといいます。
■伊東学院長(当時)※道が裁判所に提出した証拠書類より
「自分が行くと、そういう現場見せないようにします。
彼にとっては地獄だったと思います。
収容所並み、自分はそういうのを連想しました。
先生たちは収容所の監視員とか、立派にやれると思います」。
なぜ、道側はこれまでパワハラを「認める」学院長の証言を証拠として
提出しなかったのか。遺族側の弁護士は。
■植松直 弁護士
「道はその前までは第三者委員会における関係者の供述証拠は
(他に)ないと言っていた。
そんな訳はない、学院長から話を聞いてない訳がないと、
(証拠を)出せって言っていたが、
(道は)全然出さなかった。
道にとって不利な証拠だったので、
これを裁判所に見られてはまずいと考えて
隠蔽してたのではないかと思っております」。
これについて道は
「係争中なのでコメントは差し控える」としています。
HTBが新たに入手した秀人さんの実習ノート。
第三者委員会でパワハラ認定された
『人格を変えなければいけない』と思わせるような指導をされた実習中、
亡くなる9日前に記されています。
「先生との話合いの中で自分が泣くのは
自分を分かってほしいという傲慢なアピール。
感情がコントロールができないと論外」。
教師との面談を経て、
自らを厳しく責めるような言葉がつづられていました。
秀人さんはどうして命を絶たなくてはいけなかったのか。
新たな証言が与える影響は。
次回の裁判は7月14日に非公開で行われる予定です。
《カウンセラー松川のコメント》
拙ブログ3月16日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 「退学選ばせる狙い」と証言 生徒自殺訴訟で元学院長
これの続報です。
拙ブログでは2021年4月6日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 教師から「指導する価値ない」 看護学生らパワハラ訴え
この記事から採り上げておりますが、
既に報道時点で自殺者の存在が記されておりました。
私はパワハラを容認する訳でも、この学校のパワハラを擁護する気もありません。
しかし、看護の世界は非常に厳しいです。
医師と同様に医療の最前線で患者とに対応し、
医師の目となり耳となる仕事でもあります。
そして、時には一分一秒を争う戦場の様な修羅場で執務もします。
「人を助けたい」それだけでは務まらないのが、医師や看護師の世界。
だから、資格取得をし、就職する前に不適格者には別の世界へ歩み直すことを
進めなければならない場所でもあります。
理想は希望する者が全て受験し、合格し、看護師となることでしょう。
ところが、それは現実には無理なことです。
もちろん、生徒を死に追い込む必要は無かったのは当然です。
学校の採った手法は間違いであり、それは認めるべきです。
不適格者であると判断したのならば、
保護者同席にしてでも退学し転向することを懇切丁寧に説得するべきです。
進路指導とは上級校への進学や本人希望の就職先へ就職させるだけでなく、
本人にとって適切な進学や就職をアドバイスすることです。
その点では、この学校は絶対にやってはならない手段を採ったと言えます。
御遺族の皆様へ
学校や教員の採った方法は完全に間違いです。
退学が本人の為であったとしても、それを有形無形の圧力ではなく、
理を以て説明するべきでした。
環境に堪えられなくして自主退学により、教員の責任を本人に転嫁させるのは、
教員としてあるまじき行為です。
裁判の継続は心身への負担も大きいですが、
御子息だけでなく全ての被害者にとって学校の手法が間違えていたことを
この裁判で明らかにして欲しいと願っております。
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