2021年5月20日木曜日

仙台大のボート監督をパワハラで提訴 元部員「暴言で後遺症」

仙台大のボート監督をパワハラで提訴 元部員「暴言で後遺症」

 

2021年5月20日() 18:02 毎日新聞(松倉展人)

 

 ボート競技の全日本大学選手権で201920年と男子が総合優勝している強豪・仙台大(宮城県柴田町)の漕艇部に所属した男性(愛媛県今治市在住)が、教授でもある監督からの度重なる暴言、嫌がらせなどのパワーハラスメントを受け、現在も精神的後遺症で生活に支障をきたしているとして、大学を運営する学校法人朴沢学園と監督の男性に約4460万円の損害賠償を求める裁判を松山地裁今治支部に起こした。監督は現役時代、五輪に3回出場、ロンドン五輪で日本のボート選手団コーチを務めた。

 

 訴状によると男性は司令塔となる「コックス」を務め、全日本大学選手権男子エイトで2位などの成績を残す選手。部の伝統でコックスが担う「主務」(大会エントリー、会計、練習準備などを担当)に2年次の20195月ごろに就いた。1年先輩の主務が監督のパワハラでコックスを降りたため引き継いだという。

 

 その後、練習中のミスや連絡の遅れなどを理由に、監督は「お前のようなコックスは必要ない」「君の頭は腐っている」「君がミスしたんだから君が謝れよ」「準備ができていないのなら合宿はいかなくていい」と、部員の前で繰り返し威圧的にどなりつけたという。

 

 監督は男性が当時交際していた女性に対し、男性と別れるよう複数回強要した上、「君はきれい」「可愛らしい」といったセクハラ行為を23時間もしたとされる。

 

 一連の行為で男性は精神的に追い詰められ、監督と話す際、ぜんそくのようなせきが出るように。夜も眠れず過呼吸や動悸(どうき)にも襲われた。大学に通い続けられなくなり、主務に就いた5カ月後に退学届を出した。愛媛に帰省後も精神科への通院を余儀なくされ、重度ストレス反応、適応障害と診断されたという。

 

 ◇学園「認識異なる部分、裁判で明らかに」

 

 訴状で男性は「一連のパワハラ行為は教育的指導の範囲を優に超え、人格権を著しく侵害された」と主張。学園にも使用者責任を求めた。学園は「原告の主張する内容には、学園や監督自身の認識と異なる部分があることから、裁判を通して明らかにしていきたい」とコメントしている。

 

 大学はホームページの「サークル紹介」で「全日本大学選手権、全日本選手権などで数多く優勝。卒業生にはリオ五輪代表や、社会人チームで活躍している競技者も」と部を紹介するとともに、「競技者としての成長はもちろん、スポーツを通して一人の人としてどうありたいのかを問い、一流の人、紳士・淑女を目指す」と目標を掲げている。


《カウンセラー松川のコメント》

記事では伏せられてますが、監督の経歴から阿部肇氏と一目瞭然です。
阿部監督は1963年生まれですから、
スポーツ界ではスパルタが当たり前の時代に育ったとも言えるでしょう。
阿部氏は現代図書社から[トップアスリートの指導者に学ぶ]を
今年4月1日に出したばかりと言うタイミングです。
現在の競技部活動に於いて指導上の厳しさは必要だと思いますが、
原告の「1年先輩の主務が監督のパワハラでコックスを降りたため引き継いだ」
ここから非常に気になります。
そして問題なのは、原告の交際への関与と、交際相手に対する言動です。
厳しい指導が止む無しだとしても、交際相手に対する言動は常軌を逸してます。
しかし、教育機関における対外的な競技活動に対して[勝利至上主義]を
考える必要もあると思います。
それは高校野球やインターハイ、全ての競技大会に当てはまります。

被害者の方、
退学された上に精神科への通院治療まで余儀なくされた事は本当に悔しく
被告を許すことなど出来ないでしょう。
どうか真実を司法に於いて明白にし、
パワハラやセクハラをする者の行く末を分からせて欲しいです。

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