2022年12月15日木曜日

陸自性暴力 直接関与の5人を懲戒免職 中隊長らも処分

陸自性暴力 直接関与の5人を懲戒免職 中隊長らも処分

 

2022年12月15日() 15:31 毎日新聞(内橋寿明、安達恒太郎)

 

 陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県)に所属していた元1等陸士、五ノ井里奈さん(23)が複数の男性隊員から性暴力を受けた問題で、防衛省は15日、五ノ井さんからの被害申告をほぼ全面的に認め、直接的に関与した2040代の1等陸曹~3等陸曹の計5人を懲戒免職とした。性暴力を巡り、一度に5人が懲戒免職となるのは極めて異例。

 

 五ノ井さんから申告があったのに調査しなかった30代の中隊長=1等陸尉=が停職6カ月とされ、懲戒処分の対象は計6人に上った。このほか、五ノ井さんに性的発言をした30代の3等陸尉が訓戒、監督責任を問われた大隊長=2等陸佐=と連隊長=1等陸佐=が注意や口頭注意とされた。

 

 懲戒免職の5人は、五ノ井さんと同じ部隊の先輩にあたる。うち3人=2曹と3曹=は20216月、訓練で張ったテント内で五ノ井さんの胸を触るなどした。訓戒の3尉はこの訓練後、車の中で服を脱ぐよう促す発言をした。

 

 218月には宿舎の部屋で、33人が1曹の指示で五ノ井さんを押し倒し、下半身に触れるなどした。うち1人は五ノ井さんに口止めをしていた。32人は1年弱にわたって日常的に抱きつくなどの行為を繰り返していたという。

 

 中隊長は216月の事案があった後、五ノ井さんの様子がおかしいと部下から報告されたのに、十分な調査をしなかった。さらに8月の事案の後には五ノ井さん本人から申告を受けたのに調査せず、直後に五ノ井さんが任務を離れて実家へ戻った理由について「家庭の事情」とだけ大隊長に報告していた。

 

 同じ月に五ノ井さんが相談窓口に連絡したのを受け、陸自が内部調査を始めたが、33人は当時は関与を否定。3人の対応を知った2曹は「何も見ていない」と虚偽の証言をした。五ノ井さんは休職を経て、226月に退職。動画投稿サイトで被害を訴えた。

 

 防衛省によると、処分を受けた9人は全員男性で、現時点ではいずれも事実関係を認めている。懲戒免職の5人は「交流の一環でやってしまった。仲間として接する中で距離が近くなりすぎた」などと説明。停職の中隊長は「(被害の)調査の必要性は認識していたが、訓練で忙しかった」と話しているという。

 

 一方、調査の過程で懲戒免職となった隊員らが、別の女性隊員1人にもセクハラ行為をしていたことが判明した。防衛省は、郡山駐屯地内で男性隊員が女性隊員に対し、体形に関する性的発言などを日常的に繰り返していたとみている。

 

 陸自トップの吉田圭秀・陸上幕僚長は15日の定例記者会見で「ハラスメントを許さない組織風土を根づかせるため、施策を徹底する」と述べた。五ノ井さんについては「心から申し訳なく思う。仲間だった彼女に悲しくつらい思いをさせたことに強い責任を感じている」と述べた。

 

 五ノ井さんは15日、自身のツイッターで、関与した隊員について「処分の重さに関係なく、誠意を持って責任をとって頂きたい」と心境を明らかにした。

 

 また防衛省は、全組織を対象に実施している特別防衛監察で、11月末までに1414件のハラスメント被害の申告があったと明らかにした。8割超にあたる1256件がパワハラ、1割弱の116件がセクハラに関するものだった。本人への聞き取りなどを通じ、裏付けを進める。



※ 他社のニュースも掲載致します

元自衛官へのセクハラで懲戒処分発表 (福島)

 

2022年12月15日() 19:11 福島放送

 

防衛省は、元自衛官・五丿井里奈さんへの性暴力に対して、5人の隊員を免職とするなど関係者を懲戒処分したと発表しました。自衛隊のハラスメントをめぐっては、元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが訓練中に性被害を受けたとして、防衛省に対し調査を求めていました。防衛省はきょう、昨年8月末から五ノ井さんが所属していた部隊の隊員約100人に聞き取りを行った概要を明らかにし、胸を触ったり、押し倒して性的な接触を強要したなどとして、20代から40代の男性自衛官5人を免職処分としました。また、訓練終了後の車の中で服を脱ぐことを促したとして、30代の男性自衛官1人を訓戒としたほか、五ノ井さんから被害の訴えを受けたにもかかわらず、調査を行わなかったとして、上司であった30代の男性自衛官1人を半年の停職としました。

 

 

 

陸自性被害で5人懲戒免職 ずさん対応の中隊長停職に 防衛省

 

2022年12月15日() 15:39 時事通信

 

 陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)に勤務していた五ノ井里奈さん(23)が在職中に性被害を受けた問題で、防衛省は15日、同じ中隊に所属していた加害者の隊員5人を懲戒免職処分とした。

 

 また、ずさんな対応で被害を防げなかったとして、上司の中隊長を停職6カ月の懲戒処分とした。

 

 免職となったのは先輩に当たる2等陸曹1人と33人、部隊内で指示的立場にあった1曹の計5人。防衛省内でセクハラを原因とした懲戒免職は過去14件あるが、大量処分は異例。五ノ井さんは自身のツイッターで「処分の重さに関係なく、誠意をもって責任をとっていただきたい」とコメントした。

 

 陸自の調査結果によると、昨年8月、1曹の指示で他の4人が五ノ井さんを押し倒し、下半身を押し付ける性暴力が発生。同6月には体を触り、キスを強要する事案もあったほか、日常的に抱きつくなどしていた。

 

 中隊長は昨年6月の事案後に別の隊員からセクハラの発生を示唆されながら調査を見送り、同8月に五ノ井さんが被害を訴えた際にも事実関係を確かめなかった。五ノ井さんが休職した際も上司に別の理由を報告していた。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ10月17日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: セクハラの自衛隊員 元女性自衛隊員に謝罪 「不起訴不当」とされた加害者は再捜査で事実を認め罪を償うと約束したという (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
実行犯の懲戒免職は当然でしょう。
しかも、言い訳にしても誰も納得しない様な内容。
反省をしていないのが明白です。
報道では「異例の大量処分」との事ですが、
処分が異例なのではなく、
職場内で集団にて婦女暴行をしたのが異常なのです。
未だに記者諸氏の感覚はどこかズレています。
そして、調査を怠り、虚偽の報告をした上司が
停職6か月なのも軽過ぎです。
職責を果たさないばかりか虚をつく者に
現在の階級や職位は相応しくありません。
海自の様に降任処分をするのが当然だと思います。

被害者の皆様へ
職場での処分はころにて終了です。
後は刑事事件について、どうするか。
検察審査会にて対応中なのは結果待ちですね。
そして、賠償請求についても検討する価値はあると思います。

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