2022年12月30日金曜日

消防士ら6割がハラスメント身近に 「熱血指導」名目に過激なしごきも

消防士ら6割がハラスメント身近に 「熱血指導」名目に過激なしごきも

 

2022年12月30日() 13:59 毎日新聞(吉永磨美)

 

 消防士や救急救命士ら消防職員で作る「全国消防職員協議会(全消協)」が実施したアンケートで、約6割の消防士らが職場でハラスメント被害を受けたり、見聞きしたりしたと回答した。陸上自衛隊に所属する女性隊員の被害に次いで、消防の職場でもハラスメントが広がっている実態が浮き彫りになった。

 

 アンケートは今年3月、35歳以下の同協議会会員の消防士らを対象として実施され、1063人から回答を得た。それによると、パワハラの被害を受けたり見聞きしたりしたのは52%。セクハラは3%、モラハラは6%で、合計61%に上った。

 

 具体的には、殴ったり蹴ったりする身体的暴力のほか、物事への向き不向きを取り上げてさらし者にするモラハラも目立った。

 

 同協議会は、階級差を利用し、断りづらい雰囲気を作って金銭を要求したり、訓練中に「熱血指導」という名目で過剰なしごきを加えたりするケースを把握しているという。

 

 アンケートを実施した全消協の須藤洋典会長は「加害者の処分やハラスメント教育など、実効性のある職場改善策が必要だ」と訴える。

 

 公務員のハラスメントに詳しい「職場のハラスメント研究所」の金子雅臣所長は「自衛隊、警察同様、消防は階級制度があり、上意下達で動くため構造的にハラスメントが起きやすい」と指摘する。


《カウンセラー松川のコメント》

公安職は階級社会であり、現場対応で抗弁する事も許されない世界です。
しかし、それは当然の事であります。
一秒を争う様な過酷な現場で、経験や知識を基に指揮命令する上司に対して、
部下がいちいち意見具申をしたり、選り好みをしていたのでは、
任務遂行は叶いません。
それだけに、指揮者は知識や経験を持つだけでなく、
時には困難な対応を行わせる為に高い人間性も必要です。
ところが何を勘違いしたのか、自身の階級や勤続期間だけを拠り所にして、
部下や後輩に仕事とは無縁な無理強いをしたり、
言葉や物理的な暴力を振るう者が後を絶ちません。
ハラスメント被害者と称する者の中には、単に被害感情が先走り、
指導や叱責を「パワハラだ」と吹聴する者も居るでしょう。
しかし、弱い者虐めが楽しくて、立場を利用しての悪逆非道や、
自らの劣情を満たす為のセクハラや性暴力に及ぶ、
道徳心が異常に欠落している卑怯な社会不適応者も居ます。
この様な卑怯者に対しては厳罰を科する事が再犯防止の王道ですが、
処分内容を決める方々には被害程度が具体的に伝わらなかったり、
被害者の立場になっての検討が出来ないのか、
軽い処分で済まされる傾向が未だにあります。
また、加害者の上司に対しても、形式的な処分で終わらせてしまう為に、
再発防止への意識改革に至らず終結してしまいます。
幹部コメントでは「再発防止に努める」が常套句となっていますが、
実効性の無い掛け声程度や軽い処分で再発防止が出来る訳がありません。
組織として、管理監督者として、
今一度再発防止について真剣に考えて欲しいと願ってます。

被害者の皆様へ
貴重な統計資料が出来たと思います。
これを足掛かりにハラスメントが無くなる事を祈念しております。

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