2022年6月22日水曜日

巡査自殺で百万円賠償命令、神戸 遺族がパワハラ主張

巡査自殺で百万円賠償命令、神戸 遺族がパワハラ主張

 

2022年6月22日() 13:48 共同通信

 

 兵庫県警巡査だった木戸大地さん=当時(24)=が2015年に自殺したのは、所属していた機動隊の先輩隊員らによるパワーハラスメントが原因だとして、広島市に住む両親が兵庫県に約8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で神戸地裁(久保井恵子裁判長)は22日、100万円の支払いを命じた。

 訴状などによると、木戸さんは09年に県警に採用され、12年に機動隊に配属後、先輩隊員らの嫌がらせや暴言、体罰が始まった。宴会で裸踊りを強要されたり、仕事の「ミス一覧表」の作成を命じられたりした。

 15106日に隊舎の自室で首をつり、9日後に亡くなった。うつ病だったとみられる。

 

 

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県警機動隊員パワハラ自殺訴訟、県に100万円支払い命令…神戸地裁

 

2022年6月22日() 13:39 読売新聞

 

 兵庫県警機動隊の巡査だった木戸大地さん(当時24歳)が自殺したのは、先輩や上司のパワーハラスメントなどが原因だったとして、両親が県に約8000万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁(久保井恵子裁判長)は22日、県に100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 訴状によると、木戸さんは機動隊に配属された2012年9月以降、先輩や上司から仕事のミス一覧表の作成を命じられたり、日常的に罵倒されたりしたほか、ミスがあったとしてスクワットをさせられるなどパワハラを受けたとしている。木戸さんは15年10月、機動隊の寮で自殺を図り、死亡した。

 県側は訴訟で、「ミスの改善に業務上必要な指導でパワハラは存在せず、自殺は予見できなかった」として請求棄却を求めていた。

 

 

 

県警機動隊員「パワハラ」自殺巡り、兵庫県に賠償命令 神戸地裁

 

2022年6月22日(水) 13:18 毎日新聞(巽賢司)

 

 2015年に兵庫県警機動隊の巡査だった木戸大地さん(当時24歳)が自殺したのは上司からのパワーハラスメントが原因だったとして、両親が兵庫県を相手取り約8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁(久保井恵子裁判長)は22日、原告側の請求を認め、県に100万円の支払いを命じた。

 木戸さんは12年に機動隊に配属され、1510月に寮の自室で自殺。遺族が1710月に提訴していた。

 原告側は、木戸さんが機動隊の先輩や上司から「ボケ」と叱責され、仕事でのミスをまとめた一覧表の提出や訓練の失敗で腕立て伏せを強要されたと主張。こうしたパワハラ行為が原因でうつ病を発症して自殺したなどと訴えていた。

 県側は、一覧表の提出を求めたのはミスを改善させるためで、腕立て伏せも任務に必要な体力を養うためだったとし、一般的に許される範囲内での指導だと反論。自殺との因果関係はないとしていた。

 県警機動隊を巡っては、木戸さんが亡くなる前の159月にも別の男性巡査が自殺。この巡査は自殺と職務に因果関係があるとして公務災害と認定され、木戸さんは申請が棄却されていた。




【速報】遺族「胸の張り裂ける思い」
パワハラ認め賠償命じるも『自殺との因果関係認めず』
県警機動隊員の自殺めぐる訴訟 遺族は控訴の方針

 

2022年6月22日() 14:55 毎日放送

 

 7年前に兵庫県警の機動隊員が自殺したのは先輩によるパワハラが原因だったなどとして、両親が損害賠償を求めていた裁判で、22日に神戸地裁は県に両親へ合わせて100万円支払うよう命じました。判決後に遺族は神戸市内で会見を開き「胸の張り裂ける思いがする」などと話しました。

 201510月、兵庫県警の機動隊の巡査だった木戸大地さん(当時24)は寮で首をつって自殺しました。両親は先輩隊員による日常的なパワーハラスメントがもととなって、息子がうつ病を発症したなどとして、兵庫県に対し約8000万円の損害賠償を求めていました。

これまでの裁判で県側は、争う姿勢を示し、訴えを退けるよう主張していました。

 去年12月の証人尋問では、木戸さんの先輩隊員が出廷し書類に不備があった部分に「ボケ木戸」と書いた付せんを貼ったり、木戸さんにだけミス一覧表を作らせたりしたことなどは認めた一方で、「(木戸さんが)業務上のミスを繰り返すので危機意識を持たせるためにしたこと」と主張し、パワハラについては否定していました。

 622日に神戸地裁は公休日に呼び出して報告書を作成させたこと、書類に不備があった部分に「ボケ木戸」と書いた付せんを貼ったり木戸さんにだけミス一覧表を作らせたりした先輩隊員の行為をパワーハラスメントだと認めました。一方で、それらの行為が木戸さんのうつ病の発症や自殺に繋がるとまでは言えないとして兵庫県にパワハラへの慰謝料として100万円の賠償を命じました。

遺族は控訴する方針「判決はあまりにも納得しがたい内容」

判決後の会見で話す大地さんの父:木戸一仁さん

 

判決後に遺族は神戸市内で会見を開き次のように話しました。

 (遺族の木戸一仁さん)

 「今日という日を68か月待って迎えたわけですけど、去年12月の証人尋問の際の巡査長の言い分。ずいぶん聞き取り調査と当日に話していることの相違点もあり、私としてはきょうという日に違う判決が下されるだろうという思いで、臨んでまいりました。しかし司法が下した判決というものはあまりにも納得しがたい内容です。胸の張り裂ける思いがします」

 「何人の隊員がパワハラであった、大地を死に追い詰めたと言えば司法は私たちが望むような判決を下してくれるのか」

 「どうか大地のような悲しい辛い思いをする青年、そして悲しい思いをする遺族を二度と出ませんように。そして『きょうは完全勝訴の判決がおりて兵庫県警が県民から愛される、信頼される職場と変わって風通しのよい職場になるように』とそれだけをお願いしてきましたけど、思うような判決ではありませんでした」

 

 両親は判決内容に納得ができないとして、控訴する方針です。




機動隊員パワハラ 県に100万円賠償命令自殺との因果関係は認めず

 

2022年6月22日() 16:44 日本テレビ

 

7年前、兵庫県警機動隊の男性隊員が自殺したのは、上司によるパワハラが原因だとして、遺族が損害賠償を求めていた裁判で神戸地裁は、県に対し、100万円の支払いを命じました。パワハラと自殺との因果関係については認めませんでした。

201510月、兵庫県警の機動隊員だった木戸大地巡査(24)が機動隊の寮で自殺しました。

警察の調査で複数の隊員が上司によるパワハラを証言。遺族は、自殺の原因は上司から日常的にパワハラを受け、うつ病を発症したことだとして、兵庫県を相手におよそ8000万円の損害賠償を求めていました。

22日の判決で、神戸地裁は、上司からのパワハラがあったと認定し、兵庫県におよそ100万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

一方、パワハラと自殺との因果関係については認めませんでした。

木戸巡査の父、木戸一仁さん「見事に司法に裏切られた感じがする。何人の隊員がパワハラであった、死に追い詰めたと言えば司法は私たちが望むような判決をくだしてくれるのだろうか」

遺族は控訴する方針で兵庫県警は、「内容を検討し、関係機関と協議の上、今後の対応を決めたい」とコメントしています。




「当日の叱責が致命的」の証言も…
 兵庫県警パワハラ自殺
 神戸地裁は「頻度が執拗であったとは言えない」と因果関係を認めず

 

2022年6月22日() 21:19 関西テレビ

 

兵庫県警の機動隊員だった、木戸大地さん。

7年前、職場の寮で自ら命を絶ったのは職場でのパワーハラスメントが原因だと、両親が県を訴えた裁判が、622日に判決を迎えました。

司法はどのような判断を下したのでしょうか。

 

多くの表彰を受けた機動隊員に何が…

 

【木戸大地さんの父・一仁さん】

「判決が出るまでの最後の月命日なんです。月命日の15日には毎月行くわけ」

 

615日、木戸一仁さんと、妻の久美子さんは、広島市の墓地を訪れました。

ここには、息子の大地さんが眠っています。

 

【一仁さん】

「できることなら大地の死が無駄にならないように、兵庫県警がみんなから信頼される職場に変わってほしい。それが大地が望んでいたことだと思う」

 

兵庫県警の機動隊員だった大地さん(当時24)。

山岳救助などを担うレンジャー隊員を務め、多くの表彰も受けていました。

 

普段仕事のことを話さなかったという大地さんが、一度だけ一仁さんに語ったことがあります。

 

【一仁さん】

「『お父さん今日はもう少し飲みたい、話がある』って言って、その時初めて、あの子が泣きながら『警察組織は腐っている。あまりにも内部で筋の通らない、曲がったことがまかり通る組織だ』と、『どんなことがあっても、組織をちょっとでも変えたいんだ』と。あれぐらいですかね、あの子が警察組織の内部のことを私たちに話したのは。どんなことがあったか、どんなことで追い詰められていたかは分かりませんでした」

 

遺書に登場した「A隊員」と仲間たちの証言

 

201510月、職場の寮で首をつり、自ら命を絶った大地さん。

大地さんがA隊員に宛てて残した、1枚の遺書があります。

 

【大地さんの遺書】

「あなたの思い描いた通りになってよかったですね」

 

大地さんにとって、機動隊の先輩だったA隊員。

2人の間に一体何があったのか。

 

大地さんの死後、兵庫県警が隊員らおよそ120人に聞き取り調査をした資料には、大地さんに対するA隊員のさまざまな行動が記されていました。

 

【聞き取り調査の資料】

A隊員は木戸のミスの所だけ『ボケ木戸』と書いた付箋をつけており、明らかに木戸だけを狙ったものでした」

「(自死行為当日の朝)A隊員が木戸に対し『お前、警察としてどんな行動しとんねん、なめとんのか。出ていけ』『覚えとけよ』と大声で叱責するのを見た」

「(自殺の原因についての心当たりについて)A隊員に怒られ続けたことが積もり積もった、当日の叱責が致命的」

 

一仁さんと久美子さんは、大地さんが自殺したのは職場でのパワーハラスメントが原因だとして、2017年に兵庫県を提訴。

しかし兵庫県警は、パワハラは存在しないと全面的に争う姿勢を示しました。

 

裁判の中で証人として出廷したA隊員も「何度もミスを繰り返すので危機意識を持たせるためだった」などと述べ、指導の範囲だと主張しました。

 

【一仁さん】

43名の隊員が、大地が日頃からA隊員からいじめやパワハラを受けていたと証言をしている。2人は大地が自死に至ったのは『A隊員が直接の原因』だと。これでも認めない。じゃあ何人の隊員が認めたらパワハラを認めるのか」

 

大地さんの80回目の月命日。

一仁さんと久美子の姿は、大地さんの墓前にありました。

 

【一仁さん】

68カ月前、火葬場で大地と最後のお別れをしたときに、できることなら厚い鉄の扉の向こうに一緒に行って旅立ちたかった、それぐらい。我が子の変わり果てた姿を竹箸で収骨する親の気持ちできることなら、どんなことをしてでも息子の仇をとってやりたい、それが本心です」

 

迎えた判決の日 神戸地裁は…

 

裁判を起こしてから48カ月。

622日、ようやく判決の日を迎えました。

 

神戸地裁の久保井恵子裁判長は、A隊員が大地さんに対し「ミスを怒鳴って叱責し『ボケ木戸』と書いた付箋を報告書に貼った行為」などがパワハラにあたると認定しました。

一方で、「そのような行為の頻度が執拗(しつよう)であったとまでは言えない」と指摘し、パワハラと自殺との因果関係は認めませんでした。

 

その上で、兵庫県に対して100万円の支払いを命じました。

 

【一仁さん】

「大地は決してそんなやわな人間じゃありません。何人の隊員が『パワハラであった』『大地を死に追い詰めた』と言えば、司法は私たちの望むような判決を下してくれるのだろうか…」

 

大地さんの両親は、控訴する方針です。

一方、兵庫県警は「判決内容を検討し、関係機関と協議の上、今後の対応を決めたい」とコメントしています。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ6月21日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 先輩警官らのパワハラ争点 兵庫・機動隊員の自殺訴訟、22日に判決 (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
やはり、裁判所は警察寄りの判決を出しました。
警察としてはパワハラも認めたくないでしょうけど
数々の事実が判明している以上、
被告としてはパワハラ認めないが、
裁判所パワハラと自殺の因果関係を認めさせない
これが落とし所だと思うのです。
だから一人の死に100万円と言う、
宝くじの当選賞金よりも低額な賠償金で構わないのです。
しかも、誰の懐も痛まない、負担するのは納税者ですから
これは被告の実質勝訴です。

御遺族の皆様
パワハラの事実は認定するも自殺の因果関係は無し。
これでは軽微なパワハラと同様の扱いであり、
敗訴同然の判決です。
しかし、これが日本政府の実態とも言えます。
相手は強敵ですが、法廷闘争の継続はニュースとなりますので、
亡くなられた方を世間に忘れさせない効果はあります。

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