2022年12月2日金曜日

後を絶たない消防の“パワハラ” 専門家は「厳しい上下関係でパワハラ生みやすい風土」指摘

後を絶たない消防の“パワハラ”
専門家は「厳しい上下関係でパワハラ生みやすい風土」指摘

 

2022年12月2日() 20:35 あいテレビ

 

あいテレビでは、今治市消防の問題について、複数の消防士からの内部告発を受け取材を続けてきました。いったい何が起きていたのかあらためて見ていきます。

 

今治市ではパワハラなどの行為で2人が懲戒処分を受けました。このうち50代の消防司令は、部下の襟首を引っ張りよろけさせたり、「バカ」「アホ」「お前の文章は小学生以下」などの暴言を浴びせたりしていました。そして、書類を4050回差し戻し訂正を命じていましたが、指示に具体性がなかったということです。この消防司令は職場のパワハラ相談員を務めていました。

 

そしてもう1人、40代の消防司令補は、飲み会で部下を平手打ちしたり、深夜の仮眠時間に筋トレを長時間強制したりしていました。また、救急用のチューブを部下の鼻から喉の奥まで挿入するという危険な行為も発覚しています。

 

現役の消防士は職場の状況についてこう証言しています。

 

(現役の消防士インタ)

「パワハラを受けた人が所属長に相談をしたんですけど所属長も見て見ぬふりをしていたと」

 

今治市によりますと、去年、人事課にパワハラに関する相談がありましたが、被害者から「特定されたくない」という要望があったため調査が進まなかったということです。また、パワハラについて職員にアンケートを実施したものの、匿名で書いてもらったため被害者が特定できなかったということです。

 

そして今年9月に加害者の氏名やパワハラ行為が記された投書が届き、ようやくパワハラなどが認定されました。

 

ただ関係者によりますと、この調査が行われている最中、聞き取りを受ける部下に対し、口止めともとれる発言がありました。

 

その内容です。

消防署長が「人を売るやつは許さない」。そして、パワハラ行為を繰り返していた消防士2人も「わかっとるの!」と圧力をかけたり「何を聞かれたのか。何を話したのか」などと調査の内容を聞き出そうとしていたということです。

 

専門家は、内部の調査には限界があると指摘しています。

 

愛媛大学法文学部 小田敬美教授

「報道で伝えられているところからみると、繰り返し、ある程度長期間に渡って行われていて、そういう事案に対する対応体制も十分になっているというふうには見受けられないところがある。いわゆる第三者委員会を設けるなどして一定程度調べた上で対応策、再発防止策を第三者の視点から提言していただくことが重要」

 

消防でのパワハラが表面化したのは、今治市だけではありません。

松山市消防局では、40代の消防士長が後輩の頭や腕をたたくといった暴力や威圧的な言動などで停職1か月。

 

大洲地区では、30代の消防士が後輩への暴力やプロレス技などで停職6か月。

 

さらに宇和島地区では、40代の消防士が部下に護身術と称して暴行するなどしたとして減給処分を受けています。

 

専門家は消防の組織について、職務の性質上、厳しい上下関係が求められるため、パワハラを生みやすい風土がある指摘します。

 

愛媛大学法文学部 小田敬美教授

「どうしても部下に命令を強い口調で命令することになりがち。それが職務の範囲内のことなのか、職務上必要なことなのか、それとも実は職務に関係のないことを命令・あるいは強要しようとしていることについて、区別をできるだけの教育、研修が必要」

 

私どもの報道を受け、多くの消防士の方から職場のパワハラ問題について切実な声が届いています。使命感を胸に職務に励んでいる皆さんが安心して働けるよう抜本的な対策を講じていただきたいと思います。


《カウンセラー松川のコメント》

拙ブログ11月28日付け記事
「Mメンタルサポート」 ブログ出張版: 「人を売るやつは許さん」今治市消防“パワハラ”問題 聞き取り調査で署長が部下に口止めか (mms119.blogspot.com)
これの続報です。
この報道でも問題の核心がズレています。
50代の消防司令による事案としてならば的を射る部分もありますが、
40代の消防司令補と署長による事案は
単に「厳しい上下関係」だけで生まれる物ではありません。
下の者への暴力が楽しくて止められない人間性の異常な司令補と
自身の指導力の無さと管理能力が問われる事を恐れ問題を放置した署長。
この暴力事案と事案隠蔽は上下関係とは無縁です。
どちらも人としてやってはならない事なのです。
法律の専門家だけでは公安職の世界の問題解決には力不足です。

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